機械保全技能士電気系3級の実技練習を何から始めればよいか迷ってませんか?
今回はそんな悩みを解決できる記事となっております。
なせなら、毎年、私は勤めている会社で機械保全技能士の電気系2級と3級の実技練習を教えています。
その中には初心者の方もいます。
もちろん初心者の方が合格する場合は本人の努力が合格の要因として9割以上ですが、その時の手順を紹介していきます。
ここでは練習する前に必要な知識なども併せて紹介していきます。
この記事に書かれている手順で進めていき、効率よく知識を習得し、練習して合格しましょう。
実技練習手順
いきなり配線の練習をしたいところですが、まずは部品の図記号、回路図の書き方等を理解する必要があります。
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1スイッチやリレーなどの部品について学ぶ
実技で出てくる「押し釦スイッチ」「リレー」「ランプ」「タイマリレー」について、どのような構造でどんな働きをするのか知る必要があります。
また、回路を書くために上記部品の電気図記号を覚える必要があります。
実際の作業でも必須の知識ですので、覚えて損はありません。
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覚えるポイントをまとめると下記のとおりです。
覚えるポイント
・各部品の構造、a接点、b接点、端子(ソケット)番号、電気用図記号を確認
・検定盤でのスイッチ、ソケット、ランプの端子番号確認
・テスターを使ってa接点、b接点の違いを確認
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2シーケンス図の書き方を理解
配線をするときはシーケンス図(展開接続図)を書く必要があります。
簡単な回路であれば、頭の中でも可能ですが、配線ミスをなくすためにも紙にしっかり書きましょう。
シーケンスは縦書きと横書きがありますが、今回の実技試験では横書きがおすすめです。
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3タイムチャートの見方を理解
実技試験ではタイムチャートを見て回路図に置き換える必要がありますので、タイムチャートの見方を覚える必要があります。
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4リレーの基本回路を学ぶ
実技の課題を配線できるようになるため、リレーを使ったいくつかの基本回路を学ぶ必要があります。
課題は基本回路の組み合わせとなります。
オンオフ回路から学び、自己保持回路、タイマリレーを動作を使用した回路と順番に慣れていきましょう。
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覚えるべき回路
・ON/OFF回路
・自己保持回路(リセット無し)、自己保持回路
・オンディレー回路、オフディレー回路
・フリッカ回路
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5圧着工具の使い方を学ぶ
配線をするためには電線の被覆を剥き、銅線に圧着端子を接続する必要があります。
正しい圧着をしないと、現場での事故につながります。
また、実技試験では減点となりますので、正しい圧着方法を身につけましょう。
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6テスターの使い方を学ぶ
テスターは安全に作業をするために必要な工具です。
実技試験では「電圧測定」「抵抗測定」の2つを覚えれば問題ありません。
また、テスターはアナログとデジタルがあり、それぞれのメリットとデメリットがあります。
どちらを選ぶかは好みになります。
私は実務ではデジタルテスターを使用しますが、試験ではアナログテスターを使用しました。
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7配線するときの注意事項
配線するときにも注意することがあります。
これは実際の作業でも当たり前のことですが、減点対象となります。
端子台には2本までです。
ごくまれに、実際の制御盤で端子台に無理やり3本入っている配線を見たことがありますが、抜けやすくなりますのでやめましょう。
この他に試験では気をつけることがあります。
配線の注意事項
・端子台への配線は2本まで
・配線の長さが短くないか、長すぎないか
・配線くずが落ちていないか
・端子は背合わせになっているか
・端子台のネジは緩んでいないか
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8基本回路の配線
動作原理と配線方法を理解したあとは実際に基本回路の配線を行いましょう。
実際に配線を行うことで更に理解が深まります。
最初は時間がかかりますし、配線ミスが発生することがありますが、どこを間違えたしっかりと確認して次回につなげましょう。
まずは自分で考えることが大切です。自分で考えても分からない場合は経験者に聞きましょう。
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練習する回路
・ON/OFF回路
・自己保持回路(リセット無し)、自己保持回路
・オンディレー回路、オフディレー回路
・フリッカ回路
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9課題1の練習をする
基本回路を何度か練習した後は課題1の配線練習を行います。
課題1の一部は事前に公表されますので、頭の中で回路図が入るまで練習しましょう。
当日追加される黄色ランプの仕様はある程度のパターンは予想できます。
いくつかの仕様を考えて、練習しましょう。
実際の試験問題ではありませんが、タイムチャートを回路図に描く練習用に10問用意しました。
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10課題2の練習をする
課題2はリレーとタイマリレーの点検と回路の補修作業です。
リレーとタイマリレーの不良要因は6種類ありますので、それそれの特徴を理解し、判別できるようにしましょう。
最初は混乱しますが、何度か練習すると判別できるようになります。
回路の補修作業の練習は他の方に協力していただき、実際の回路に「配線なし」「断線」を入れてもらいましょう。
回路図は事前に公表されますので、練習して時間内に終われるようになりましょう。
何度も練習している方は10分や15分で終わるレベルです。
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検定盤(試験盤)の必要性について
会社に検定盤がある場合は良いですが、個人で用意するのに検定盤の価格は高すぎませんか?
しかし、実技試験の練習には試験で使用する検定盤が必要だと言えます。
これには理由があります。
試験時間が長ければ、購入しなくても問題ないですが、実際の試験時間は短いです。
実務経験が豊富な方でも初見で問題に挑んだ場合、時間内に終わることができません。
事前に配線の長さを決め、どの端子台を使うか覚えておくレベルまでに仕上げておかなければ合格できません。
ですので、練習は必須となってきます。
金額が高いので、私の周りには自分で盤を作成し、安く仕上げた方もいます。
まとめ:合格するためにやること
私は今まで何人かの方に実技練習を教えてきましたが、合格する方の特徴としては当日までにどれぐらい練習したかの違いだと言えます。
仕事をしたあとに練習や勉強をするのはとても大変なことですが、実務経験が豊富でも、練習なしでは落ちている方がほとんどです。
逆に初心者の方や経験が浅い方でも練習量の多い方は合格しています。
3級だから簡単だと思わず、しっかり練習するしましょう。
合格すれば自分に技能があるということの証明になります。