シマタケ(@shimatake_117)です。
シーケンス図などの電気図面を理解できるにはどこから勉強すれば良いか悩んでいませんか?
そんな悩みを解決できる記事となっています。
なぜなら、私自身も最初はまったく分からなかったのですが、今では理解することができ、仕事をしています。
実は複雑に見えるシーケンス図ですが、いくつかの基本回路の組み合わせで構成されています。
この記事では基本回路の1つである「自己保持回路」を写真や実態配線等で詳しく紹介します。
この記事を読み終えると「自己保持回路」を理解することができ、レベルアップしていますよ。
動画でも「自己保持回路」について紹介しています。
自己保持回路とは何?
自己保持回路は自分で保持(記憶)する回路です。
通常、シーケンス制御の基本回路として必要不可欠です。
これはリレー回路やPLCでのラダープログラミング回路でも必ず使用します。
まずは自己保持回路を覚える前に一番の基本である「ON/OFF回路」を理解する必要がありますので「ON/OFF回路」から確認しましょう。
ON/OFF回路
CBE | サーキットプロテクタ(遮断器) |
BS | 押しボタンスイッチ(a接点) |
R | リレー(継電器) |
GL | ランプ(緑) |
ON/OFF回路は基本中の基本です。
上図はON/OFF回路のシーケンス図(展開接続図)となります。
動作としては、ボタン押している間だけ、ランプが点灯する回路となります。
動作を詳細に解説していきます。
step
1遮断器(サーキットプロテクタ)をONにする。
遮断器をONにすることで母線に電気が流れます。
この状態ではまだ何も動作しません。
step
2押しボタンスイッチ(BS)を押す。
押しボタンスイッチ(BS)を押すとリレーのコイル部分に電気が流れ、コイルが励磁されます。
step
3コイルが励磁され、リレーの接点が閉じる。
コイルが励磁されたことによりリレーの接点(R)が閉じます。
接点が閉じたことによってランプ(GL)に電気が流れてランプが点灯します。
また、押しボタンスイッチを離すと、リレーのコイルが励磁されなくなり、接点が開き、ランプが消灯します。
以上がON/OFF回路の動作です。
この回路は押しボタンスイッチをずっと押した状態でなければ、ランプが点灯しません。
ずっと押しボタンスイッチを押しているわけにはいけません。
では、一度押しただけでランプを点灯するにはどうすればよいでしょうか?
ここで自己保持回路が必要となってきます。
自己保持回路の動作
CBE | サーキットプロテクタ(遮断器) |
BS1 | 押しボタンスイッチ(a接点) |
BS2 | 押しボタンスイッチ(b接点) |
R | リレー(継電器) |
GL | ランプ(緑) |
動作を詳細に解説していきます。
step
1遮断器(サーキットプロテクタ)をONにする。
遮断器をONにすることで母線に電気が流れます。
ON/OFF回路と同様、この状態ではまだ何も動作しません。
step
2押しボタンスイッチ(BS2)を押す。
押しボタンスイッチ(BS2)を押すとリレーのコイル部分に電気が流れ、コイルが励磁されます。
step
3コイルが励磁され、リレーの接点が閉じる。
コイルが励磁されたことによりリレーの接点(R)の2か所が閉じます。
接点が閉じたことによってランプ(GL)に電気が流れてランプが点灯します。
また、押しボタンスイッチ(BS2)の隣にあるリレー接点(R)経由でもリレーのコイル部分に電気が流れます。
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4押しボタンスイッチ(BS2)を離す
押しボタンスイッチ(BS2)を離してもランプは消えません。
これは押しボタンスイッチ(BS2)の隣にあるリレーの接点(R)が閉じていることにより、コイルへ電気が流れているからです。
このように自己の接点によりコイルを励磁し続ける回路が自己保持回路であり、ON/ OFF回路との違いとなります。
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5押しボタンスイッチ(BS1)を押してランプを消す
ランプを消したい場合は押しボタンスイッチ(BS1)を押すことにより、電気の流れを止めることができます。
この押しボタンスイッチ(BS1)も重要な役割をしています。
もし、この押しボタンスイッチ(BS1)がない場合はランプを消すことができません。
消す場合はブレーカー等の遮断器をOFFにし、電源を遮断する必要があります。
まとめ
ON/OFF回路、自己保持回路ともに基本の回路です。
ON/OFF回路
・スイッチを押した時だけ、電気が流れる。
自己保持回路
・スイッチを押した後、離しても回路が保持され電気が流れ続ける。
シーケンス図は、これらのような基本回路の組み合わせで構成されており、制御に関して学ぶときは必要不可欠です。
知識を身につけながら、現場での活用に役立てて欲しいと思います。