電気の知識

シーケンス制御のPLC方式とリレー方式のメリット・デメリットを比較

2020年6月25日

PLC制御とリレー制御の比較

工場の設備等はシーケンス制御によって動作しています。

このシーケンス制御は主として使用する制御機器によって、3つの制御方式「リレー制御方式(有接点シーケンス)」「無電圧制御方式」「PLC制御方式」に分類されます。

今回の記事では、シーケンス制御の中でもよく使用される「リレー制御方式」「PLC制御方式」についてのメリットとデメリットを紹介していきます。

シーケンス制御の種類シーケンス制御について知りたい方はコチラの記事をご覧ください。

シーケンス制御とは
制御の基礎(シーケンス制御とは?)現役が分かりやすく解説!

続きを見る

動画で確認したい方はコチラをご覧ください。

チャンネル登録はこちら

スポンサーリンク

リレー制御方式(有接点シーケンス制御)

リレー制御回路スイッチなどの機械的接点と電線で構成された回路です。

上の写真のリレー(電磁継電器)を主として構成した制御方式のことをいいます。

また、リレー制御方式は有接点シーケンス制御とも呼ばれます。

30、40年前の古い機械は大量のリレー用いてカチカチと音を立てながら動いていました。

現在でもポンプやファンの運転・停止だけを行う簡単な制御を行うときに用いられています。

メリット

・PLC方式と比較すると金額が安い。

・パソコンや専用ソフトウェアを購入する必要がない。

・配線の知識があれば制御を考えることができる。

・テスターで故障個所を特定できる。

デメリット

・制御内容を変更する場合は配線を変更しなければいけないため、時間がかかる。

・複雑な制御を行う場合は沢山のリレーが必要で、配線も多くなる。

・接点の摩耗による機械的寿命がある。

・リレーの動作音がうるさい。

シマタケ
リレーの数が10~20個など多くなると、安価なPLCを利用した方が良いです。

PLC制御方式

PLC単体リレーの問題点を解決するため、代わりに上の写真のPLC(Programmable Logic Controller)という電子機器を使い、コンピューターとプログラムで構成された制御方式のことをいいます。

PLCシーケンス制御はPC制御とも呼ばれます。

PLCは専用ソフトウェアを用いてプログラミングし、PLCへ書き込むことで動作することができます。

プログラミングで回路を構成するのでリレー制御方式より、融通が利きますが、プログラミングで動作するため、ソフトウェアの使用方法とプログラミングを学ぶ必要があります。

現在の設備にはPLCが使用されていることが多いです。

メリット

・制御の変更を行う場合、配線を変更せずにできる。
(機器を追加する場合は配線の追加は必要)

・センサーやモーターなどの入出力情報をモニターできる。

・他のPLCやPCと接続できる。

・複雑な制御が可能

デメリット

・専用ソフトウェアの金額が高い。

・使用するPLCメーカーごとにソフトウェア(ツール)が必要。

・設備によってツールが異なるため、はんざつになる。

・トラブル対応できる人が限られる。

・違うメーカーのPLCに変更する場合は大変。

シマタケ
電気設計や保全する方はリレー制御とPLC制御の両方を勉強した方が良いです。

PLCについてもう少し踏み込んで知りたい方はコチラの記事をご覧ください。

PLCの用途と仕組み
工場の設備に使用されるPLCとは?用途や仕組みを徹底解説!

続きを見る

PLCとリレーを一緒に使用する制御が多い

PLCとリレーを使用した制御単純な制御の場合はリレー制御を利用されていることがありますが、工場などの生産設備にはPLCが利用されていることがほとんどです。

その中でも生産設備の制御はPLC制御だけでなく、リレー制御とPLC制御を組み合わせた制御回路が多いです。

ですので、PLCのプログラミングだけ知っていても、トラブル対応や改造は難しく、両方の知識を習得する必要があります。

シマタケ
まずはリレー制御を学習し、その後にPLCについて学習すると入りやすいです。

PLCとリレーが一緒に使用される理由

PLCとリレーを一緒に使用するには以下の理由があります。

・信頼性
・メンテナンス性
・他の設備とのやりとり

信頼性

PLCは完璧ではないと言われています。

緊急時や非常時に機械を停止させるための非常停止回路は信頼性を必要としますので有接点リレーを使用しています。

各設備メーカーの制御を見てきましたが、PLCだけで非常停止回路を組んでいるメーカーは少なく、有接点リレーを使用したメーカーが多いです。

中には、PLCとリレーの両方を使用して非常停止回路を組んでいるメーカーもあります。

メンテナス性

将来、PLCに接点不良が発生した場合は、PLCの入出力ユニットを交換するか、配線とプログラムを変更して対応する必要があります。

すぐに対応したくてもPLCに関する知識がないと対応できません。

リレーを使用していると、リレー単体の交換だけで対応できる場合があります。

シマタケ
リレーの接点不良もありますが、PLCの接点不良も経験したことがあります。
その時は1つだけ不良だったので、空きの端子に配線を変えて、ラダープログラムを変更して対応しています。
リレーですと、差し替えだけで済むので楽ですね。

他との設備のやりとり

工場にある生産ラインなど複数の設備が連動して運転する場合は信号のやり取りをする必要があります。

そんな時はお互いのPLCへ直接接続せずに、リレーを用いて信号のやり取りをします。

リレーを使用すれば、相手側の電圧を気にすることなく、製作することができますし、責任分界点もハッキリします。

シマタケ
生産ラインでの設備間の信号として「運転中かどうか知らせること」が多いです。

リレーについて詳しく知りたい方はコチラをご覧ください。

有接点リレー機能
最初はここから!有接点リレーって何?構造や機能と選定時の注意点

続きを見る

まとめ:PLCはメリットが多い

制御盤内PLC今回はリレー制御方式とPLC制御方式のメリット・デメリットについて説明いたしました。

最後にまとめます。

まとめ

・現在でもリレー制御は簡単な制御に使用されている。
・リレー制御は制御を変更する時、配線を変える必要がある。
・PLC制御は制御を変更する時、プログラムを変更する必要があり、配線を変更することはほとんどない。
(センサーを追加するなど、物理的に機器が増える時は配線が必要)
・PLCは金額が高く、ソフトウェアやPCが必要
・工場などの生産設備はリレーとPLCを使用した制御が多い。
・電気関係の設計や保守を担当される方は両方の知識があった方がよい。

リレーやタイマーなどは、かつてPLCが普及する前はよく使われていました。

今でも簡単な制御を行う場合など、全く使用されないわけではありませんが、デメリットが多かったため、メリットが豊富なPLCへと移行していきました。

PLCは金額が高く、ソフトウェアやPCが必要になりますが、多くのメリットを有しており、機械制御には欠かせない機器と言えます。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

シマタケ

共働きの子育て会社員。工場で15年間働く電気エンジニア。多数の国家資格を取得。施設や工場で働く電気エンジニアが勉強できる、様々な悩みを解決できるサイトを目指しています。雑記記事も時々書きます。心理学を勉強中でメンタルケア心理士取得。

-電気の知識

Copyright© 電気エンジニアのツボ , 2019-2020 All Rights Reserved.