電気の知識

【3つの機種で実演】クランプメーターで機器の電流(直流・交流)を測定する方法

こんな方におすすめ

  • 直流電流の測定方法を知りたい方
  • 交流電流の測定方法を知りたい方

生産現場や機械室でモーターなどの機器、ケーブルに流れている電流を測定したいことはありませんか?

過去に↓こちらの記事でも紹介しているのですが、電流値を測定する方法として、テスターとクランプメーターの2種類あります。

電流測定_クランプの使い方
電流はどうやって測定する?テスターやクランプメーターの使い方は?

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しかし、実際の現場では、テスターを使用して電流値を測定することはありません。

接続する手間や安全性を考慮すると、測定したいケーブルを挟むだけでで測定できるクランプメーターになります。

そこで今回の記事ではクランプメーターを使用して「交流電流」と「直流電流」を測定していきます。

シマタケ
欠かせない道具の1つですので、一緒に使用方法を勉強してきましょう!

YouTubeでは動画で説明しています。

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使用するクランプメーター

今回使用するクランプメーターについてですが、以下の3つのクランプメーターを使用していきます。
使用するクランプメーター

使用するクランプメーター

・エーアンドディー クランプメーターAD-5587

・共立電気計器 フォーク型クランプメーター KEW2300R

・ムサシインテック リーククランプメーター MCL140

エー・アンド・デイと共立電気計器のクランプメーターは直流電流と交流電流の両方を測定できます。

ムサシインテックのクランプメーターは交流電流しか測定できませんが、小さな電流値から測定できます。

クランプメーターの種類については「クランプメーターの種類と選定方法について」をご覧ください。

基本的な使用方法

1本だけクランプいている画像いずれも動画のように測定したいケーブルを1本だけ挟みます。

間違って2本や3本まとめて測定してはいけません。

測定する際は活線になりますので、盤によっては充電部が露出しているところもあるかもしれません。触れないように気を付けましょう。

充電部がむき出しの盤

詳細:交流電流の測定方法

交流測定の例実際の仕事ではブレーカーやモーターに流れている電流値を確認することがあるかと思います。

今回は電流値が分かりやすいように、こちらの消費電力100Wの白熱電球2個を使用して確認してみます。
交流電流測定対象物実際にモーターの電流値や制御盤内の電流値をお見せしたかったのですが、電流値が小さくて運転しているかとても分かりにくかったです。

下の画像の制御盤のブレーカーに流れる電流値を測定してみたり、自宅にあるモーターの電流値を測定してみたりしたのですが、電流値が1A以下でした。
制御盤内の交流電流の例2小容量交流モーター電流値測定どれぐらい小さいか気になりましたので小さな電流を測定できるクランプメーターMCL140で測定しても200mAほどでした。
小容量交流モーターをリーククランプメーターで測定白熱電球2個を点灯させている回路の電流値を測定していきます。

エー・アンド・デイと共立電気計器のクランプメーターのクランプメーターを使用してみます。

エー・アンド・デイのクランプメーター

まずはエー・アンド・デイのクランプメーターを使って電流値を測定していきます。

シマタケ
操作性は機種によってことなりますが、似ていると思います。

step
1
電源ON

電源スイッチを「ON」にします。
クランプ交流測定手順1

step
2
測定したい電流を選択

AC/DC 切替スイッチを「AC」に設定します。
クランプ交流測定手順2

step
3
ケーブルをクランプする

トリガスイッチを押し、クランプを開いて、測定したいケーブル1本のみを挟みます。
クランプ交流測定手順3

クランプ交流測定手順5

step
4
表示部の値を見る

値を読み取ります。
クランプ交流測定手順4今回の場合は1.7Aです。

ポイント

クランプ部の中心でケーブルを挟むと(確度)正しい値になります。

あとで直流電流を測定するときに説明しますが、直流電流を測定するときは0調整する必要があります。
クランプメーターの0調整

交流の場合は0調整が必要なく、また電流の方向は表示には無関係です。

シマタケ
詳しくはこのあとに書かれている直流測定部分をお読みください。

共立電気計器のクランプメーター

フォーク型のクランプメーターを用いて電流値を測定していみます。

step
1
測定したい電流を選択

ファンクションスイッチを「交流の図記号とA」が書かれた部分にします。
フォーク型クランプ交流測定手順1すると、表示部に交流電流の記号が表示されます。

step
2
ケーブルをクランプする

ケーブル1本をフォークコア部の三角印より下に挟みます。
フォーク型クランプ交流測定手順3
三角印より左側になると、測定値にばらつきが発生しますので、注意です。
フォーク型クランプメーターの注意点

step
3
表示部の値を見る

表示部に電流値が表示されますので、読み取ります。
フォーク型クランプ交流測定手順4電流は2.1Aほどです。

詳細:直流電流を測定

直流電流の例1実際の現場で制御盤内の24V回路、パワーサプライの出力電流値を確認するときがあります。

あとは、私は測定したことがありませんが、太陽光発電や自動車などです。

今回は直流電流の測定方法として、制御盤内パワーサプライの出力電流値を確認したいと思います。
直流電流測定対象物2余談になりますが、パワーサプライの機種によっては、電流値が表示されるものがありますので、クランプメーターを使う必要ない場合もあります。

実際の盤では24V、0VやP、Nとかかれたマークチューブの配線をクランプします。
制御盤内の直流電流測定すいません、上の画像にある制御盤は消費電力の小さい機器しかおらず、電流値が1A以下でした。

自分が持っているクランプメーターの電流範囲では測定するのが難しいです。

リレーを動作させたり、表示灯を全部点灯させたりしても全然変わりませんでした。

かわりに消費電力が大きい、こちらのLED灯を2つ用いて、直流電流を測定してみます。
直流電流測定対象物

エー・アンド・デイのクランプメーター

まずはエー・アンド・デイのクランプメーターを使用して測定します。

step
1
電源ON

電源スイッチを「ON」にします。
クランプ直流測定手順1

step
2
測定したい電流を選択

AC/DC 切替スイッチを「DC」に設定します。

step
3
0調整

ゼロ調整ノブにより、測定前に 0 調整します。
クランプ直流測定手順3この機種は下側にあるツマミを左右に回すことで値を0にします。

シマタケ
私は忘れてしまいがちですが、0アジャストしないと誤差が生じます。

step
4
ケーブルをクランプする

トリガスイッチを押し、クランプを開いて、測定したいケーブル1本のみを挟みます。
クランプ直流測定手順4

step
5
表示部の値を見る

値を読み取ります。
クランプ直流測定手順5直流電流を測定する場合、クランプの向き(極性)と測定したいケーブルの電流の向きを合わせる必要があります。

もし、間違えた場合は上画像のように電流値の表示が-表示になります。

直流電流測定時の注意点

直流電流を測定できるクランプメーターでしたら、機器のクランプ部分に向きが書かれています。

今回のクランプメーターの極性は上から下が“+”方向です。

クランプの向きを直します。
クランプ直流測定手順6すると-表示が消えました。

1.5Aです。

共立電気計器のフォーク型クランプメーター

フォーク型クランプメーターでも電流値を確認してみます。

step
1
電源ON

ファンクションスイッチを「横棒の直流の記号とA」が書かれた部分にします。
フォーク型クランプ直流測定手順2

step
2
0調整

0調整を行います。こちらの機種はホールドボタンを2秒以上長押しです。
フォーク型クランプ直流測定手順3

step
3
ケーブルをクランプする

測定したいケーブル1本のみを挟みます。
クランプ直流測定手順4.5

step
4
表示部の値を見る

値を読み取ります。
電流値は1.5Aほどです。
フォーク型クランプ直流測定手順4こちらもクランプする向きに注意する必要があります。
直流電流測定時の注意点電流の向きですが、表示部側から裏側に流れる場合はプラス表示(上画像の矢印のとおり)、裏側から表示部側から流れる場合はマイナス表示になります。

まとめ:クランプメーターを使う

クランプメーター使用方法まとめ
今回紹介した電流の測定方法は仕事の中で実際に行う機会が多いですので、初めての方はぜひ使用方法を覚えてみてください。

また実際の仕事では漏れ電流を測定したり、中には家電製品の電流値を測定したりすることもあります。

漏れ電流を測定する時は漏れ電流を測定できるリーククランプメーターが必要になってきますし、家電製品で電源コードのように2本で1つのケーブルになっている場合はコンセント用セパレータや自作の1本ずつになったケーブルを使用して、測定する必要があります。

随時作成していきたいと思います。

シマタケ
最後までご視聴いただき、ありがとうございました。

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シマタケ

共働きの子育て会社員。工場で15年間働く電気エンジニア。多数の国家資格を取得。施設や工場で働く方々が勉強できる、様々な悩みを解決できるサイトを目指しています。雑記記事も時々書きます。心理学を勉強中でメンタルケア心理士、行動心理士取得。

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