コンセントの劣化など配線や漏電による火災は日本では約12%だと言われています。
古い家にお住いの方で心配になっている方はいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな心配を解消するための珍しい製品がありましたので、今回の記事で紹介したいと思います。
「WIRE CARE(ワイヤケア)」というコンセント、配線、延長コードなどの屋内配線の経年劣化を調べる製品で、台湾のBrook Livinという会社の製品になります。
誰でも簡単に劣化具合を確認することができますので、特に築年数が古い家に住んでいる方にはお勧めです。
今回の記事ではWIRECAREの「使用方法」、 「測定原理」、 「測定原理を確認するための実験結果」の3つを紹介していきます。
ご提供
本記事は商品を提供いただき、レビューしています。
目次
コンセント、コードが劣化するとどうなる?
私たちは普段の生活で何気なく電気を使用していますが、配線、コードに電気が流れると熱が発生しています。
これはジュール熱と言われ、配線やコードの導体の抵抗が要因です。
下の式はジュールの第1法則と呼ばれる"抵抗とジュール熱の関係式"であり、数式から抵抗R[Ω]が増えると発熱量Q[J]も増えることが分かります。
Q[J]:発熱量 I[A]:電流 R[Ω]:抵抗 t[S]:時間
コンセント、配線、コードを長年使用していると、どうしても劣化していきます。
劣化すると、配線やコードの抵抗値があがり、発熱量も上がります。
その結果、ショートや漏電が発生したり最悪の場合は火災になったりします。
式から分かるように特に古い配線に消費電力の大きい電化製品は危険です。
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WIRECARE(ワイヤケア)の使用方法
使い方はとてもシンプルです。
調査したいコンセントにWIRECAREを差し込むだけで、電気に関する知識が無くても大丈夫です。
コンセントに差し込んでから10秒間経過すると、屋内配線の危険度を「赤」「オレンジ」「緑」3色のLEDゲージで判定してくれます。
意味合いとして赤色が一番危険度が高く、緑色が危険度が低い状態を示します。
※カタログより抜粋
私の住んでいる家は10年ほどになるのですが、いくつか測定したところ、判定は「緑」でした。
使い方はシンプルですが、正しく測定するため、使用する際に注意することがあります。
使用上の注意
・WIRECAREで測定する時は各コンセントは未使用の状態にしてください。
・コンセント / 延長コードに挿し込まれているプラグ、電子機器及びデバイスは全て抜き取ってください。
WIRECAREの大まかな測定原理
どうやって測定しているか気になる人も多いのではないでしょうか。
WIRECAREでの判定は屋内配線回路のインピーダンスを測定します。
ご存じの方が多いかもしれませんが、インピーダンスとは簡単にいうと、交流回路において、電圧と電流の比であり、電流の流れを妨げるものになります。
インピーダンスとは
電流の流れにくさ
一般的なマルチメーターでは測定が困難
屋内配線のインピーダンスは1Ω以下という「低インピーダンス」であり、経年劣化した配線も数Ωしかありません。
一般的なテスター、マルチメーターでの精度では劣化を判断するのは難しく、高精度の機器でないと測定することができません。
かといって、高精度の機器を購入するのは現実的ではありません。
例えば、日置電機の抵抗計RM3435は22万円、中華系のRIGOLマルチメーターDM3068は10万円といずれも高価です。
試しに上の写真のように、0.47Ωのセメント抵抗を自宅にあるデジタルテスターで測定してみました。
結果として、デジタルテスターには0.9Ωと表示されましたので精度が高くないことが分かります。
なぜ、低インピーダンスを測定できるのか?
WIRECAREでは2パターンの電圧値と電流値を測定し、抵抗値を求めています。
実験:疑似的に内部抵抗を大きくして計測
WIRECAREを用いて低インピーダンス測定できるのか動作を確認したいと思います。
実際に劣化したコンセントや配線を準備するのは難しいので、今回は抵抗を回路に接続して劣化状態を再現したいと思います。
赤、オレンジ、緑の判定条件は以下になります。
※カタログより抜粋
それぞれのLEDが点灯するように「0.25Ω、0.47Ω、1Ω」3種類の抵抗を用意して、通常回路の状態と3つの抵抗を接続した4パータンを比較していきます。
1.通常回路 抵抗なしで測定
まずは通常の回路の状態を確認します。
緑色の状態ですので問題ありません。
2.抵抗0.25Ωを接続して計測
つぎに0.22Ωを接続した状態で、WIRECAREを接続します。
この状態ではオレンジ色になりました。
"注意"ということになります。
3.抵抗0.47Ωを接続して計測
0.47Ωを接続します。
"赤色"の表示になりました。
LEDの判定が赤色の場合は交換の推奨となります。
4.抵抗1Ωを接続して計測
1Ωの抵抗を接続してみます。
結果は"赤色"の表示になりました。
0.47Ωと比較するとゲージが低く、更に悪い状態です。
まとめ:安価で劣化状態を計測可能
今回は低インピーダンスを測定でき、コンセントなどの劣化状態を判断できるWIRECAREという商品を紹介しました。
最初は怪しい製品ではないか?と疑っていましたが、原理を確認し、実際に使用してみたところ良い製品だと感じました。
また、台湾での実績もありますし、米国連邦通信委員会認証、EU環境安全認証、CEマーキングを取得しているので信頼性はあると言えます。
最初にも申し上げましたが、築年数の古い家にお住いの方におススメできます。
この「WIRECARE」は、現在先行発売中となっております。greenfundingでの募集は終了しております。
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