配線を端子台へ接続するときに正しい接続方法があることを知っていますか?
端子台や圧着端子を購入しても説明書が付属してくることがないので、もしかしたら接続方法を間違えている方がいるかもしれません。
今回はそんな悩みを解決できるように「端子台へ接続する時の注意すること」を紹介しています。
誤った配線接続作業は事故につながりますので、注意するポイントを抑えて正しい配線接続作業を習得しましょう。
注意ポイント
記事の写真は「機械保全技能士」の練習中の検定盤で撮影したため、絶縁キャップがありません。
本来は感電防止のため、端子に絶縁キャップ(マークチューブ)を付けます。
動画でも説明しています。
端子台への配線接続作業
リレー、遮断器、パワーサプライ、PLCなどの部品(機器)へ配線をするときは電線に圧着端子を取り付けて、その部品の端子台に接続しますが、以下のことに気をつけて作業する必要があります。
理由として見栄えは少なからずあると思いますが、第1の理由として事故を起こさないためです。
圧着端子の接続方法を確認したい方はこちらをご覧ください。
端子台への配線接続作業で注意すること
1.ネジ下の押さえ板の下に挟む
電線に取り付けた圧着端子は、ネジ下の線押さえ板の下に挟んでネジ留めする。
2.1つの端子台に電線は2本まで
1つのネジに2本の電線を留める場合もありますが、3本以上の線を留めてはいけません。
どんな複雑な回路でも、必ず2本までにすることができますので、面倒だと感じても2本までにしましょう。
電線が抜けたり、接触不良となる可能性があります。
3.2本接続するときは端子を背合わせにする
1つのネジに、電線を1本だけ留める場合は、圧着端子の腹側を上に向けて留めます。
電線を2本留める場合は、圧着端子は背中合わせにしてネジ留めします。
4.圧着端子を曲げすぎない
接続するスペースが狭い場合は端子を曲げることがあるかと思います。
何度以上曲げるとダメという規定は見たことがありませんが、圧着端子を曲げすぎると、接触面積が少なくなったり、元に戻したときに折れたりする可能性があります。
曲げる時は端子に無理がかからないように注意しましょう。
5.ネジはすぐ締める
端子台のネジはゆるめたら、その場ですぐ締めましょう。
あとで締めようとした場合、ネジをなくしたり、閉め忘れが発生します。
ネジが緩んでいると接触不良が発生したり、放電による火花が発生します。
また、使用していないネジも締めた状態にしましょう。
ネジは締まっているという先入観があり、要因を特定するまでに時間がかかったことがあります。
ネジの締め作業は大切です。
6.配線は端子を使用する
配線は圧着端子を使用して接続しましょう。
圧着端子がない裸の状態で接続すると、端子台から電線が抜けたり、締めすぎて電線が切れることがあります。
安全に確実に接続するために、圧着端子を使用しましょう。
7.配線は機器の上を通過しない
端子台へ配線をするときに機器や器具の上を通過しないようにしましょう。
機器や器具などの上を通過すると、機器の表示が見えなかったり、機器を取り外すときの邪魔になります。
近道したくなるかもしれませんが、ダクト内や機器がない部分を通って配線しましょう。
8.配線は盤に触れない
盤に触れていると、開閉するときに邪魔になったり、挟んだり、手を引っかけたりする可能性があります。
ダクト内や結束バンドを使用し、触れないように気をつけましょう。
ねじ締め作業
電線の接続に用いられる端子台のネジは、1つがゆるんでいても、その部分の発熱や放電による火花が原因の火災やねじの落下による短絡など、大きな事故につながる可能性があります。
また、大きな事故にならなくても機械の動作がおかしくなることもあります。
上記のようなトラブルを防ぐために、適切なネジ締め作業が必要です。
使用されるネジの多くは十字(プラス)ネジのため、その太さ(径)に応じて、適切な十字ドライバを使用します。
まとめ:正しい配線接続とは
端子台に接続する時に注意すべきポイントを紹介しましたが、どれも基本的なことであり大切なことであり、大きな事故を防ぐためにも正しい配線の接続方法を行う必要があります。
特に配線を端子台に接続したあとはネジをしっかり締めましょう。
少しでも参考になれば幸いです。
ご安全に!