こんな方におすすめ
- PLCトランジスタ出力について知りたい方
- シンクタイプとソースタイプについて知りたい方
- シンクタイプとソースタイプの配線方法を知りたい方
PLCを選定する時に出力仕様を確認すると思いますが、トランジスタ出力を選択した場合、シンクタイプとソースタイプ、どちらを選択すればよいか悩んだことはありませんか?
私はシンクとソースの違いが分からなくて悩んだ経験があります。
今回はPLCのトランジスタ出力タイプの「シンクタイプとソースタイプの違い」を実際の配線を交えながら説明していきます。
一緒に勉強していきましょう。
目次
そもそも出力とは
出力とは、 PLCの制御にて表示灯(ランプ)やリレーなど動かす部分になります。
上の写真では四角で囲った部分が出力になります。
表示灯やリレーなどの負荷を動かす場合は、負荷とPLCの出力端子、コモン端子に配線を行う必要があります。
また、出力には「リレー出力」「トランジスタ出力」「トライアック出力」があり、「トランジスタ出力」にはシンクタイプとソースタイプがあります。
今回はトランジスタ出力について、説明いたします。
ほとんどはトランジスタ出力が使用されています。
私はトライアック出力を使用しているPLCを一度も見たことがありません。
シンクタイプとソースタイプの違い
トランジスタ出力タイプには2種類あり、接続する機器によって使い分ける必要があります。
違いとして、シンクタイプとソースタイプでは配線の接続方法が異なります。
また、故障時の安全性にも違いがありますので間違って選定しないように注意する必要があります。
シンクタイプ
・NPNトランジスタが使用されており、日本では多く使用されています。
・シンクタイプはCOMが-になります。
ソースタイプ
・PNPトランジスタが使用されており、ヨーロッパで多く使用されています。
・ソースタイプはCOMが+になります。
NPNとPNPの違いやCOM(コモン)についてはこちらの記事にて説明しています。 続きを見る 続きを見る
センサー出力NPN・PNPの違いと具体的な接続方法を解説!
電気回路のコモン、COM端子とは何?意味や使い方を分かりやすく説明
三菱のQシリーズの場合
シンクタイプのトランジスタ出力ユニットはQY40P、QY41P、QY50が該当します。
写真はQY40Pです。
ソースタイプのトランジスタ出力ユニットはQY80、QY81P、Q82Pが該当します。
写真はQY80です。
シンクタイプとソースタイプの配線方法
具体的な配線方法をQY40PとQY80を用いて説明していきます。
今回は写真に写っている機器を用いて、シンクタイプとソースタイプでそれぞれオレンジ色の表示灯を点灯させて配線の違いを確認します。
確認手順と配線方法は以下の通りです。
確認手順は出力ユニットに配線をしたのちに、PLCから強制的に出力させ、表示灯を点灯させます。
ポイント
今回は分かりやすくするため、24V電源の+側を赤色、-側を青色の配線で接続しています。
シンクタイプ(マイナスコモン)の配線
シンクタイプはCOMが-になり、出力ONしたときに負荷から出力ユニット側に電流が流れます。
接続方法
今回は端子「1」に表示灯を接続し、点灯させます。
1.出力ユニットQY40Pの端子台「18」に24V電源のマイナス電源を接続します。
2.出力ユニットQY40Pの端子台「17」に24V電源のプラス電源を接続します。
3.表示灯にプラス電源を接続します。
4.出力ユニットの端子台「1」から表示灯に配線を接続します。
5.USBケーブルをCPUユニットに差し込んで、PLCから出力させます。
ソースタイプ(プラスコモン)
ソースタイプはCOMが+になり、出力がONしたときに出力ユニットから負荷側に電流が流れます。
接続方法
シンクタイプと同様に端子「1」に表示灯を接続し、点灯させいます。
1.出力ユニットQY80の端子台「18」に24V電源のマイナス電源(0V)を接続します。
2.出力ユニットQY80の端子台「17」に24V電源のプラス電源を接続します。
3.表示灯にマイナス電源を接続します。
4.出力ユニットの端子台「1」から表示灯に配線を接続します。
5.USBケーブルをCPUユニットに差し込んで、PLCから出力させます。
配線と動作確認が終了したので、最後に配線の違いを比較します。
まとめ:出力ユニットの違いはCOMへの電源
今回はシンクタイプとソースタイプの違いについて、実際に配線して確認しました。
最後にまとめます。
まとめ
・シンクタイプはCOMが-電源になります。
⇒出力がONすると負荷から出力ユニットへ電流が流れます。
・ソースタイプはCOMが+電源になります。
⇒出力がONすると出力ユニットから負荷へ電流が流れます。
日本ではシンクタイプの出力ユニットが多く使用されているので、まずはシンクタイプの配線方法を覚えていくのがよいと思います。