電気の知識

制御盤に設置されるパワーサプライとは?用途、種類、選定方法を解説!

パワーサプライとは

制御盤や電気図面を見ていると、かならず出てくるのが「パワーサプライ」と呼ばれる電気部品です。

普通に生活しているとほぼ耳にすることがないパワーサプライとは、いったいどのようなものなのでしょうか。

本記事では、そんなパワーサプライの用途や種類、選び方まで図や写真を用いて詳しく解説していきます。

電気屋としては必須な知識となりますので、ぜひ参考にしてください。

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パワーサプライとは?

オムロンのパワーサプライまずは、パワーサプライがどのような役割をもつ機器なのか、ここから始めていきます。

パワーサプライは「直流安定化電源」や「スイッチング電源」とも呼ばれ、すごく簡単に言えば直流の電源供給を目的とした機器です。

通常、電力会社から送られてきた電気は「交流」ですが、このままの状態でセンサーなど電子機器を使用すると故障してしまいます。

ほとんどの電子機器は直流で動作するため、「直流」に変換する必要があります。

この役目を担うのがパワーサプライであり、大体の生産機械の制御盤内に入っています。

主に取り扱っているメーカーはオムロン、IDEC、コーセル、キーエンスで、いずれかのパワーサプライが使用されているケースが多いです。

パワーサプライの用途(使い方)

パワーサプライの使い方パワーサプライは、いったいどのような場面で活躍するのでしょうか。

前述したように、基本的な役割は交流を直流に変換して機器の電源供給を目的としているため、交流電源と動かしたい電子機器の間に設置する必要があります。

一番分かりやすい例で言えば、わたしたちにとっても身近なアダプターが該当します。

ACアダプタ

スマートフォンの充電器、ノートパソコンやゲーム機などのアダプターです。

ちなみに注意点としてどのアダプタを使用しても良いわけではありません。

アダプタによって電圧の違い(直流9Vや12V)や容量に違いがありますので注意する必要があります。

制御盤で使用されるパワーサプライ

制御盤内でもっとも使用されているパワーサプライは交流100~200Vを直流24Vに変換するタイプです。

これには理由があり、直流24Vはセンサーやリレー、電磁弁等を動かすために適した電圧だからです。

電気図面上でのパワーサプライ

パワーサプライ電気図面電気図面上ではパワーサプライは四角形で表し、文字はPower supplyの頭文字を取って「PS」と表示されることが多いです。

パワーサプライの方式と原理

変換方式の区分パワーサプライはどのようにして交流を直流に変換しているのでしょうか。

まず、変換方式にはスイッチング方式とリニア方式(トランス式、ドロッパー式)の2種類があります。

リニア方式はやや古く、2000年頃から現在ではスイッチング方式が主流となっています。

リニア方式

長所:ノイズが小さい
短所:大きくて重い、回路が簡単

スイッチング方式

長所:高効率で軽い
短所:ノイズが大きい、回路が複雑

パワーサプライの原理

スイッチング方式の基本構成今回は主流であるスイッチング方式に絞って解説していきます。

1次側で受け取った交流を2次側で使えるように整流、平滑し、直流に変換しています。

この際、スイッチング回路の高速スイッチング作用を利用してパルス幅、周波数を制御して出力を安定化させています。

パワーサプライの選定方法

続いて、パワーサプライの選び方についても学んでいきましょう。

パワーサプライには入力電圧、出力電圧、容量など様々な種類があります。

容量を小さいものを選んだ場合、最悪の場合は出力電圧が低下し、出力が不安定になりますので気を付けましょう。

また、入力、出力電圧を間違って選定した場合は、使うことができません。

メーカーや型式によって異なりますが、以下のような種類があります。

例:パワーサプライの種類
容量30W、60W、90W、120W、240W、480W、960W
入力電圧単相100~240V、単相200~240V、三相200~240V
出力電圧DC5V、DC12V、DC24V、DC48V

選んだものの使えなかったでは困りますから、まずは使いたい機械の入力電圧とセンサーなどの電圧や負荷電流を把握しておいてください。

シマタケ
機械の制御で一番使用されるのは「入力電圧が単相100~240V」、「出力電圧がDC24V」のパワーサプライです。

出力容量に関しては、以下の計算式で求めることができます。

計算式

出力容量(W) = 出力電圧(V) × 負荷電流(I)

必要な容量がわかったら、対応のパワーサプライを選ぶだけですが、迷った場合は大容量のものを購入しておけば間違いありません。

ただし、その分サイズが大きくなったり、単純に価格も高くなるので、その点は注意が必要です。

 

他にも、前述したリニア方式なのかスイッチング方式なのかでも選択が必要になります。

ただし、現在はスイッチング方式が主流であり、あえてリニア方式を選ぶ理由はないでしょう。

そもそも、リニア方式は電力の変換効率が悪く、変換時に発熱することでコンデンサも劣化しやすい、そして大型トランスのせいで大きく重たくなる傾向にあります。

一方のスイッチング方式は、そういったリニア方式のデメリットを大きく改善したもので、高速スイッチングによる効率の良い変換、トランスの小型化など、リニア方式をわざわざ選ぶ理由がありません。

迷ったらスイッチング方式と覚えておけば間違いありません。

例:容量の計算方法

試しにパワーサプライの選定例をご紹介します。

負荷は仮に「PLC」「センサ」「リレー」「ランプ」の4つとします。

下記①~③の手順で容量を求めます。

容量計算方法負荷容量を計算した結果、31.92wとなりました。

実際はカタログに記載されている電流値より小さくなりますが、今後の負荷の追加や余裕を見て40W以上を選定すると良いと思います。

今回の例ですと、実際に40Wのパワーサプライはないので、60Wのパワーサプライを選定することになります。

まとめ:パワーサプライ

パワーサプライについて解説してきましたが、交流を直流に変換する装置だということが理解してもらえたと思います。

選び方に関しては、入力電圧、出力電圧、容量に違いがあるので、どの仕様で使うのか確認してください。

また容量の選定に迷った場合は大きい容量のパワーサプライを購入すれば間違いありません。

ただし、その分価格や大きさの面で問題がでてくることを覚えておいてください。

少しでも参考になれば幸いです。

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シマタケ

共働きの子育て会社員。工場で15年間働く電気エンジニア。多数の国家資格を取得。施設や工場で働く電気エンジニアが勉強できる、様々な悩みを解決できるサイトを目指しています。雑記記事も時々書きます。心理学を勉強中でメンタルケア心理士取得。

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