こんな方におすすめ
- 電気回路のコモン、COMについて知りたい方
- 電気回路のコモン、COMの使い方(配線)を知りたい方
電気部品の接続図や回路図を見ているとCOMと書かれた端子があったり、現場で「コモン」や「コモン線」などと言った単語が会話ででてくることがあります。
私自身も新人のころは分からなかったですし、本ブログでも問い合わせもありましたので、紹介していきます。
電気屋として必要な知識になりますので、一緒に勉強していきましょう。
動画でも記事と同じ内容を説明しています。
コモン、COMとは
コモン(common)とは辞典で調べると「共通の」「共有の」といった意味です。
コモンとCOMは同じ意味であり、COMはcommonを縮めた表現になります。
電気回路ではコモン、COMは辞典の意味と同じであり、共通の端子や共通の線のことを言います。
もう少し詳しく説明していきます。
COM接点や端子について
今回は例として、リレーとPLCの入力ユニットのCOM端子について説明します。
リレーのCOM接点(端子)について
オムロンのリレー「MY2」で説明します。
MY2はC接点が2つあるリレーで、「1、5、9」と「4、8、12」の接点の組み合わせがあります。
a接点でもb接点でも共通に使われる端子が「9」「12」がCOM接点になります。
図で表すと以下のようになります。
もし間違えて「1」と「5」に配線を接続した場合、「1」「5」はコイルが励磁してもつながることがない為、動作しません。
同じようにC接点が4つある「MY4」は「9」「10」「11」「12」がCOMになります。
基本的な考えとして、共通端子のCOMは-側を接続するという考えがあります。
例として直流24V回路でa接点を使用する場合、5がa接点、5を+の電源側に、9(COM)を-の電源側に接続します。
このように配線すると、リレーを正面から見たときに、配線が上の端子から入って、下の端子から出るようになります。
念のため、問い合わせましたが、同じよう考え方でした。
PLCの入力ユニットのCOM端子
三菱PLCのQシリーズの入力ユニットで説明いたしますが、DC電源仕様の入力ユニットでは「プラスコモンタイプ」と「マイナスコモンタイプ」があります。
2つの違いとして、「プラスコモンタイプ」はCOM端子にプラス電源(24V)を、「マイナスコモンタイプ」はマイナス電源(0V)をCOM端子に接続します。
下図は三菱電機のユーザーズマニュアルに記載されているプラスコモンタイプの入力ユニットQX40の仕様になります。
出典元:三菱電機 ビルディングブロック入出力ユニット ユーザーズマニュアル
TB17のCOM端子にDC24Vのプラス側を接続する必要があり、プラス側の電源は入力ユニットの内部で共有されています。
これだけでは分かりにくいと思いますので、具体的な配線例を紹介します。
QX40の場合はコモン(COM)端子の「TB17」にDC24Vを接続します。
以下の写真は実機になります。
今回は詳しく触れませんが、日本の設備ではプラスコモンタイプの入力ユニットを使用することが多いですし、中にはプラスコモンとマイナスコモンを切り替えることのできるタイプも存在します。
コモン線について
コモン線とは共通の線であり、まとめた配線やコモン(COM)端子に接続する配線のことを言います。
具体的には以下の図のような配線部分になります。
まとめ:コモンは共通
最後にもう一度簡単に整理します。
コモンとは
「共通の」「共有の」といった意味であり、共通の端子や共通の線のことを言います。
コモン(COM)は電気の配線をするときに仕様書や回路図によく記載されています。
特に、直流回路のコモン端子に配線するときは極性に気をつけましょう。
今回の内容が少しでも役に立てれば幸いです。
参考文献
三菱電機:ビルディングブロック入出力ユニット ユーザーズマニュアル