機械保全技能士電気系3級の実技の練習方法に迷ってないでしょうか?
3級の学科は真偽法(○×)なので簡単だと思いますが、実技試験は簡単ではないと思います。
私は実技試験の対策や練習を対応する機会がありますが、受験される方々を見てきて感じることがあります。
それは実技試験は制限時間があるので、練習しないと合格できません。
実務経験がある方でも練習せずに初見で挑むと落ちているのが現状です。
今回は機械保全電気系3級の実技の概要とその対策についてを紹介したいと思います。
この記事を読んで、合格に近づきましょう。
目次
実技試験の内容
機械保全技能士電気系3級では写真のような検定盤を用いて実技試験を行います。
リレー、タイマー、押しボタン、ランプを使用して試験問題通りの動作になるように配線します。
3級の実技試験はPLCを使用せずに配線のみであり、試験課題は2つです。
課題1:有接点シーケンスによる回路組立作業
課題2:リレー、タイマーの点検、有接点シーケンス回路の点検及び修復作業
課題1の問題の一部は事前に公表されます。
事前公表はサイトで確認するか、郵送されてくる用紙で確認できます。
課題1:有接点シーケンスによる回路組立
検定盤、リレー、タイマーを用いてタイムチャートに書かれている動作になるように配線を行います。
3級は入力2点(黒ボタン黄ボタン)、出力2点(白ランプ、黄色ランプ)を使用します。
事前に公表されるのは白ランプの動作だけです。
黄色ランプは試験当日に公表されます。
課題2:リレーとタイマーの点検、回路の点検及び修復
課題2は2つの作業があります。
・リレーとタイマの点検
・回路の修復作業
まずはリレーとタイマーの点検まずはリレーとタイマーを点検し、良品と不良品を判別します。
判別はテスターや検定盤のチェック用ソケットを用いて、不良のリレーとタイマーを見つけます。
不良を見つけるだけでなく、不良原因を記載します。
不良内容は7種類ありますので、そこから該当する原因を選択します。
次に良品と判断したリレーとタイマーを使用して、あらかじめ配線されている回路の不良部分を探し出し、修復します。
修復後はタイムチャート通りの動作をするか確認します。
実技試験の対策
ここからは実技試験の対策を紹介します。
課題1の対策
事前に公表されているシーケンス図(回路図)を頭の中に入れておき、試験当日はすぐに紙に回路図をかける状態にしておきます。
この時に配線ミスを防ぐため、回路図には端子番号も記載します。
コイルであれば「13番、14番」、押しボタンスイッチであれば「C1、a1」と紙に書きます。
さらに配線も何センチの線が何本必要か事前に決めておきます。
当日は定規を持ち込みことができないので、+ドライバーや自分で手、お持ちであれば検定盤の端子台や盤の縦横で長さを確認しておくと良いです。
これは他の級でも同じことが言えます。
ここまでやらないといけないの?と思うかもしれませんが、試験当日は時間が短いため、ここまでやる必要があります。
配線時間を短くして、当日の黄色ランプの仕様を考える時間を確保することが合格するための重要なポイントです。
当日公表される黄色ランプの仕様
3級の場合は入力2点と出力2点であり、PLCを使用しない為、ある程度のパターンに絞られます。
出題されそうな仕様を予測し、いろんなパターンを練習する。
初めての方は予想するのが大変だと思うので、経験者の方に頼んでみるのがよいと思います。
それができない方は、私がいくつかパターンを作りましたので、参考にしてください。
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機械保全技能士電気系3級|実技試験課題1の練習問題(解答付)
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いつくかのパターンを練習すれば、当日の追加されたタイムチャートを見て、回路図をかけるようになります。
この状態まで仕上げておくと合格に近づきます。
課題2の対策
リレーとタイマの不良要因を記入する必要がありますので、7種類の不良要因の特徴を覚える必要があります。
コイルの断線は簡単ですが、接点不良と接点溶着が初めての方は混乱します。
・コイルの断線
・コイルのレアショート
・a 接点接触不良
・a 接点溶着
・b 接点接触不良
・b 接点溶着
ここ数年、身近な人が試験を受けていますが、コイルのレアショートが試験に出たという情報はありません。
レアショートしている状態で、通電すると大きな電流が流れます。
危険な為、試験にでる可能性は低いと思います。
ですが、念のため、最初にリレーとタイマリレーのコイル端子(13、14番)の抵抗値をテスターで測定し、0オームでないことを確認するのが良いです。
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機械保全電気系リレー・タイマの点検|不良要因と判別方法
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回路の修復作業
実際の業務で設備のトラブル対応をされている方は経験で何とか対応できるかもしれませんが、初めての方や経験が浅い人は練習しないと厳しいと言えます。
これは課題2の最初の問題であるリレーとタイマの不良品を特定することにも同じことが言えます。
実際に不良品のリレーとタイマーをテスターや検定盤を用いて判別し、慣れるのが一番です。
ご存知の方もいるかもしれませんが、実技試験で使用する検定盤は実際に購入することができます。
購入すれば不良品のリレーとタイマーも付いてきます。
検定盤で練習するのが実際の環境と同じ状態のため、1番良いと思いますが、正直なところ、個人で買うには値段が高すぎます。
もう少し安くしてほしいところです。
私は幸いにも務めている会社に検定盤がありましたので、それで練習することができました。
高くて買えないけど、何とか練習したい方は機械保全のセミナー、オークションや自分で作成すれば費用を抑えることができます。
試験では減点に注意
試験では気を付けないといけないところがあります。
それは減点です。
過去に受験した方々に合格した時の点数を確認したところ、問題は全部解けたのに、点数が低かったとい方が2,3名いました。
その場合は減点されていることが考えられます。
減点対象について
試験当日は早く回路を作成し、動作確認することに目が行ってしまいがちですが、減点に気を付けることがあります。
郵送されてくる概要と事前公表問題に採点項目について書かれていますが、これよりも具体的な減点項目は分かりません。
これらの減点項目は実際の作業でも必要なことでもありますので、練習する段階から意識しておくのが良いです。
タイムチャート通りに動作するのは当たり前のことなので、それ以外の項目を自分なりにかみ砕きました。
注意点
・指定された規格の工具を用いて、正しい使い方をしているか
・ブレーカーをOFFにしてから配線作業をしているか
・テスターで電圧を確認し、安全に気を付けているか
・配線の圧着はきれいであるか
・端子台への配線はきれいであるか
・端子台のネジの緩みはないか
・配線くずは散らばっていないか
・作業終了後の工具は整理整頓されているか
・時間内に作業を終了したか
減点は勿体ないので、しっかりと減点対象項目も覚えておきましょう。
案内にも書かれていますが、減点が41点になると不合格になります。
まとめ:合格するためにやること
私は今まで何人かの方に実技練習を教えてきましたが、合格する方の特徴としては当日までにどれだけ家で練習したかの違いだと言えます。
実務経験が豊富でも、練習なしでは落ちているか方がほとんどです。
逆に初心者の方でも一生懸命練習している方は合格しています。
このことから、3級だから簡単だと思わず、しっかり練習する必要があります。
実技練習が実務に直接役に立つか分かりませんが、合格すれば自分に技能があるということの証明につながります。
個人的に技能の証明はないより、あった方が良いと思います。
これから受験される方、練習は大変ですが、ぜひ頑張ってください。
今回の情報が少しでもあなたの役に立てれば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。