こんな方におすすめ
- クランプメーターの種類を知りたい方
- どのタイプのクランプメーターを購入しようか迷っている方
今回の記事ではケーブルを挟むだけで簡単に電流値を測定できる計器「クランプメーター」の種類と選定方法について紹介したいと思います。
クランプメーターは色々な種類があり、機種によって、測定できる電流の種類、電流の大きさやクランプ可能なケーブルサイズが異なります。
今回はクランプ部の形状、測定できる電流の種類、整流方式真の実効値、表示部の種類、4つの観点から説明します。
YouTubeでは実際に4つのクランプメーターを使用して、説明しています。
動画が好みの方はこちらからどうぞ!
クランプの形状
上の画像に4つのクランプメーターがありますが、2種類のタイプがあります。
左3つのクランプメーターはクランプ部(コア部、CT)などと呼ばれる部分を開けたり締めたりするタイプです。
1番の右側のクランプメーターはオープンコアタイプやフォークタイプと呼ばれる、開け閉めする必要ないタイプになります。
まずは開閉するタイプのクランプメーターから説明していきます。
トリガースイッチ、レバーと呼ばれる部分を押して、クランプ部(コア部、CT)を開閉して、ケーブルを挟みます。
すると、下図のように開きます。
つぎはフォーク型クランプメーターの説明になります。
フォーク型のクランプメーターはコア(センサ・クランプ部)を開け閉めする必要がありませんので、制御盤や分電盤等の電線の込み合った場所で測定するときに便利です。
デメリットとして、同じ大きさのクランプメーターと比較すると、フォーク型は一般的なクランプメーターより、大きな電線はコア部分(センサ・クランプ部)に入りません。
また、どちらのタイプのクランプメーターでも測定したいケーブルをクランプできるか確認する必要があります。
下図は各説明書から抜粋した内容になります。
測定できる電流の種類
機種によって、測定できる電流、大きさが異なります。
まず電流の種類で分類すると、交流電流のみ、直流電流のみ、交流と直流の両方測定できる機種に分類できることができます。
つぎに電流の大きさで分類すると、数A以上の電流値を測定できる負荷電流測定タイプと漏れ電流などの小さい電流値(mA)を測定できる漏れ電流測定タイプがあります。
交流電流と直流電流について
交流モーターやコンセント回路、分電盤や制御盤に設置されているブレーカーなどに流れる電流は交流電流です。
直流電流は制御盤内のパワーサプライなどの24V回路、太陽発電、自動車などです。
クランプメーターによって、交流しか測定できないクランプメーターなどがありますので、何を測定したいか考えて購入する必要があります。
例えば、こちら、エーアンでーのAD-5587のクランプメーターと共立電気計器のフォーク型KEW2300Rは直流/交流の両方の電流が測定できます。
こちらのムサシインテックのクランプメーターMCL140はリーククランプ と呼ばれており、交流の漏れ電流と負荷電流を測定することができます。
機種によって、測定できる電流範囲が決まってますので、測定しようとしている負荷の最大電流値が、クランプメーターの電流レンジ範囲内であることを確認する必要があります。
整流方式 真の実効値
クランプメーターで交流回路を測定すると、実効値が表示されますが、大きく2つのタイプがあります。平均値方式と真の実効値方式です。
こちらのようにRMSと表示されている機種は真の実効値方式であり、ひずんだ電流波形を正しく測定できます。
クランプメーターに「RMS」と表示されていない場合は真の均値タイプになります。
測定する交流回路の電流波形に歪みがない場合はどちらも同じ指示値になりますが、インバータやパワーサプライなどのノイズを発生する機器が設置されている個所では電流波形に歪みがあり、測定箇所では異なった値を示すようことがあります。
表示部の種類
電流値を表示する部分はアナログ式とデジタル式があります。
最近はデジタル式が主流で、販売されているクランプメーターのほとんどがデジタル式です。
デジタル式はアナログ式と比較すると、数値を読みやすいので主流になっている理由が分かります。
まとめ:クランプメーターの種類
繰り返しになりますが、機種によって、測定できる種類、範囲、クランプ可能なケーブルサイズなどが異なりますので、測定したい箇所に応じて選定する必要があります。
迷ったときはこの記事の内容を思い出してください。
今回はクランプメーターの種類に関する内容でしたが、テスターで電流値を測定することが可能です。
テスターで電流値を測定することは違いについて知っておいても損はありません。
良かったら見てください。
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電流はどうやって測定する?テスターやクランプメーターの使い方は?
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