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接地(アース)の目的は感電や火災防止?接地工事の種類4つを説明

接地(アース)と言えば、感電防止のために緑色の線を接続するというイメージではないでしょうか?

簡単そうに見える接地は電圧によって接地の種類が4つに分類され、求められる接地の条件も異なってきます。

今回は接地の目的と接地工事の種類についてご説明します。

接地に関する知識も電気屋として必要な知識となります。

この記事を読んで、一緒に接地に関する知識を深めましょう。

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接地の目的

接地の目的接地には電気設備、器具に接続する「機器接地」と変圧器の低圧側に接続する「系統接地」の2つの目的があります。

機器接地の目的

電気設備、器具を使用していると、絶縁物の経年劣化や機器の損傷などにより、電路以外に電気が漏れてくるようになります。

これを漏れ電流と呼び、漏れ電流が大きくなってくることがあります。

漏れ電流が大きくなってくると感電や火災が発生したり、機器が損傷したりする可能性があり、危険な状態です。

漏電や漏れ電流についてはコチラの記事をお読みください。

それらを防止するため、ケースや金属管、電気回路の一部を導線で地面と接続することを接地(アース)と言います。

接地は人の感電防止や火災防止のほかに、漏電遮断器などの保護装置を動作させるためにも必要です。

機器接地の目的をまとめると以下の3つです。

機器接地の目的

  • 感電防止
  • 火災防止
  • 漏電遮断器、漏電火災警報器の動作

系統接地の目的

高圧から低圧に電圧を下げる変圧器の内部が故障などの事故が発生した際に高圧側と低圧側が混触すると、低圧側に高圧が現れ、人や機械にとって危険な状態となります。

この危険な状態を防止するために行う接地を系統接地と呼びます。

系統接地の目的

  • 変圧器の混触防止

接地の種類

接地の種類接地にはA種やB種、C種、D種の4種類があります。

これは「電気設備の技術基準の解釈(電技解釈)」の第17条によって決まっています。

4種類の接地は先ほどの機器接地と系統接地の目的により、以下のように分類できます。

分類接地の種類
機器接地A種、C種、D種
系統接地B種
シマタケ
昔はA種を第1種、B種を第2種、C種を第3種、D種を第4種と呼ばれていました。
ご年配の方は旧の呼び方が馴染み深いかもしれません。
「B種って2種のこと?」と聞かれることがあります。

この中で皆さんに1番かかわりが深いのがD種接地です。

では、それぞれの特徴を説明してまります。

更に詳しく知りたい方は電気設備技術基準24条をご参照ください。

A種接地工事

A種接地工事高圧用または特別高圧用の機器の外箱(金属ケース)または鉄台に行う接地のことをいいます。

B種接地工事

B種接地工事変圧器の低圧側に行う接地のことをいいます。

変圧器内の故障などの事故が発生した際に高圧側と低圧側が混触すると、低圧側に高圧が現れ、人や機械にとって危険な状態となります。

これらの事故を防ぐためにB種接地が行われます。

しかし、低圧側に接地工事をすることによって不都合が発生する場合や、300Vを超える低圧電路に中性点が取れない場合は、混触防止板が付いた変圧器を使用することで低圧電路を非接地にできます。

ただし、混触防止板に接地は必要です。

変圧器の原理、用途などについては別記事にて紹介します。

高圧または特別高圧と低圧を結合する変圧器低圧側の中性点。ただし低圧側が300V以下で、中性点に施せないときは、その一端子

シマタケ
私が受験していた時は電験3種の試験問題でよく出題されていました。

C種接地工事

C種接地工事300Vを超える低圧用の機器の外箱または鉄台、金属管を使った配線工事等に行う接地のことを言います。

日本では400Vの電気設備が該当します。

具体例として電動機やファン、ヨーロッパなどの海外製の機械が挙げられます。

D種接地工事

D種接地工事300V以下の低圧用の機器の外箱または鉄台に行う接地のことを言います。

日本では100Vや200Vで動く電気設備や器具になります。

身近な例として、洗濯機や電子レンジ、冷蔵庫になります。

D種接地工事の省略

D種接地工事はある条件を満たせば接地工事を省略できます。

一部ご紹介します。

・使用電圧が300V以下、または対地電圧150V以下の機器を乾燥した場所に設置するとき
・人が触れないように、機器を木製の台など絶縁物の上に設置するとき
・2重絶縁構造を持つ、電気器具

対地電圧

電線と地面との電圧のこと

各接地の抵抗値について

接地はテキトーに地面に接続するだけではいけません。

接地抵抗値については接地の種類と同じように「電気設備の技術基準の解釈(電技解釈)」の第17条によって、接地抵抗の値が決まっています。

6600Vの高圧の電気設備で感電した場合は、小さな漏れ電流でも人体にとって非常に危険なため、接地抵抗は10Ω以下と小さくしなければいけません。

各接地抵抗値は以下のようになります。

B種接地のIは地絡電流です。

接地の種類抵抗値漏電遮断器取付時
A種10Ω以下
B種150/IΩ以下・動作1秒以内
300/I以下
・動作2秒以内
600/I以下
C種10Ω以下・動作0.5秒以内
500Ω以下
D種100Ω以下・動作0.5秒以内
500Ω以下

B種接地抵抗値だけ異なる

上の表を見ると、B種接地工事だけ、計算式になっています。

Iは地絡電流であり、電力会社の送電線や電柱から電線の距離などによって異なります。

地絡電流の値は電力会社に問い合わせることで確認できます。

参考:季節や天気など接地抵抗値が変わる

接地するときは地面に接地極を埋め込みますが、大地(土地)の状態によって抵抗値が変わります。

これは大地の抵抗値が夏か冬などの気温や雨などの天候によって変化するからです。

この他に接地極の埋め込む深さ、サイズ、地面が土か岩石が多いのかによっても異なります。

まとめ:接地について

今回は接地工事の目的と種類を説明させていただきました。

接地工事は重要な役割を果たしていますので、最後にもう一度まとめます。

接地のまとめ

  • 接地はA、B、C、Dの4種類
  • A、C、Dは機器接地
  • Bは系統接地
  • 機器接地の目的は感電や火災防止、漏電遮断器の動作
  • 系統接地は高圧と低圧の混触防止
シマタケ
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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シマタケ

共働きの子育て会社員。工場で15年間働く電気エンジニア。多数の国家資格を取得。施設、工場で働く電気エンジニアが勉強できる、悩みを解決できるサイトを目指しています。子育てや雑記記事も時々書きます。

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