電気の知識

ACアダプターの役割とは?中に使われている部品と仕組みを分解して説明!

こんな方におすすめ

  • ACアダプターの役割について知りたい方
  • ACアダプターの中身について知りたい方

私たちの生活では、スマートフォンの充電、パソコンやゲーム機などを利用するときに、ACアダプターを利用します。

当たり前のように使っていますが、どのような役目を果たしているのでしょうか。

また、中身はどんな部品が使われているでしょうか。

今回は、ACアダプターの中身や仕組みについて解説していきます。

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ACアダプターの役割

私たちが電子機器を利用するときは、コンセントにプラグを差し込んで電源を供給します。

このときの電源は交流電源であり、交流を英語であらわすと"Alternating Current"であり、頭文字をとって組み合わせるとACになります。

しかし、ほとんどの電子機器は交流電源に対応していません。

また、必要な電圧も0.8~20Vだといわれています。

そのため、交流電圧を適切な大きさの直流電圧に変換させる必要があります。

その役目を果たしているのがACアダプターです。

ACアダプターをコンセントと機器の間に接続することで、交流を直流に変換してくれます。

「なぜ、もとから直流で供給しないの?」と思う方もいるかもしれません。

詳細は割愛しますが、その理由としては、交流電圧のほうが昇圧や降圧において手間がかからないからです。

直流と交流の違い
押さえておきたい電源の種類|直流と交流の違い

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形が似ているからと言って、どんなACアダプターを使用して良いわけではありません。
使用する機器によって出力される電圧や電流が異なるので、その機器にあったACアダプターを使用しましょう。

ACアダプターの種類

ACDC変換方式の種類ACアダプターの種類には、電源の変換方式によって、トランス方式(リニア方式、ドロッパ方式)とスイッチング方式の2つに分類できます。

いまでもリニア方式のACアダプターは使用されていますが、現在ではスイッチング方式が主流となっています。

トランス方式は、アダプター内にある変圧器で電圧を下げてから直流に変換する方式、スイッチング方式はトランジスタなどの半導体を高速でオンオフして、出力電圧を変換させる方式です。

トランス方式基本構成

スイッチング方式については、詳細はこの後説明していきます。

トランス方式

長所:ノイズが小さい、回路が簡単、部品が少ない
短所:大きくて重い、効率が低い

ポイント

長所:高効率で軽い
短所:ノイズが大きい、回路が複雑、部品が多い

シマタケ
トランス方式とスイッチング方式の両方ともでコンセントに繋いだままにしておくと、待機電力が発生しますので、省エネの観点から使用しない時はコンセントからACアダプターを外しておくのが良いです。

ACアダプターの動作原理

スイッチング方式の基本構成例ここではスイッチング式の電源について、基本的な回路の動作について概要を説明していきます。

もう少し詳しい説明は次の「ACアダプターの中身」で行います。

動作原理

1.交流電源が入力されます。

2.整流ブリッジで整流されます。

3.電解コンデンサで平滑化されます。

4.スイッチング素子を高速で繰り返し、ON・OFFし、パルスの高調波の交流にします。

5.高周波トランスを通して、2次側にパルスの交流が伝達されます。

6.ダイオードで整流されます。

7.コンデンサで平滑化されます。

8.直流電源が出力されます。

9.出力電圧が一定になるように、制御回路により制御されます。

ACアダプターの中身(使用されている部品)

ダイソーAC充電器

ここからは、ACアダプターの内部における主な構成部品について確認していきます。

今回はダイソーのACアダプターを分解しましたので、こちらで説明していきます。

下図は分解したACアダプターで「スイッチング式」になります。

分解したACアダプター(充電器)

こちらが基板の表面になります。
ACアダプター分解基板表面
こちらが基板の裏面になります。
ACアダプター分解基板裏面
基板の部品についてそれぞれ説明していきます。

ここでは高周波トランスより前を1次側、後を2次側としていきます。

基板の写真と照らし合わせてご確認ください。

プラグ

コンセントに差し込む部分です。ここから交流電圧が入り込んでいきます。

当然、一般的なコンセントに差し込めるように、二つの金属突起が突き出した形状になっています。

ヒューズ

交流電圧が大きすぎると、内部が破損してしまう可能性があります。

そのため、ACアダプターにはヒューズが組み込まれており、過電流を防げるように対策されています。

ブリッジダイオード

ダイオードには1つの方向にしか電流を流さない性質があります。

4つのダイオードをうまく組み合わせたブリッジダイオードによって、交流のマイナス電圧をすべてプラス電圧(全波整流)に変換して直流電圧にします。

電解コンデンサー(1次側)

電解コンデンサーは直流に変換するための重要な部品です。

コンデンサーなので、電圧が高いときに充電されます。

時間が経過すると放電されますが、交流なのですぐに再び充電されます。

この仕組みを利用して、交流電圧の波形を直流電圧のような平らな波形に近づけていきます。

そのため平滑コンデンサと呼ばれています。

スイッチング素子

直流に変換された電圧をトランジスタなどの半導体のオン・オフ切り替えによって、矩形波に変換します。

オン・オフの切り替え時間を調整することで、出力電圧を調整できます。

ダイソーのACアダプターはスイッチング電源コントローラと呼ばれる電源制御ICでスイッチングされています。

高周波トランス

トランスを通してエネルギーを1次側から2次側に伝達されます。

整流ダイオード(2次側)

トランスを通して伝達された交流を整流します。

コンデンサ(2次側)

矩形波に変換した電圧は、再び電解コンデンサーできれいな直流電圧に変換します。

制御回路(充電コントロール)

2次側の出力電圧が一定になるように、スイッチング素子の調整を行います。

出力側コネクタ

変換した直流電圧を電子機器に出力するための接続部分です。

DCプラグやUSBコネクタになっています。

スマートフォンやパソコンに差し込むプラグを見ればわかりますが、電子機器によってプラグの形状や大きさが異なります。

参考:ACアダプターと充電器の違い

ポイント_ノート今回分解した商品名はAC充電器となっていますが、厳密に言うと異なります。

ACアダプターは、交流電源を直流電源に変換する機器です。

充電器は、充電する為の機器のことを言いますが、スマホやスイッチは充電されるバッテリーは本体の中にあり、ACアダプターを接続できることで初めて充電が可能となります。

まとめ:ACアダプター

最後に簡単にACアダプターについて、まとめます。

まとめ

・交流電源を直流電源に変換する機器
・最近はスイッチング式が多い。
・使用機器によって電圧、電流が異なる。

普段何気なく使っているACアダプターの中身に着目すると、素晴らしいアイデアが詰め込まれていることに驚いたという方もいたのではないでしょうか。

ACアダプターのように中身を考えることで、電気に対する理解が深まります。

壊れた機器を捨てる前に分解して、中身を確認するのも面白くて勉強になると思います。

シマタケ
身近な機械の中身に興味を持って過ごしてみると良いのではないでしょうか。

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シマタケ

共働きの子育て会社員。工場で15年間働く電気エンジニア。多数の国家資格を取得。施設や工場で働く方々が勉強できる、様々な悩みを解決できるサイトを目指しています。雑記記事も時々書きます。心理学を勉強中でメンタルケア心理士、行動心理士取得。

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