こんな方におすすめ
- 音が鳴らなくなった玩具を直したい方
子供が遊ぼうと思い、戦隊ヒーローや仮面ライダーの変身玩具から音が鳴らなくなったことはありませんか?
そんな時はメーカーへ修理を出そうと思いますが、保証書をなくしたり、保証期間が過ぎていて諦めた経験はないでしょうか?
捨てる前に、この記事を読んでください。
もしかしたら音の鳴らない玩具は直せるかもしれません。
なぜなら、私は過去に数回、音が鳴らなくなった子供の玩具を直しています。
原因はいずれもスピーカーの断線でした。
今回の記事では、音が鳴らないときの修理方法「スピーカーの交換方法」をご紹介します。
注意点
・修理される際は自己責任でお願いします。
・基盤が故障している場合は素人では修理できません。
・スピーカーが断線していた時の手順となります。
すぐに修理方法を確認したい方は「断線判断から交換までの手順」から読んでください。
目次
音が鳴らなくなる要因
私の経験になりますが、音が鳴らなくなる要因として以下の要因があります。
- 電池切れ
- 配線が外れている
- スピーカー
- 基板の故障
電池切れ
電池を交換しても音が鳴らないから今回のような記事を探しに来られていると思いますが、一応紹介します。
充電池を使用している方は注意です。
充電池は容量が大きい為、間違えて取り付けたり、不具合が発生すると最悪の場合、破裂や発熱などが発生することがあります。
また、使いきりの乾電池の電圧は1.5Vですが、充電池は1.3Vと低いです。
そのため、モーターなどを動かす場合にパワーが足りないことがあります。
配線が外れている
基板に配線を接続するときは「はんだ」で接続されています。
この「はんだ」の付きが不十分で配線が外れている時があります。
配線が外れている時は、はんだごてを使用し、再度はんだ付けすることで直すことが可能です。
私自身、はんだ付け不良はトラブルの1つとしてそれなりに経験しています。
会社では設備のコネクタから配線が外れていましたし、家ではゲームセンターで手に入れたラジコンの基板と配線が外れていたことがあります。
スピーカーの断線
スピーカーは小型でコイル線が細いため、切れることがあります。
子供はおもちゃを落としたり、片付ける時に勢いよく置いたりするときの衝撃等で発生すると思います。
私が直した時はいずれもスピーカーの断線でした。
基板の故障
上記の「電池切れ」「配線外れ」「スピーカー断線」を確認しても改善されない場合は基板の故障が考えられます。
基板の故障は素人では対応することができません。
この場合は諦めましょう。
スピーカー断線判断から交換までの手順
スピーカーが断線しているかの確認から交換までの手順は以下のとおりです。
ひとつずつ詳細に説明していきます。
事前準備1:スピーカーの断線判断
音が鳴らない原因はスピーカーであることを確認する必要がありあす。
スピーカーが断線しているか確認するために、テスターを用いて確認します。
仮面ライダーの変身ベルトを例に説明していきます。
step
1おもちゃのふたやケースを外す
step
2スピーカーをテスターで確認
スピーカーに配線が2本接続されている部分に、テスターの先端をあてます。
断線している場合や接触不良の場合は上の写真のように「O.L」表示がされます。
正常な場合は下図のように数値が表示されます。
テスターの使い方が分からない、確認したい方はコチラをご覧ください。
-
電気屋が伝授!アナログとデジタルテスターの使い方を図で分かりやすく説明
続きを見る
正常品と故障品スピーカーの比較
ご参考までに、壊れているスピーカーと正常なスピーカーを並べてみました。
見た目で比較すると以下になります。
黒い方が断線しているスピーカーです。
写真では見にくいですが、線が片方の線が切れています。
事前準備2:スピーカーの仕様確認と新品購入
スピーカーが原因であることを確認できましたら、次に交換したいスピーカーの外形寸法とインピーダンスを確認しましょう。
文字やシールで〇〇Wと記載されていれば、同じ仕様もしくは似た仕様のスピーカーを購入しましょう。
スピーカーは小さな電気部品を売っているお店やネット販売で購入できます。
ホームセンターではほとんど売っていない思われますので、無駄足になる可能性が高いでです。
記載されていない場合はスピーカーの外形寸法とスピーカーのインピーダンスを確認する必要があります。
外形寸法は「ものさし」、インピーダンスは「テスター」を使います。
インピーダンスについて知りたい方はコチラをご覧ください。
-
抵抗とインピーダンスの違いとは?分かりやすく説明!
続きを見る
スピーカーの確認方法
変身ベルトなど似たような玩具を複数持っている方は、壊れていないベルトのスピーカーの抵抗値を測定します。
持っていない方は「ものさし」で外形寸法を測定し、そこから似たよなスピーカーを探すしかありません。
参考になりますが、私が修理した仮面ライダーの変身ベルトのスピーカー仕様は以下になります。
テスター使用方法について知りたい方はコチラをご覧ください。
-
電気屋が伝授!アナログとデジタルテスターの使い方を図で分かりやすく説明
続きを見る
インピーダンスの確認方法
step
1ふたやカバーを外す
プラスドライバーを使用し、ふたやカバーのネジを外していきます。
step
2スピーカーのインピーダンスを確認
テスターを用いて、スピーカーのインピーダンスを測定します。
測定したインピーダンスと外形寸法から下図のようなスピーカーを用意しました。
スピーカー仕様 | |
外形 | Φ27mm |
インピーダンス | 8Ω |
スピーカーの交換方法
では、購入したスピーカーに交換したいと思います。
今回は仮面ライダーのベルトを例にスピーカーを交換方法を説明していきます。
玩具によって必要な工具や部材は若干変わると思いますが、以下の工具と部材があれば基本的に大丈夫です。
写真の番号 | 名称 |
1 | はんだごて土台 |
2 | テスター |
3 | はんだ |
4 | ミニバイス |
5 | 小さいプラスドライバー |
6 | はんだごて |
7 | 新品のスピーカー |
8 | 音がならない変身ベルト(玩具) |
「ミニバイス」と「はんだ」はあった方が作業が効率よく進めることができます。
はんだ付け作業が始めたの方や綺麗にはんだ付けした方はコチラをご覧ください。
-
はんだ不良に注意!はんだごての正しい使い方ときれいにするコツ
続きを見る
step
1おもちゃのケースを外す
まず、ネジを外しておもちゃのふたやケースを外していきます。
忘れずに電池も外しておきましょう。
step
2はんだごての電源を入れる
はんだごてをコンセントに差し、はんだごてを温めます。
step
3壊れたスピーカーを外す
スピーカーの配線を外しやすくするため、スピーカーをホルダーから外します。
外した後、はんだごてを使用し、壊れたスピーカーから配線2本を外します。
黄色いミニバイスの横にある「黒い四角のスポンジ」はクッションの役割をしているので、忘れずに新しいスピーカーに取り付けましょう。
このときにミニバイスでスピーカーを固定すると、配線が外しやすいです。
step
4新品のスピーカーを取り付ける
新品のスピーカーをミニバイスで挟み、はんだごてを使用し、配線を取り付けます。
はんだごてでスピーカー側のはんだ部分を温めて、はんだが溶けてきたところに配線を入れます。
接触不良や配線が外れないようにキレイに取り付けましょう。
スピーカーの配線はどちらにつないでもスピーカーに不都合はありませんが、壊れたスピーカーと同じように取り付けるのが良いです。
配線がうまく接続できない場合は「はんだ」を追加しましょう。
step
5動作確認
元の状態に戻す前に、電池入れて音が鳴るか動作を確認しましょう。
step
6ふたやケースを元に戻す
以上で終了です。
お疲れ様でした。
まとめ:玩具を直して
今回はスピーカーの交換方法を紹介しました。
修理は時間がかかりますが、音が出るようになった時の、子供が喜ぶ瞬間を見ると嬉しいものです。
壊れたからすぐに捨てるだけではなく、長く大切に玩具を使っていけたら良いと思います。
玩具の音が出なくて困っている方の参考になれば幸いです。
ありがとうございました。