電気の知識

抵抗とインピーダンスの違いとは?分かりやすく説明!

抵抗とインピーダンスの違い

抵抗とインピーダンスの違いを説明できますか?

工業系の学校を卒業した方は授業で習ったことがあると思います。

過去の私は何となく知っていましたが、他人にうまく説明できる状態ではありませんでした。

そんな様態のため、設備のトラブル対応時に失敗した経験があります。

今回の記事では私の失敗事例も含め、「抵抗とインピーダンスの違い」について、分かりやすく簡単に説明します。

普段の会話で使う分には問題ありませんが、細かく説明せずに簡単に説明しているため、表現は厳密に言うと若干異なります。

電気屋にとって抵抗とインピーダンスの違いを知っておくことは必要なことです。

この記事を読んで抵抗とインピーダンスについて知識を深めましょう。

動画でも説明しています。

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抵抗とは何か

抵抗抵抗は電気抵抗とも呼ばれ、電気を流れにくくするモノです。

電気を流れにくくする抵抗に電気が流れると、抵抗は熱や光を発生します。

この現象を利用した電気器具が電気ストーブ(ヒーター)や白熱電球です。

そのほかの働きとして、上の写真のような抵抗を発生させる電気部品を使い、電気を適切な量に調整し、電気回路に用いることもあります。

抵抗は電気回路では英語のresistance(レジスタンス)の頭文字R、単位はΩ(オーム)を用いて表します。

図記号は下図の通りです。

私が学生のころに習った時は山3つと谷3つのギザギザの記号でしたが現在では長方形の記号が使われています。

抵抗の図記号

この抵抗ですが、0Ωの物体はありません。

一例としてテスターで銅線の抵抗値を測定した場合は「0Ω」を表示しますが、実際にはわずかな抵抗はあります。

抵抗値の小さい銅線でも熱が発生します。

参考:抵抗値の違い(導体と絶縁体)

電線抵抗の大小により、物体を分類することができます。

銅線などの金属のように電気を通しやすい物体を「導体」といいます。

反対に電気を通しにくい物体を「不導体」または「絶縁体」といいます。

導体と絶縁体をまとめると以下のように分類できます。

種類 物体
導体 金属(銅、アルミなど)、塩酸、炭素など
絶縁体(不導体) ゴム、ガラス、磁器、絶縁油、乾いた空気など

ポイント

・導体は抵抗が小さい物体
・絶縁体は抵抗が大きい物体

シマタケ
よく耳にする半導体は、導体と絶縁体の中間の物体のことを言います。

半導体の特徴として、温度が低い時は絶縁体、温度が高いと導体になります。

インピーダンスとは何か

インピーダンスインピーダンスは、交流回路において電気を流れにくくするモノです。

直流回路では電気の流れを妨げるモノは抵抗のみでありましたが、交流回路ではコイルやコンデンサなどが含まれてきます。

インピーダンスの大きさは電圧÷電流です。

英語ではImpedanceと書きますが、Iを使わず、Zを用いて表します。

単位は抵抗と同じくΩ(オーム)で表します。

シマタケ
「I」は電流で使われているからでしょうか。

使用されていないアルファベットが「Z」だったためというのが有力であるとネットで書かれていました。

コイル(L)の場合

コイルコイルは直流と交流により、抵抗の大きさが変わる部品です。

モーターや変圧器に利用されています。

直流回路の場合は抵抗がほぼ0Ωになります。

コイルは銅線を巻いた部品ですので、銅線と同じイメージです。

交流回路では周波数が高いほど、抵抗が大きくなり、電流が流れにくくなります。

図記号は下図の通り、コイルのような図記号でです。

コイルはL、単位はH(ヘンリー)を用いて表します。

コイルの図記号

コンデンサ(C)の場合

コンデンサコンデンサもコイルと同様に、直流と交流により、抵抗が変わります。

ノイズの除去や電圧を安定させるために回路へ使用されます。

このコンデンサですが、直流回路では流れません。

交流電流では周波数が高いほど、抵抗が小さくなり、電気が流れやすくなります。

図記号は下図の通りで、コンデンサはC、単位はF(ファラッド)を用いて表します。

コンデンサの図記号

実例:勘違いしていた私の失敗談

小型変圧器私は過去にインピーダンスの理解不足により、とある設備のトラブル対応で失敗した経験があります。

トラブルの原因となっている部品を特定するために、まずは導通(抵抗)を確認することにしました。

制御回路には変圧器(トランス)があり、変圧器の2次側も含めて、テスターを用いて順々に抵抗値を測定したところ、テスターの値は「0Ω」を表示しました。

恥ずかしながら、当時の私は変圧器が短絡していると勘違いしてしまったのです。

テスターでの導通確認時の電流は直流であるため、「直流でのコイルのインピーダンスは銅線の抵抗になる」ということを忘れていました。

結果的にトラブルの原因となっている部品を探すまでに時間がかかってしまいました。

同僚も間違えたことがあると言っていたので、シェアさせて頂きました。

まとめ:抵抗とインピーダンスの違いとは

以上、抵抗とインピーダンスの違いについて説明いたしました。

抵抗とインピーダンスはどちらも単位がΩ(オーム)であるため、分かりにくいと感じるかもしれません。

しかし、違いとして、インピーダンスは交流回路において、コイルやコンデンサのように、周波数によって抵抗が変わる部品の抵抗の大きさを表すときに使われます。

最後に、両者に違いを一言でまとめると次のようになります。

両者の違い

・直流回路は抵抗
・交流回路はインピーダンス

今回の情報が少しでも参考になれば幸いです。

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シマタケ

共働きの子育て会社員。工場で15年間働く電気エンジニア。多数の国家資格を取得。施設や工場で働く方々が勉強できる、様々な悩みを解決できるサイトを目指しています。雑記記事も時々書きます。心理学を勉強中でメンタルケア心理士、行動心理士取得。

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