こんな方におすすめ
- SSRについて知りたい方
- SSRとリレーの違いについて知りたい方
- 一般的なリレーとの使い分けについて知りたい方
今回はSSRについて、特徴や用途、一般的なリレーとの違いについて紹介していきます。
YouTubeでも紹介していますので、動画版でもご確認ください。
目次
SSRとは
SSRとはSolid State Relayの略で、無接点リレーのことをいいます。
画像のような有接点リレーのようにカチカチと音を出しながら機械的にON/OFFするのではなく、トランジスタ、トライアック、サイリスタなどの半導体素子により、電子的にON/OFFします。
接点の動作音は聞こえません。
呼び方として、SSRや無接点リレーのほかに半導体リレーとも呼ばれており、オムロンやパナソニック、シーメンスなどから販売されています。
SSRの特徴
SSRの特徴についてです。
メリット
・動作速度が速い
・接点の摩耗がない
・接点の動作音がない
デメリット
・出力は1aのみ
・SSR自身が発熱するため、大きな電流の場合、放熱対策が必要
・OFF時でもとても小さいが漏れ電流が流れてしまう。
・有接点リレーより高価
有接点リレーとの使い分け
一般的な有接点リレーとの使い分けについてですが、以下の回路の場合はSSRの方が適しています。
SSRが必要な回路
・速い動作速度が求められる回路、
・高い頻度でON/OFFを繰り返す回路
・ノイズが影響を及ぼす弱電回路
つぎにもう少し具体的にどんなときに使用されているかお伝えいたします。
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SSRの用途
用途ととして、例になりますが、以下の用途でSSRが使用されています。
1.高速ラインでの設備間の信号
高速な生産ラインで設備間の信号のやりとりをするとき、有接点リレーのON/OFFでは信号のやりとりに間に合わないことがあります。
過去の話になりますが、製品が通過した信号を他の設備へリレーの接点を介して接続していましたが、追い付いていないことがありました。
2.ヒーターのオンオフ制御
ヒーターの温度制御はON/OFF回数が多い為、有接点リレーでは接点が摩耗し、寿命が短くなることからをSSRが使用していることが多いです。
私の実体験として、コストを抑えたいためか、ヒーターのON/OFFをSSRではなく、電磁接触器でON/OFFしている設備がありました。
ON/OFFするたびに火花が飛び散り、接点が溶着し、トラブル対応した経験があります。
画像はイメージになりますが、配線に煤がついており、電磁接触器部分は真っ黒でした。
3.LEDなどの調光制御
LEDの調光は高速でON/OFFして光の量を調節しています。
有接点リレーでは高速のON/OFFに対応できません。
SSRの仕様について
画像には3つのSSRがありますが、今回はオムロンの汎用リレーMYと同一形状のSSR G3FD-X03SNを例に紹介していきます。
オムロンのSSR G3FD-X03SNは、有接点リレーMYと同じソケットを使用することができます。
G3FD-X03SNは入力が、13と14は入力端子 8と12は出力端子です。
直流の場合は極性がありますので注意してください。
SSRの種類について
上画像はオムロンさんのWebサイトになります。
ミニパワーリレーと同一形状のSSRの型式/種類を確認してみますと、入力定格電圧や出力の適用負荷、直流か交流か、動作表示灯の有無、ゼロクロス機能の有無によって絶縁方式が異なります。
この中で気になるのが、ゼロクロス機能ではないでしょうか?
ゼロクロス機能
ゼロクロス機能(Zero-Crossing Function)とは、交流の負荷電圧がゼロになる瞬間を通過するタイミングでSSRをON・OFFする機能です。
ゼロクロス機能は無いSSRは入力信号がONしますと、すぐにON動作を行いますが、ゼロクロス機能が有るSSRは負荷電圧が0V付近になったときにON動作を行います。
メリットとして、電圧が0Vのときにスイッチングを行うため、突入電流が抑えられ、ランプやヒーター、モーターなどの急激な電流の立ち上がり時に発生するノイズを抑えるといったメリットがあります。
まとめ
今回の記事ではSSRについて紹介いたしました。
SSR(ソリッドステートリレー)は、半導体素子を利用した非接触型のリレーで、高速スイッチング、長寿命、静音動作、ノイズの低減といった多くのメリットがあります。また、ゼロクロスタイプがあり、多岐にわたる用途で使用されています。
回路によっては一般的なリレーではなく、SSRの方が適していることもありますので、ぜひ確認してみて下さい。