光電センサはその名の通り、光量の大きさによって電気信号を出力するセンサであり、 色々な箇所に使用されています。
特に工場では生産ラインの設備に使われていることがとても多く、保全員の方はセンサ交換や感度調整を実施することがあるので必要な知識となります。
そこで、今回は光電センサの概要や光電センサの種類、検出方法を紹介していきます。
一緒に勉強しましょう。
動画では実際のセンサを動かして説明しています。
光電センサとは
光電センサとは、光を使用して対象物体の存在や表面状態の変化を検出する部品です。
ビームセンサや光電管センサとも呼ばれています。
キーエンスやオムロン、パナソニック、オプテックスなどのさまざまなメーカーから発売されており、メーカーによっても耐久性やサイズ、価格などが異なります。
光電センサの構成
光電センサは主に光を発射する投光部と光を受ける受光部、増幅回路、制御回路で構成されます。
また、構成によって分類すると以下のようになります。
写真のセンサはアンプ内蔵型になります。
アンプ分離型
投光部・受光部のみで構成されたセンサヘッドと増幅回路・制御回路で構成されたアンプが別々になっているセンサです。
センサヘッドとアンプが分離されているため、離れた場所でセンサの感度を調整できます。
アンプ内蔵型
センサヘッドとアンプが一体になっているタイプのセンサです。
アンプ分離型と比較すると、一体型になっているため、省スペースで配線が少ないです。
ファイバ型
光電センサと光ファイバを組みわせたセンサです。
センサーヘッドが小型のため、狭い場合に設置できます。
電源内蔵型
100Vや200Vの電源を直接できる電源が内蔵されたセンサです。
光電センサの特徴
光電センサの特徴として、以下のメリットとデメリットがあります。
メリット
・検出にあたって対象物に触れなくて済むので、対象物とセンサが傷つかない。
・高速な光を媒体としているので、応答時間が短い。
・長時間の使用に適している。
・種類が豊富
デメリット
・油やホコリなどの汚れに弱く、付着すると光量が落ちる。
・センサ同士が隣にあると干渉する場合がある。
・種類が多い為、選定に迷う
光電センサの種類
光電センサにはいくつか種類があり、それぞれ検出方法や特長が異なります。
投光部から投射された光が検出物体による変化、「反射」「透過」「吸収」を受光部で検知します。
検出方式によって主に次の3種類に分類されます。
種類1.透過型
透過型では、投光部と受光部がお互いに向かい合って設置されています。
投光部と受光部の間に検出物体が通過したときに受光部の光量が減少します。
光量の減少によって検出する仕組みです。
透過型センサは投受光型と呼ばれていることもあります。
特徴
・検出距離が長い
・検出物体に対する制約が少ない
・検出位置が変化しない
・光軸調整が必要
・レンズの汚れに弱い
種類2.拡散反射型
拡散反射型では、投光部と受光部が一体となった機器から検出物体に光を照射します。
反射型とも呼ばれています。
検出物体から反射された光を受光して検出する仕組みです。
特徴
・取付、調整が容易
・検出物体の表面状態によって、検出安定性変化
限定反射型
投光部の軸と受光部の軸が交差している構造に特徴があります。
交差した範囲内の物体だけを検出可能です。
検出物体の色や背景の影響が少ないほか、小さな凹凸まで検出できます。
距離設定型
投光部と受光部のほかにレンズを組み合わせた検出方法です。
検出物体とセンサの距離によって、検出物体が反射する光の向きが変わります。
受光部にあたる光の位置変化で検出する仕組みです。
受光素子には位置検出素子や2分割フォトダイオードが使用されています。小さな物体でも高精度で検出可能です。
種類3.回帰反射型
回帰反射形では、投光部と受光部が一体になった機器から、回帰反射板に向けて光を照射します。
ミラー反射型とも呼ばれています。
検出物体が光を遮ったときに、受光部に入る光量が減少します。光量の減少によって検出する仕組みです。
特徴
・光軸調整が容易
・光が2度通過すので透明体の検出がしやすい
・レンズの汚れに弱い
まとめ:光電センサ
以上、光電センサの概要や種類を解説しました。
センサの種類によって構造や検出方法が違うことについて理解いただけたと思います。
最後にもう一度まとめます。
まとめ
・光電センサは光を媒体として対象物体の存在や表面状態の変化を検出する。
・構成による分類として「アンプ分離型」「アンプ内蔵型」「ファイバ型」「電池内蔵型」がある。
・検出方法の種類として、「透過形」「拡散反射形」「回帰反射形」がある。
センサには光電センサ以外にもさまざまな種類があり、現場でもたくさんのセンサが使用されています。
仮にセンサの仕組みを理解しておけば、機器が故障したときの原因や機械を調整するときに役に立ちます。