今回の記事では、初めてオシロスコープを購入する方向けとして、以下のオシロスコープの基本的な仕様について紹介していきたいと思います。
オシロスコープの仕様
・周波数帯域
・入力チャンネル数
・最高サンプリングレート
・最大メモリ長
・立ち上がり時間
・最高波形取り込みレート
・分解能
オシロスコープとは
オシロスコープは目に見えない電気(電気信号)を可視化、見えるようにする機器です。
目次
オシロスコープの仕様について
オシロスコープの仕様について簡単ではありますが、基本的な項目に絞って説明していきます。
周波数帯域
周波数帯域とは「どこまでの周波数を測定できるか」、どこまで高速の信号を測定できるか、測定できる周波数の上限目安を表しています。最も重要な仕様と言われています。
例えば70Mhzとなっているから70Mhz測定できるわけではありません。
周波数が高くなるほど、減衰してしまうため、周波数帯域以下の周波数でしか正しい波形を測定することができません。
また、必要な周波数帯域は測定する波形の種類(正弦波、パルス波など)によって異なります。
入力チャンネル
「信号を同時に測定できる数」を表しています。
チャンネルをCHや、チャネルと表記されていることもあります。
チャンネルは機種によってことなりますが、2、4、8などがあります。
画像の部分に測定したいポイント(電気信号)をつかむために使用するプローブを接続します。
最高サンプリングレート
単位時間あたり、どれくらいの頻度で測定するかを表しています。
サンプリング周波数、サンプルレートとも呼ばれています。
単位はSa/s(Sample Per Second)です。
サンプリングレートが高いほど高速な信号を精度よく測定できます。
測定するチャンネルを増やしていくと、サンプリングレートが下がります。
中には使用しているチャンネル数に関係なく、常に最大サンプリングレートで動作するオシロスコープもあります。
最大メモリ長
オシロスコープは1画面分の波形データを一度メモリに取り込んでから表示します。
そのときに「デジタル変換したデータ(サンプリングした波形)をどれだけ記憶できるか」を表しています。
最大レコード長とも言います。
最大メモリ長はサンプリングレートによって測定時間が変わります。
例えば、メモリ長の小さいオシロスコープでは、時間軸の設定を遅くすると、ディスプレイ全体に波形が表示されないことがあります。
また、測定しているチャンネル数によって、メモリ長は小さくなります。
立ち上がり時間
入力された波形はオシロスコープの立ち上がり時間の影響を受けて、表示されますので、オシロスコープに入力された波形の立ち上がり時間より遅くなります。
なお、立ち上がり時間は定義として信号の振幅が10%から90%になるまでの時間です。
最高波形取り込みレート
単位はwfms/s(Waveforms per second)です。
サンプリングレートがサンプリングの頻度を示すのに対し,1秒間あたり、波形をどれだけ高速に取り込むことができるかを表します。
波形更新レートとも呼ばれています。
波形取り込みレートが低いと、まれ発生する異常な波形などをとらえることができないことがあります。
垂直分解能
分解能が多ければ多いほど高い精度で電圧波形を見ることができます。
8bitではなく、近年は12bitなどの高分解能ADコンバータを搭載したオシロスコープが発売されています。
また、分解能が高いと、精度は高くなりますが、価格も高くなります。
まとめ:オシロスコープの仕様
本記事では、オシロスコープのカタログや販売している製造メーカーのサイトなどに書かれている仕様、7個について紹介しました。
代表的な仕様として、周波数帯域、チャンネル数、サンプリングレート、垂直分解能です。
電気信号をどれくらいの精度で測定するか、どれくらい高速な電気信号を測定するかで必要なオシロスコープの性能が変わってきます。
当然、性能が高いほど価格が高くなります。
高い性能のオシロスコープを購入すれば困ることはありませんが、用途に応じた適切な仕様のオシロスコープを購入するのが良いと思います。