電気の知識

【テスター操作】分電盤や制御盤内にあるブレーカの電圧測定方法

今回の動画はテスターの使い方編として、ブレーカ(遮断器)、の電圧を測定方法を紹介したいと思います。

作業前の電圧確認やトラブル対応でブレーカの電圧を確認することは基本であり、必須な作業となります。

単相2線式、単相3線式、三相3線式、3つの電源に使用する各ブレーカの測定方法を紹介していきます。
今回測定するブレーカの種類

注意

自宅で撮影していますので、三相電源がないため、3相電源用のブレーカはテスターに電圧表示することができないので、ご了承ください。

シマタケ
一緒に勉強していきましょう。

今回は日置電機のデジタルマルチメーターDT4224を使用します。
日置電機テスターDT4224

シマタケ
だいたい操作方法は似ていると思いますが、テスターによっては使い方が異なる可能性がありますのでご注意ください。 あとは忘れずに安全のため、絶縁手袋、長そでを着用しましょう。
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単相100V、200V 2極ブレーカの電圧測定

分電盤内のブレーカまずは単相100V回路に使用されるブレーカの電圧を測定していきます。

身近な例として一般家庭にある分電盤、他には制御盤内や工場や会社などの分電盤などにも設置されています。

今回は上の画像のような家の分電盤で説明していきます。

家の分電盤は単相3線式という供給方式で電気が送られてきています。

電圧の種類として、単相100Vと単相200Vがあり、上画像の左側のブレーカは100V、右側のブレーカは200Vになります。

100Vはコンセントや照明、200VはエアコンやIHに使用されています。(昔の家は100Vしかない場合があります。)

測定カテゴリに注意

測定カテゴリについてブレーカは測定カテゴリCATⅢですので、プローブの先端のみ、金属が出ている状態で測定しなければいけません。

測定カテゴリについては、別の記事で説明しています。安全に作業するために必要なことですので、知らない方はぜひご確認ください。

ブレーカに端子カバーがある場合

制御盤内のカバー付きブレーカブレーカには端子カバーがついていることがあり、端子カバーには測定用の穴がありますので、そこにプローブを挿し込みます。

しかし、プローブがブレーカの端子に届かない場合があります。

そんなときは端子カバーを外して測定します。
ブレーカの端子カバーを外して測定感電しないように十分に注意する必要があります。

とくに下の画像のような銅バーなど金属面がむき出しになっている分電盤がありますので、十分に気を付けましょう。
中扉がない分電盤の画像

電圧測定手順

step
1
交流電圧測定に設定する


テスターのファンクションスイッチを交流の電圧にします。ブレーカの電圧測定_ファンクション設定

step
2
プローブ(テスト棒)を測定箇所にあてる


交流ですので極性は関係ありませんので、黒色と赤色のプローブを気にせず端子にあてます。
ブレーカの電圧測定方法-2

step
3
電圧値の確認


100V回路の場合、100V前後の電圧が表示されます。
ブレーカの電圧測定方法-3200Vの場合、200V前後の電圧が表示されます。
ブレーカの電圧測定方法-3測定値が範囲内であれば、正常だということになります。

ファンクションスイッチの間違いに注意

よくある間違いとして、ファンクションスイッチの設定ミスです。

直流電圧測定でしたら、問題ありませんが、抵抗測定を使用すると危険です。

間違って抵抗測定の状態で電圧が印加されている部分を測定すると、ブレーカーのトリップ、テスターの故障やテスター内のヒューズが切れる、最悪の場合は火傷するなどの可能性があります。

DT4224は電圧入力保護機能付き

この記事で使用しているテスターは世界初の電圧入力保護機能付きのテスターであり、電圧測定の際に、ファンクションスイッチを間違えて抵抗測定に設定してしまっても、 ブレーカの遮断やアークが発生しません。

ご興味ある方は日置電機さんの機能を紹介している動画をご覧ください。

単相3線式 3極ブレーカの電圧測定

単相3線式の電圧単相3線式の場合は端子が3つあります。

一般家庭の分電盤や工場などの電灯回路の分電盤に使用されています。

100Vと200Vを供給しています。

3本の線は建物によって異なることがありますが、それぞれ赤、白、黒に色分けされています。
単相3線式のブレーカについて左からL1、N、L2または、R、N、Tや、R、N、Sと呼ばれています。

今回の記事ではL1、N、L2と呼んでいきます。

「L1とN」または、「L2とN」を利用すれば、100Vを利用することができ、「L1とL2」を利用すれば、200Vが利用できます。

電圧測定手順

step
1
交流電圧測定に設定する


テスターのファンクションスイッチを交流の電圧にします。

step
2
プローブを測定箇所にあてる


まずはL1とNにプローブをあてます。

単相3線式の電圧測定1100Vぐらいです。
単相3線式の電圧測定2つぎはL2とNの端子にプローブをあてます。
単相3線式の電圧測定3こちらも100Vぐらいです。

L1とL2を測定します。
単相3線式の電圧測定4

こちらは200Vぐらいになります。

三相3線式 3極ブレーカの電圧測定

三相3線式ブレーカ電圧測定前三相3線式の場合も端子が3つあります。

左からR、S、Tと呼ばれています。

見た目は単相3線式と同じ見えますが、電圧が異なります。
単相と三相の電圧違い

単相3線式は100と200Vですが、三相3線式は200Vだけになります。

R-S間、S-T間、R-T間の3つを測定してみます。

シマタケ
残念ながら、自宅に三相電源がないため、イメージになります。

正常でしたらR-S間、200Vぐらいです。
三相3線式ブレーカ電圧測定-1S-T間、同じく200Vぐらい。
三相3線式ブレーカ電圧測定-2R-T間も200Vぐらいの電圧になります。
三相3線式ブレーカ電圧測定-3全ての端子間で、200Vぐらいで同一の電圧であれば正常です。

欠相があれば、その端子間では、電圧が出ませんので、気が付きことができます。

欠相とは

・三相3線式回路で1相が切れること

・ブレーカのネジの緩み、電磁開閉器の接点不良などが要因

まとめ:ブレーカの電圧測定

テスターでブレーカ電圧測定まとめ今回はブレーカの電圧測定方法について紹介しました。

テスターによる電圧確認は作業前、作業後に必要な作業になりますので、これから電気関係の仕事をしていく方、ぜひ覚えてください。

また、手間だからと言って、電圧を確認しない人は危ないですので、しっかりとテスターを使用しましょう。

シマタケ
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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シマタケ

共働きの子育て会社員。工場で15年間働く電気エンジニア。多数の国家資格を取得。施設や工場で働く方々が勉強できる、様々な悩みを解決できるサイトを目指しています。雑記記事も時々書きます。心理学を勉強中でメンタルケア心理士、行動心理士取得。

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