電気の知識

フロートスイッチ・フロートレススイッチとは?違いについて解説!

工場などで洗浄する工程や汚水処理施設、浄水施設などでは、水の流れを制御するために使う部品があります。

それがフロートスイッチやフロートレススイッチであり、水位制御に欠かせない部品です。

フロートスイッチやフロートレススイッチはレベルスイッチの一種で名前が似ていますが、それぞれ構造や水位制御の仕組みが異なっています。

今回は「フロートスイッチ」と「フロートレススイッチ」の違いを確認していきましょう。

レベルスイッチとは

槽やタンク内の液面の高さ(レベル、水位)を検出するセンサーのこと

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フロートスイッチとは

フロートスイッチとはフロートスイッチは、浮きの浮力を利用して、水位を制御するために使われる接触式の電気回路用のレベルスイッチです。

呼び方として、フロート式レベルスイッチ、フロートとも呼ばれており、種類は縦型や横型があります。

汚水処理施設、浄水施設ではフロートスイッチが多く使用されており、スイッチの数や高さは制御したい条件によって異なりますが、複数個のフロートスイッチをぶら下げる形で液面にたらします。

水位が上昇してくるとフロートスイッチ(浮き)の底面が液面の方向に傾いていき、水位が下がって水から出ると単にぶら下がった状態になります。

フロートスイッチが傾くことで接点のオン・オフを管理できるので、水位の状態が変化するにつれて電気回路を自動で制御できます。

フロートスイッチの使用例

シマタケ
小さい槽では1つのフロートでオンオフしている制御もありました。

フロートスイッチの特徴

フロートスイッチの特徴は以下になります。

メリット

・比較的安価
・昔から使用されている。
・電源が不要

デメリット

・ゴミや汚れで動作不良になる。
・液面が揺れると、検出が不安定になる。

フロートレススイッチとは

フロートレススイッチフロートレススイッチは、その名の通り、フロートを使用しないレベルスイッチです。

フロートを使用しないレベルスイッチには、上図の電極式の他に、静電容量式や振動式、差圧式など様々な種類があります。

一般的にフロートレススイッチと呼ばれるレベルスイッチは電極式を示していることが多いです。

フロートレススイッチ=電極式という理由について、推測なりますが、オムロンやパナソニックからフロートレス(なし)スイッチという商品が発売されています。

それらが電極式であることから、フロートレススイッチ=電極式というイメージが強いのだと考えられます。

シマタケ
私自身もフロートレススイッチ=電極式というイメージがあり、他のスイッチ(センサ)の場合はレベルセンサやその原理の名前、例えば静電容量式センサなどと呼んでいます。

フロートレススイッチ(電極式)

今回の記事ではフロートレススイッチの電極式について説明します。

電極式のレベルスイッチ(センサー)はフロートレススイッチとも呼ばれ、接触式のスイッチです。

具体的には、本体や電極保持器、コモン電極と検出電極の電極棒で構成され、電極間の抵抗値の変化を利用します。

本体は、電極保持器や電極棒から水位の状態を判断して、ポンプの運転や停止を切り替えます。

電極棒は長さの異なる複数本で成り立っており、電極保持器によって固定されています。

水位が上がるにつれて、長い電極棒から水面に触れていく仕組みです。

フロートレススイッチ(電極式)の特徴

フロートレススイッチの特徴は以下になります。

メリット

・比較的安価
・可動部がないので、メンテがやや楽

デメリット

・導電性の液体しか使用できない。
・油などの絶縁物の汚れに弱い。

フロートスイッチとフロートレススイッチ(電極式)の使い分け

フロートスイッチと電極式の使い分けについてですが、制御したい液体の種類によります。

フロートスイッチは液体の電気的特性に依存せず、安価ですので排水処理施設や浄化施設、汚水槽等で使用されます。

電極式は絶縁性の汚れに弱く、液体の電気特性の依存するため、受水槽などの水を制御する時に使用されます。

フロートスイッチやフロートレススイッチは清掃が必要

フロートスイッチやフロートレススイッチは、液体と直接触れる機器であるため、長期間経過すると汚れが目立ってきます。

汚れによって正確に動作しなくなると、電気回路の制御が正しく行われなくなり、ポンプの運転が正常に作動しなくなるケースも少なくありません。

たとえば、下水処理場ではフロートスイッチに直接汚水が触れるので、フロートスイッチに固形の汚れが付着しやすくなります。

そのため、定期的にホースから水を噴射して、汚れをきれいに落とす作業が必要です。

フロートレススイッチの場合も、同様に電極棒を掃除する必要があります。

また、フロートは汚れにかかわらず、内部部品の劣化によって機能しなくなるケースもあります。

その場合は、フロートを新しく交換する必要があります。

水位制御のトラブルはフロートスイッチやフロートレススイッチが原因になりやすいので、日ごろの点検で状態を確認しておくことが重要です。

シマタケ
私自身、フロートスイッチが故障して新品に交換した経験は結構あります。

まとめ:清掃に併せて点検も大切

今回はフロートスイッチとフロートレススイッチについて解説しました。

最後にもう一度整理します。

まとめ

・フロートスイッチはフロートの浮きを利用したスイッチ
・フロートレススイッチはフロートがないレベルスイッチ
・両方とも清掃することが大切。

私もフロートスイッチやフロートレススイッチの清掃したり、交換した経験したことがありますが、水を吹きかけるだけで復旧する場合があります。

工場内に排水処理施設がある方や浄水場や汚水処理場などの勤務を希望している方は、清掃の機会があることは知っておくとよいかもしれません。

また、清掃する時に併せて、点検を実施すると思いますが、他の制御部品についても理解する必要があります。

その時に機器同士の関連を電気図面で把握すると、設備全体の理解が深まります。

電気設備管理をスタートしたばかりであれば、点検の機会を通してフロートスイッチやフロートレススイッチ以外の部品にも目を向けるようにしてみてください。

シマタケ
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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シマタケ

共働きの子育て会社員。工場で15年間働く電気エンジニア。多数の国家資格を取得。施設や工場で働く方々が勉強できる、様々な悩みを解決できるサイトを目指しています。雑記記事も時々書きます。心理学を勉強中でメンタルケア心理士、行動心理士取得。

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