電気の知識

線間・対地間絶縁抵抗の測定方法を分電盤と制御盤の事例にて説明

今回の記事は絶縁抵抗計の測定方法になります。

下画像のHIOKIの絶縁抵抗計IR4051を使用しながら、説明していきたいと思います。
絶縁抵抗計_HIOKI_4051記事の文字数が多くなり、読みにくくなるため、測定時の印加電圧や判定基準、線間・対地間絶縁抵抗などについては別の記事で説明しています。

判定基準や線間、対地間という言葉を聞いて、何のことか分からない、覚えていない、不安に感じた方は、まずは「絶縁抵抗計って何?使い方・用途・測定電圧・判定基準について説明」をご覧になられると理解が深まるかと思います。

絶縁抵抗計って何?使い方・用途・測定電圧・判定基準について説明

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また本記事は動画版としてYouTubeにて動画を公開しております。

動画版が好みの方はYouTubeにてご覧ください。

シマタケ
設備の保全や電気設備を管理している方は、定期的に絶縁抵抗を計測したり、機器が故障した時に絶縁抵抗を調査したりすることがあります。

ぜひ一緒に勉強していきましょう!

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計器の各名称と機能について

絶縁抵抗計の構成まずは本体の説明、計器の各名称と機能についてです。

絶縁抵抗計は本体の絶縁抵抗計と測定箇所にあてるプローブ(テストリード)から構成されています。

※以下、プローブと呼んでいきます。

MEASYREキー

MEASUREキーMEASYREキーを押す又は引き起こすと絶縁抵抗測定を開始します。

MEASUREキー押すMEASYREキーを押している間、電圧が印加されます。

メジャーキー引き起した時MEASYREキーを引き起こしている場合は、手を離しても電圧が印加され続けます。

ロータリースイッチ

ロータリースイッチ「電圧測定」「抵抗測定」「絶縁抵抗測定」を切り替えることができます。

絶縁抵抗を測定するときは測定物に印加する電圧を選択することができ、この機種は50V、125V、250V、500V、1000V印加できます。

LIGHTキー

LIGHTキー画面のバックライトが点灯します。測定する場所が暗いときに使用すると画面が見やすくなります。

バックライト点灯前↑点灯前の画像です。

↓点灯後の画像です。

バックライト点灯

シマタケ
画像では数値が見えにくいですが、実際の表示は見やすいです。

PELEASEキー

リリースキー500Vまたは1000Vセット時に間違って印加するのを防ぐために測定前に押します。
リリースキー点滅絶縁抵抗測定時の印加電圧を500Vまたは1000Vにセットすると点滅します。

0Ωアジャストキー

今回の機種は低抵抗を測定できます。

低抵抗を測定するときはプローブの配線抵抗を無視するために測定前に0調整します。

活線警告表示

活線警告表示測定する端子に電圧が印加されているときに表示されます。

実際に電圧がかかっている部分にプローブを接続すると点灯します。

実演_活線警告表示ブレーカーをOFFし忘れて、活線のまま測定しそうになったときに役立ちます。

EARTH端子

EARTH端子黒色のプローブを接続します。

黒色プローブ接続

LINE端子

LINE端子赤色のプローブを接続します。
赤色プローブ接続

COMPキー

COMPキー絶縁抵抗測定の判定結果を変更できます。
絶縁抵抗値設定画面

表示部

表示部測定値、判定結果、電池残量など表示します。

グレードが上でもっと高価な機種になると表示される内容や機能が増えます。

今回はHIOKI IR4051で説明いたしましたが、他のメーカーでも似たような機能や操作性となっています。
詳細は各メーカーの説明書をご覧ください。

始業前点検の方法

絶縁抵抗計の始業前点検手順テスターの始業前点検と似た内容となります。

step
1
電池の残量確認

始業前点検_導通確認電池の残量を確認します。

電池がないと測定できません。

step
2
プローブの外観確認


始業前点検_プローブ損傷確認プローブの確認として、ケーブルの損傷や変形がないか確認します。

損傷している場合は感電の恐れがありますので、注意です。

step
3
プローブの接続


始業前点検_プローブ接続完了黒色のプローブをEARTH端子、赤色のプローブをLINE端子に接続します。

step
4
導通確認


始業前点検_プローブ接続ロータリスイッチを絶縁抵抗に設定し、赤色と黒色のプローブを短絡させ、MEASYREキーを押します。

0MΩが表示されると正常です。
始業前点検_導通確認0MΩが表示されない場合はプローブが端子にしっかり挿し込まれていない、または断線の可能性があります。

シマタケ
手間だと感じるかもしれませんが、しっかり使用前に点検しましょう。

測定前の準備

始業前点検が終わりましたら、絶縁抵抗を測定するための準備をしていきます。

測定前の準備

・ブレーカーOFF

・測定電圧の設定

ブレーカーのOFF

活線状態では測定できない為、ブレーカーをOFFにします。

もし、活線状態で測定すると、測定対象の回路に故障を引き起こす可能性があります。

活線で測定されても絶縁抵抗計が故障しないように設計されているかもしれませんが、電圧がOFFの状態で測定します。

ブレーカーをOFFにしたあとは検電器またはテスターで電圧を測定します。

測定電圧の設定

定格測定電圧 使用例
25V/50V 電話回線用機器、電話回線電路の絶縁測定
100V/125V 100V系の低電圧配電路および機器の維持・管理
制御機器の絶縁測定
250V 200V系の低電圧配電路および機器の維持・管理
500V 600V以下の低電圧配電路および機器の維持・管理
600V以下の低電圧配電路の竣工時の検査
1000V 600Vを越える回路および機器の絶縁測定
常時使用電圧の高い高電圧設備(例えば、高圧ケーブル、高電圧機器、   高電圧を用いる通信機器および電路)の絶縁測定、太陽電池アレイ

出典:JIS C 1302-2018絶縁抵抗計 解説より

測定電圧は内線規程や日本産業規格に記載されています。

上の表は日本産業規格(JIS C1302)にかかれている使用例です。

測定電圧を間違えると、電気機器が故障する恐れがありますので注意する必要があります。

中には絶縁抵抗測定禁止の回路、負荷がつながっていない回路を測定する時は500V印加、100V回路で負荷がある場合は125Vではなく、50Vを印加するなど各会社のルール、現場での指示がある場合はそちらに従います。

シマタケ
私が絶縁抵抗を測定するとき、100V回路は125V、200V回路は250Vを印加しています。

線間絶縁抵抗と対地間絶縁抵抗の測定方法

線間絶縁抵抗と対地間絶縁抵抗の違い

この部分では大まかな測定方法を説明してき、具体的な測定方法は後程の事例部分で紹介していきます。

線間絶縁抵抗

線間絶縁抵抗の測定方法線間絶縁抵抗が劣化すると、短絡状態になりますので、短絡状態になっていないか確認するために各相間の絶縁抵抗を測定します。

単相2線式の場合はL-N間 の1か所を測定

実演_分電盤線間絶縁抵抗測定

分電盤でも制御盤でも同じです。

三相3線式の場合はR-S間、S-T間、T-R間 の3か所盤内対地間絶縁抵抗測定3相修正

対地間絶縁抵抗

対地間絶縁抵抗の測定方法対地間絶縁抵抗が劣化しますと、地絡状態になりますので、地絡状態になっていない確認するために接地と各相の全ての組み合わせを測定します。

単相2線式はL-E間、N-E間 の2か所
実演_分電盤対地間_L-E間

もう片側も測定します。実演_分電盤対地間_N-E間三相3線式はR-E間、S-E間、T-E間 の3か所を測定します。
実演_制御盤対地間_測定風景実際の測定では線間絶縁抵抗は建物の竣工時やブレーカー増設時などに測定し、現場で漏電が発生した時は対地間絶縁抵抗を測定する場合が多いです。

シマタケ
私はどちらかと言えば、対地間絶縁抵抗を測定する機会の方が多いです。

絶縁抵抗測定時の注意点

注意ポイント

・活線の状態で測定しない。

・測定中は測定対象物に手を触れないにします。
また、近くにある充電部に手や計器のプローブが触れないように気を付ける。

・絶縁保護具(手袋)を着用します。

・必要以上の電圧を印加しない。
⇒半導体などが使用されている弱電回路(基板)は高い電圧によっては、故障することもあります。
可能であれば取り外し、取り外しが困難であれば低い電圧を印加します。

・温度や湿度によって絶縁抵抗の値が変化します。
⇒判定基準の値に近い場合は注意です。

・測定後、すぐに測定箇所に触らない。
⇒測定部に充電された電荷で感電する恐れがあります。

事例1 屋内配線回路の絶縁抵抗測定方法

屋内配線として、実際に用意することが難しかったので、今回はこのような回路↓で実演していきます。絶縁抵抗測定用屋内配線回路

下図は配線図を拡大した図面になります。

屋内配線回路_例配線はVVFではなくてKIVです。

またブレーカー容量や電線サイズは、その場にあった部材を使用しましたので仕様に関しては気にしないでください。

左側が制御盤(分電盤)側で右側が負荷になります。

負荷の電球はスイッチでON・OFFでき、コンセントはずっと100Vが供給されています。

絶縁抵抗測定用屋内配線回路-3今回はコンセントにドライヤーを接続します。
絶縁抵抗測定用屋内配線回路-4

線間絶縁抵抗

step
1
電源OFF


絶縁抵抗測定用屋内配線回路-5ブレーカーをオフにします。

step
2
電源確認


絶縁抵抗測定用屋内配線回路-10テスターで電圧が0Vになっていることを確認します。

step
3
負荷の取り外し

絶縁抵抗測定用屋内配線回路-6
線間絶縁抵抗を測定するときは、接続されている全ての負荷(電気機器)を取り外します。今回の場合は電球を取り外して、ドライヤーをコンセントから外します。

スイッチから電球までの配線の絶縁抵抗を測定したいため、スイッチは入れたままにしておきます。

step
4
測定電圧の設定

絶縁抵抗測定用屋内配線回路-7測定電圧を設定します。今回の場合は日本産業規格に基づき、100V回路ですので125Vにします。

step
5
プローブの接続


絶縁抵抗測定用屋内配線回路-8絶縁抵抗計のプローブを接続します。

線間絶縁抵抗を測定するとき、EARTH端子側は、ワニ口クリップではなく、通常のプローブを使用と測定しやすいです。

絶縁抵抗測定用屋内配線回路-9
赤色のプローブと黒色プローブがありますが、入れ替えても問題ありません。
絶縁抵抗測定用屋内配線回路短絡-3

step
6
絶縁抵抗測定


絶縁抵抗測定用屋内配線回路-11measureキーを押します。

絶縁抵抗値が表示されます。
絶縁抵抗測定用屋内配線回路-12今回の機種では測定電圧が125Vの場合、有効最大表示値は250MΩです。

250MΩ横の記号が>(大なり、より大きい、グレーターザン)になっていますので、250MΩ以上という結果です。

判定基準は下の表のように電気設備技術基準 省令3章第58条「低圧の電路の絶縁性能」に示されています。

電路の使用電圧の区分 絶縁抵抗値
対地電圧(接地式電路においては電線と大地との間の電圧、非接地式電路においては電線間の電圧をいう)が150V以下の場合 0.1MΩ以上
その他の場合 0.2MΩ以上
300Vを超えるもの 0.4MΩ以上

出典:電気設備技術基準 第3章 第1節 58条より

今回の値は問題ありませんでしたが、もし基準値に近い場合は注意する必要があります。

step
7
測定対象を放電

絶縁抵抗測定用屋内配線回路-13測定後は印加した電圧が残っている可能性があるので危険です。放電します。

特に、絶縁抵抗値が安定するまでに時間がかかった場合、容量成分が多い可能性が高いので、放電操作が必要です。

なお今回の絶縁抵抗計には、放電機能が備わっています。

TESTボタンを離すと、絶縁抵抗計の内部ですぐに抵抗に接続され、放電されますのでプローブは測定対象物に付けたままにします。

step
8
測定前の状態に戻す

8.絶縁抵抗測定が終了すればブレーカー、配線などをもとに戻す。

模擬的に短絡

絶縁抵抗測定用屋内配線回路短絡-1↑赤色の配線を使用して、電源ラインを模擬的に短絡してみます。
絶縁抵抗測定用屋内配線回路短絡-2もし線間が短絡している場合は絶縁抵抗が0MΩになります。

シマタケ
この場合は配線をやり直す必要があります。

対地間絶縁抵抗

step
1
電源OFF


絶縁抵抗測定用屋内配線_対地間-1ブレーカーをオフにします。

step
2
電源確認


テスターで電圧が0Vになっていることを測定します。

step
3
負荷の接続


絶縁抵抗測定用屋内配線_対地間-2対地間絶縁抵抗を測定するときは、接続されている全ての負荷(電気機器)を使用状態にしておきます。

忘れずにスイッチも入りの状態です。

step
4
測定電圧の設定


絶縁抵抗測定用屋内配線_対地間-3測定電圧を設定します。線間絶縁抵抗と同じく、125Vにします。

step
5
プローブの接続


測定用屋内配線_対地間-4絶縁抵抗計のプローブを接続します。

線間絶縁抵抗ではどちらの色のプローブを接続しても問題ありませんでしたが、対地間絶縁抵抗ではEARTH端子を接地側、LINE端子を相側に接続します。

EARTH端子は接地に接続したまま、各相を測定するので、EARTH端子側は、ワニ口クリップを使用すると便利です。

絶縁抵抗測定用屋内配線_対地間-5今回は端子台が狭いので、ワニ口ではなく、ピン型のプローブで接続します。

ポイント

EARTH端子を確実に接地(アース)に接続する必要がありますので、LINE端子をEARTH端子とは別の場所の接地(アース)にあててしっかり接続されているか確認します。

絶縁抵抗測定用屋内配線_対地間-6

0MΩに表示されればしっかりと接続がとれていることがわかります。
絶縁抵抗測定用屋内配線_対地間-7

盤内のアース端子のボルト部分が錆びていたり、塗料が塗ってあったりすると、アースに正しく接続されないことがありますので、注意です。

step
6
絶縁抵抗測定


絶縁抵抗測定用屋内配線_対地間-8measureキーを押す。

絶縁抵抗値が表示されます。

絶縁抵抗測定用屋内配線_対地間-9250MΩ以上という結果で、問題ない値です。

step
7
測定対象を放電


先ほどと同じく放電させます。

なお、今回の絶縁抵抗計には、放電機能が備わっています。

プローブはしばらく測定対象物に付けたままにします

step
8
測定前の状態に戻す


絶縁抵抗測定が終了すればブレーカー、配線などをもとに戻す。

模擬的に地絡

絶縁抵抗測定用屋内配線_対地間地絡-1電源ラインの片側の配線を接地の配線と模擬的に地絡してみます。

上図のように地絡している場合は絶縁抵抗が0MΩになります。

事例2 モーター回路の絶縁抵抗測定方法

注意ポイント

モーターの前段にインバータが接続されている場合は、インバーターを取り外して測定する必要があります。
モーター回路線間絶縁抵抗-1

インバーターに測定電圧が印加されると、故障する恐れがあります。


モーター回路線間絶縁抵抗-2今回は上の画像のような単純な回路で実演していきます。

回路は下の画像になります。
モーター回路配線図_例

線間絶縁抵抗

step
1
電源OFF

モーター回路線間絶縁抵抗-3ブレーカーをオフにします。

step
2
電源確認

モーター回路線間絶縁抵抗-4テスターで電圧が0Vになっていることを測定します。

step
3
モーターの取り外し

モーター回路線間絶縁抵抗-5線間絶縁抵抗を測定するときは、モーターを外します。

モーターは内部で接続されているので、このまま測定すると0MΩになります。
モーター回路線間絶縁抵抗-7

step
4
測定電圧の設定

モーター回路線間絶縁抵抗-8測定電圧を設定します。

今回の場合は日本産業規格に基づき、200V回路を想定していますので250Vにします。

step
5
プローブの接続

絶縁抵抗計のプローブを接続します。

線間絶縁抵抗を測定するとき、EARTH端子側は、ワニ口クリップではなく、通常のプローブを使用と測定しやすいです。

赤色のプローブと黒色プローブがありますが、入れ替えても問題ありません。

step
6
絶縁抵抗測定

モーター回路線間絶縁抵抗-9measureキーを押す。

絶縁抵抗値が表示されます。

測定電圧が250Vの場合、有効最大表示値は500MΩです。

横の記号が>(大なり、より大きい、グレーターザンになっていますので、500MΩ以上という結果です。

step
7
測定対象を放電

測定対象を放電します。

今回の絶縁抵抗計には、放電機能が備わっています。

プローブはしばらく測定対象物に付けたままにします。

step
8
測定前の状態に戻す

絶縁抵抗測定が終了すればブレーカー、配線などをもとに戻します。

模擬的に地絡

モーター回路線間絶縁抵抗短絡-1同じようにここでも模擬的に短絡してみます。

短絡した配線間の絶縁抵抗測定を測定すると0MΩになります。

モーター回路線間絶縁抵抗短絡-2

短絡していない線間を測定してみます。
モーター回路線間絶縁抵抗短絡-5500MΩ以上で問題ない値です。

対地間絶縁抵抗

step
1
電源OFF

モーター回路対地間絶縁抵抗-1ブレーカーをオフにします。

step
2
電源確認

モーター回路対地間絶縁抵抗-2テスターで電圧が0Vになっていることを測定します。

step
3
測定電圧の設定

モーター回路対地間絶縁抵抗-3測定電圧を設定します。線間絶縁抵抗と同じく、250Vにします。

step
4
プローブの接続

モーター回路対地間絶縁抵抗-4絶縁抵抗計のプローブを接続します。

線間絶縁抵抗ではどちらの色のプローブを接続しても問題ありませんでしたが、対地間絶縁抵抗ではEARTH端子を接地側、アース、LINE端子を相側に接続します。

ポイント

EARTH端子を確実に接地(アース)に接続する必要がありますので、LINE端子をEARTH端子とは別の場所の接地(アース)にあててしっかり接続されているか確認します。

絶縁抵抗測定用屋内配線_対地間-6

0MΩに表示されればしっかりと接続がとれていることがわかります。
絶縁抵抗測定用屋内配線_対地間-7

盤内のアース端子のボルト部分が錆びていたり、塗料が塗ってあったりすると、アースに正しく接続されないことがありますので、注意です。

今回はワニ口で挟みにくいので、ピン型のプローブのまま測定します。

電磁開閉器の二次側の端子またはモーターに接続されている端子台に赤色のプローブを1相づつ順番に当てていきます。

メモ

もしかしたら回路のどこかに断線箇所があることが考えられますので、3相とも測定するのが良い。

 

step
5
絶縁抵抗測定

measureキーを押すと絶縁抵抗値が表示されます。

まずはU-E間から測定します。

モーター回路対地間絶縁抵抗-5モーター回路対地間絶縁抵抗-6

VーE間

モーター回路対地間絶縁抵抗-7W-E間

モーター回路対地間絶縁抵抗-8どの相も500MΩ以上という結果でした。

モーターの内部でそれぞれの配線はつながっているので基本的には3相とも絶縁抵抗の値は同じ数字になります。

step
6
測定対象を放電

測定対象を放電

step
7
測定前の状態に戻す

絶縁抵抗測定が終了すればブレーカー、配線などをもとに戻す。

模擬的に地絡

モーター回路対地間絶縁抵抗-9模擬的に地絡してみます。

モーター回路対地間絶縁抵抗_地絡-1もし、このように地絡している場合は絶縁抵抗が0MΩになります。

モーター回路対地間絶縁抵抗_地絡-2モーターの修理または新品との交換が必要です。

まとめ:絶縁抵抗計の測定方法

絶縁抵抗測定まとめ今回は絶縁抵抗計の使用方法について紹介いたしました。

絶縁抵抗を測定するときは、線間絶縁抵抗、対地間絶縁抵抗のどちらを測定したいのか、何Vを印加しなければいけないか測定前に確認してから測定します。

また、始業前点検の実施や保護具の着用を忘れずに行います。

絶縁抵抗の測定は電気工事屋さんではなくても、工場などで設備の保全や電気設備の管理を担当されている方は、点検時やトラブル対応時に使用することがありますので、ぜひ使い方を覚えてみてください。

シマタケ
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考文献・サイト

日本産業規格(JIS C1302)

電気設備技術基準

内線規程

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シマタケ

共働きの子育て会社員。工場で15年間働く電気エンジニア。多数の国家資格を取得。施設や工場で働く方々が勉強できる、様々な悩みを解決できるサイトを目指しています。雑記記事も時々書きます。心理学を勉強中でメンタルケア心理士、行動心理士取得。

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