シマタケ(@shimatake_117)です。
電気設備管理の仕事は点検や故障対応以外にも重要な作業があります。
それは制御盤の清掃です。
一般的な部屋などの清掃とは異なり、電気が流れている場所ならではの注意点があります。
今回は電気制御盤の清掃方法と注意点を確認していきます。
制御盤を清掃する理由
制御盤を清掃せずに放置していると、制御盤内での「ほこり」が堆積されます。
「ほこり」が堆積すると熱がこもり、部品の性能低下や寿命低下をまねきます。
また、「ほこり」による短絡が発生し、故障につながる可能性もあります。
それらを防ぐためにも清掃は必要な作業です。
短絡とは電圧差がある部分が「ほこり」でつながり、過度な電流が流れてしまうことです。
私自身、清掃が全くされていない屋外の制御盤で基盤が短絡した経験があります。
清掃は地味で面倒だと感じますが、大切な作業だと痛感しました。
制御盤は設置場所や設置状態により年に一度しか掃除できない場所もあります。
隠れたところで短絡を起こさないよう、丁寧に掃除をしなければなりません。
それでは実際にどのように清掃するのか実体験を交えて清掃方法を紹介していきます。
制御盤の清掃方法と注意点
屋外、屋内など制御盤の設置環境によって使用する清掃道具や清掃方法は様々です。
清掃をしながら制御盤内外に異常がないか、点検も併せて行いましょう。
清掃方法
step
1制御盤の電源をオフ
制御盤の電源を落とせる場合は、電源をオフにしましょう。
通電していない状態が安全でベストです。
私の経験として、電気制御盤の電源をに切って作業を行う時、カラーのビニルテープの目印が張ってある場所などを見かけます。
そんな場合は同僚にその意味を聞いたり、図面で確認したりすることを心がけています。
案の定、そこだけは電気が切れていないことがありました。
制御盤内へ複数の電源が供給されている場合がありますので、電源オフ後はテスターで確認しましょう。
step
2制御盤外の確認
制御盤の外面の汚れを確認します。
屋外の制御盤は太陽の光や雨風により、塗装の剥がれ、錆が発生していることがあります。
また、水の浸入防止用のパッキンが劣化していることもあります。
トラブルにつながりますので、しっかり確認することが必要です。
クモの巣が付いていることが多いので、取る準備をします。
step
3制御盤内の確認
制御盤内の汚れを確認します。
「ほこり」が多い場所として制御盤の下面角などの隅っこや空気が入り込んでくる部分が挙げられます。
他には基盤で回路が露出している場所、端子台などの電線が接続されているネジとネジの間を確認していきます。
step
4制御盤外の清掃
制御盤の前面はウエスなどで清拭していきます。
錆や塗装剥がれがあり、錆止めや塗料を持っている場合は補修します。
step
5制御盤内の清掃
制御盤の電源をオフにできない場合は、カバーがない端子部分で感電しないように注意しながら清掃してください。
また、ブレーカーのテストボタンを誤って押さないように注意してください。
清掃道具は時と場合により使い分けましょう。
清掃道具
・はけ(金属が付いていないモノ)
・ウエス
・エアースプレー
・掃除機
・ブロワー
具体的な例として、小型送風機のブロワーです。
ブロワーはほこりを吹き飛ばしやすく便利な機器です。
しかし、ほこりをまき散らす可能性があるのでクリーンルームにある制御盤や電子基板がたくさん設置されている制御盤の清掃には適していません。
逆に周囲を汚してしまったり、基盤に付着させる可能性があります。
ブロワは屋外の制御盤の清掃に向いていると思います。
ブロワーやエアスプレーを使用する際の注意点として、吹きかけた後に満足して扉をすぐに占めてしまいがちなのですが、舞い上がったほこりが再び盤の中で積もってしまいます。
しばらく開けたままにする必要があります。すぐに扉を閉めないように注意しましょう。
私もよく閉めてしまいがちでした。
ブロワーで取り切れない「ほこり」は、はけや切れにくいウエスなどで対処します。
step
6目視確認
清掃後はやり残しがないか、部品は外れていないか、ブレーカーがオフになっていないか、確認します。
制御盤内にウエスやはけを置き忘れていないか確認しましょう。
清掃は地味な仕事だけど大切
制御盤の清掃は目立つ仕事ではなく、蛍光灯の交換と同じくらい地味です。
退屈で面倒だと感じますが、部品の劣化や短絡事故を防ぐために大切な仕事です。
手を抜くことがないようにしっかりと掃除をしましょう。
面倒と感じたときは今回の清掃する意味と注意事項を思い出してください。
ご安全に!