腕時計や電卓などのボタン(コイン)電池が切れた時に、形も大きさが似ているので、間違って購入した経験はありませんか?
乾電池は単1、単2、単3と数字が大きくなるにつれて小さくなっていくので理解しやすいですが、ボタン(コイン)電池はLR44やCR2032、SR44Wなどと分かりにくい型番になっています。
今回はそんな分かりにくい「ボタン電池の種類」と「型番の意味」を説明していきます。
この記事を終わると型番の意味を理解することができて、頭の中がスッキリします。
目次
ボタン電池の種類
上図の電池は洋服のボタンのように平らな形状であることから、ボタン電池と呼ばれています。
ボタン電池はボタン型電池、コイン電池、コイン型電池とも呼ばれています。
種類としてはアルカリボタン電池(LR)、酸化銀電池(SR)、リチウムコイン電池(CR)、空気亜鉛電池(PR)があります。
アルカリボタン電池(LR)
アルカリボタン電池(LR)の電圧は1.5Vです。
用途として、時計、電卓、歩数計、仮面ライダーの玩具など、幅広い小型機器で使用されています。
値段は安くて経済的ですが、使用していると電圧が徐々に低下していきます。
酸化銀電池(SR)
酸化銀電池(SR)の電圧は1.55Vです。
特徴として、寿命まで電圧が安定していることから腕時計や電子体温計、血糖値計、デジタルノギスなどの精密機器に使用されます。
アルカリボタン電池(LR)より優れているため、価格が高く、2倍以上します。
リチウムコイン電池(CR)
リチウムコイン電池(CR)の電圧は3Vです。
アルカリボタン電池や酸化銀電池より電圧が高く、長時間の使用に適しています。
用途として、電子辞書、車のキーレスやスマートキー、薄いカード型のリモコン、炊飯器のタイマーなどに使用されます。
空気亜鉛電池(PR)
空気亜鉛電池(PR)は空気電池と呼ばれることがあり、電圧は1.4Vです。
他の電池と異なる点として、シールを外してから使用します。
主に補聴器などに使用されています。
ボタン電池の型番の意味
型番は各社が好き勝手に付けているわけではありません。
それぞれルールがあります。
アルカリボタン電池と酸化銀電池の型番について
1番最初の文字は電池系の記号を表し、「S」が酸化銀電池、「L」がアルカリボタン乾電池です。
2番目の文字「R」は円筒型の形状を表します。
最後の数字は寸法を表し、固有の寸法が規格化されています。
上図のLR44の「44」は外径11.6mm、高さ5.4mmを表します。
リチウムコイン電池の型番について
LRとSRの違いについて
アルカリボタン電池(LR)は酸化銀電池(SR)と互換性がありますが、アルカリボタン電池(LR)は酸化銀電池(SR)の廉価版になります。
アルカリボタン電池(LR)を使用していた場合は酸化銀電池(SR)も使用可能ですが、金額が2倍以上するので経済的ではありません。
また、酸化銀電池(SR)を使用していた機器にアルカリボタン電池(LR)を使用するにはオススメできません。
理由としては酸化銀電池(SR)を使用していた機器は安定した電圧が必要な精密機器が多いからです。
注意事項:捨てる時はテープを貼ること
記事の内容から少し話がそれますが、ボタン・コイン電池を捨てる時は、そのまま捨ててはいけません。
テレビニュースでも取り上げられたことがありますが、複数の電池をそのまま捨てたことにより、電池の+極と-極が接触してしまい、短絡して発火した事例がいくつかありました。
捨てる時は電池にテープを貼るなどして絶縁する必要があります。
まとめ:意味を知れば分かりやすい
今回はボタン電池・コイン電池について説明いたしました。
まとめ
・アルファベットは電池の種類と形状を表す。
・数字は寸法を表す。
ボタン・コイン電池は種類がたくさんあるため、型番だけ見ると分かりにくいですが、実際には共通の決まったルールがあります。
型番の意味を理解すると少しは分かりやすくなったと思います。