操作用スイッチの種類、接点構成、動作方式を理解していますか?
最近はタッチパネルを使用することが多く、昔と比べて操作用スイッチを使う頻度が減ってきました。
しかし、重要なスイッチはタッチパネルを使用せずに別に設置するなど、機械を操作させるためのスイッチは必要な部品です。
たかがスイッチかもしれませんが、接点構成や動作方式を理解しておく必要があります。
なぜなら、新米のころの私はa接点とb接点のスイッチを間違って購入してしまい、意図した回路にならなかった経験があります。
そんな私ですが、今では自分で設計したり、後輩に教える立場にいます。
過去の私みたいに間違えないよう、今回の記事で操作用スイッチの種類や機能の理解していきましょう。
動画でも説明しています。
目次
操作用スイッチの種類

今回は工場やビルに設置されている設備や制御盤によく使用される押しボタンスイッチとセレクタスイッチについて説明していきます。
押しボタンスイッチ

通常は自動復帰接点(モーメンタリー動作)が用いられます。
また、押しボタンスイッチの色には意味合いがあり、JISなどの規格で決められています。
セレクタスイッチ(切替スイッチ)

通常は保持形接点を用います。
スイッチの機能_接点の構成について
操作用スイッチの機能として、接点の開閉動作により、電気が流れたり、止まったりすることができます。
その接点の種類はa接点、b接点、c接点があります。
a接点

メーク接点またはノーマリーオープン接点(NO:normally open、常開)とも呼ばれます。
例:押しボタンスイッチの場合


b接点

通常は閉じており、操作指令が入ると、接点が開きます。
ノーマリークローズ接点(NC:normally close、常閉)とも呼ばれます。
例:押しボタンスイッチの場合

自己保持回路をリセットするためのスイッチや、非常停止スイッチに使用します。
IDEC製の押しボタンスイッチの場合、ピンク色の部品になっており、NCと記載されています。
c接点

トランスファ接点、切り換え接点とも呼ばれています。
通常はb接点がつながっており、操作指令が入るとa接点がつながり、b接点がはなれます。
スイッチの接点構成の表し方
スイッチは接点の種類を「a、b、c」接点数を「1、2、3など」数字で表します。
接点構成の例
・1a:a接点が1つのスイッチ
・2b:b接点が2つのスイッチ
・1a1b:a接点が1つ、b接点が1つのスイッチ
1a1bのスイッチの接点構造は下記のイメージです。
接点の動作方式
操作用スイッチは操作したときの接点状態の違いから「自動復帰接点(モーメンタリー動作)」「残留接点(オルタネイト動作)」「保持形接点」の3つに分類できます。
自動復帰接点(モーメンタリー動作)

身近な例として玄関にある呼び鈴スイッチやゲームセンターにあるクレーンゲームの操作スイッチが挙げれます。

残留接点(オルタネイト動作)

操作部分は自動復帰形で、接点は保持形のスイッチと覚えると良いです。
長時間、状態を保持したい場合に使用します。
身近な使用例として懐中電灯の電源スイッチやテレビの主電源スイッチが挙げられます。

保持形接点

トグルスイッチやセレクタスイッチがその例です。
ただし、トグルスイッチやセレクタスイッチにはモーメンタリー動作(操作をしても手を離すと元に戻る)タイプもありますので注意する必要があります。
まとめ:スイッチを使用するにあたり
スイッチは見た目はシンプルで機能もオン・オフと単純な部品ですが、大きさ、環境性能、接点構成、接点動作など様々な組み合わせがあります。
用途に適したスイッチを選びましょう。
また、図面や回路をみるときは接点構成や接点動作に注意しましょう。

