こんな方におすすめ
- はんだごての正しい使い方を知りたい方
- はんだを綺麗につけるコツを知りたい方
- はんだ不良による設備異常を直したい方
基板に抵抗やコイルなどの電子部品や配線を接続するときは「はんだ」を「はんだごて」で溶かして接続します。
この「はんだ」による接続が不十分のことを「はんだ不良」と呼び、はんだ不良があると、機器が突然動かなくなることがあります。
私の経験として、現場から設備が動かなくなったと連絡があり、原因を調査したところ「はんだ不良」だったことが何度があります。
はんだ不良が発生する設備として、コネクタ接続されている小型の設備が多いです。
メーカーから購入した機器が突然動かくなり、はんだ不良を見ると「手抜きだったのかな?」と悲しくなります。
そんな「はんだ不良」に対応するめに、今回の記事では「はんだごての使い方とコツ」を紹介していきます。
目次
良いはんだ付けと悪いはんだ付けの違い
冒頭で紹介したとおり、悪いはんだ付けは接触不良や配線外れの要因となります。
トラブルの原因とならないように、「良いはんだ」と「悪いはんだ」を確認しておきましょう。
良いはんだと悪いはんだは見た目で判断します。
良いはんだとは
良いはんだとは写真のような状態です。
以下のような特徴があり、悪いはんだと比較すると電気が良く流れやすいです。
- はんだの表面が凸凹していない。
- 部品の足や配線がしっかりくっ付いている。
- 中心が富士山の形をしている。
はんだ部分に自分の顔が写ったら最高の仕上がりと言われましたが、そんなに光沢がでるのか疑問です。
悪いはんだとは
悪いはんだは上の写真のような状態です。
以下の特徴があります。
写真の状態と照らし合わせて確認してみて下さい。
- はんだがしっかり付いていない(写真1)
- はんだが焦げている(写真2)
- はんだの量が少ない(写真3)
- 隣のはんだとくっ付いている(写真4)
写真1のこんもりしている悪い状態のはんだを「イモはんだ」と呼ばれています。
イモはんだは熱不足や加熱しすぎが要因であり、接着強度が弱いことがありますので注意しましょう。
はんだ作業はやり直しができますので、はんだ付けに失敗した場合は、そのままにぜずにやり直しましょう。
はんだごての正しい使い方
はんだ付けするために必要な工具と部材は以下になります。
必要な工具と部材 | |
1 | こて台(スタンド) |
2 | はんだごて |
3 | はんだ |
安全に作業するために「こて台」は準備しましょう。
step
1必要な工具とはんだ付けする部材の用意
はんだ付けする部品や基板、上記表の工具も準備します。
こて台や部材は作業しやすい位置に置きましょう。
step
2スポンジを濡らす
こて台のスポンジを水で濡らします。
コツとしてスポンジにはたっぷり水を含ませるのではなく、水が垂れてこない程度が良いです。
スポンジが水が垂れるほどに濡れていると、はんだごての先端を清掃するときにこて先が大きく温度低下しますので注意。
step
3はんだごての電源を入れる
工具や部材が全部そろい、スポンジを湿らせてたら、はんだごての電源を入れます。
コードが短いギリギリの状態で作業するとはんだごてが落下したり、動いてしまい危険です。
コードが短い場合は延長コードを使用しましょう。
電源を入れてからはんだごてが温まるまで2~3分ほど待ちます。
step
4こて先を清掃する
こて台のスポンジでこて先を清掃します。
先端が黒かったり、以前使用した時のはんだが残っていることがあります。
一回のはんだで下ようにスポンジが汚れます。
こて先が汚れている場合はキレイなはんだ付けができません。
スポンジできれいにしたはんだごての先端は温度が下がるので、少し待ちましょう。
step
5部品を温める
部品のはんだ付けをする部分を約4秒ほど温めます。
熱が全体に伝わりやすいように先端を立てるのではなく、寝かせましょう。
このあたためる時間と全体が温めることが綺麗なはんだ付けになるポイントです。
温めすぎないように注意です。
step
6はんだを溶かす
はんだをはんだごての先端にそーっと当てます。
はんだごての先端に当てると、はんだがドロドロと溶けていきます。
step
7はんだを離す
はんだが富士山の形になったところで、はんだをソーっと離します。
step
8はんだごてを離す
はんだを離したあとに、はんだごてを離します。
step
9部品の足をカット
今回の抵抗などのような部品は足をニッパーでカットします。
カットするときは「あし」がどこかに飛んでいなないように、手で押さえるか、下向きにしてカットしましょう。
以上がはんだ付けの作業となります。
配線をはんだ付けする方法
配線と基板や鉄板などをはんだで接続する場合は、最初に配線の電線(銅線)部分にはんだを付けましょう。
この作業を「予備はんだ」と言います。
基本的なはんだ付けの手順は部品を取り付ける時と同じです。
配線の被覆が焦げないように注意しましょう。
配線にはんだ付けしなくても接続することは可能ですが、予備はんだ作業をした方が基板や鉄板にくっつける時に作業が楽になります。
配線にはんだ付けするときは写真のようなバイスで固定するとはんだごてを当てやすいです。
取れた配線を部品にはんだ付けする方法
取れた配線を再度接続するために、はんだの量が多いか、少ないかで対応が変わっています。
配線にたっぷりとはんだが付いている場合は、ニッパーで配線を切断して、再度ワイヤストリッパーなどで被覆を剥くのが良いです。
少ない場合は、配線側ではなく、接続する部分にはんだを追加しましょう。
写真の場合は配線もスピーカーもほどよいはんだの量なので、そのままはんだごてを当てて接続させます。
玩具のスピーカー交換でははんだ付け作業が必要です。
参考にしたい方はコチラの記事になります。
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戦隊モノや仮面ライダー変身ベルト玩具の音が鳴らない時の修理方法
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参考:はんだごての先端
一般的に販売されている「はんだごて」の先端は鉛筆型です。
DIYなどで使用する場合は特に気にすることはありませんが、鉛筆型は接触面が点になるため、熱が加わりにくいです。
そんなときは先端を交換したり、最初から先端が変わっている「はんだこて」を選びましょう。
セラミックヒーターの為、温度が早く上がり、すぐにはんだ付け可能です。
まとめ:上手にはんだ付けするために
今回ははんだ付け作業の説明とキレイにはんだ付けをするためのコツを説明させていただきました。
キレイなはんだは見た目だけでなく、接触不良などを発生させないためにも大事なことです。
設備や玩具の補修では「はんだ付け作業」が必要になるケースがあります。
知っておくと役に立ちますので、今回の内容を覚えて頂けると嬉しいです。