電気の知識

表裏一体の関係で混乱?ゼーベック効果とペルチェ効果の違いを解説!

ゼーベック効果とペルチェ効果の違い

熱電効果とは、電気・熱エネルギーの可逆変換作用として知られています。

代表的な現象がゼーベック効果とペルチェ効果です。

名前は聞いたことがあるけれど、2つの違いがよくわからないという方もいるのではないでしょうか。

また、ゼーベック効果とペルチェ効果は表裏一体の関係であるため、電験三種の勉強をしている方は2つの効果の違いに混乱しませんか?

私は覚えるのに苦労した経験があります。

そこで、今回はゼーベック効果とペルチェ効果の違いを説明していきます。

一緒に勉強していきましょう。

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ゼーベック効果とペルチェ効果の違いは?

ペルチェ素子と熱電対最初に結論として、ゼーベック効果とペルチェ効果の違いは現象が発生するときの要因です。

ゼーベック効果では温度変化が要因となって起電力が発生する一方、ペルチェ効果では電圧をかけることが要因となって温度変化が発生します。

シンプルに、起電力が発生するのがゼーベック効果、温度変化が発生するのがペルチェ効果と覚えておくとわかりやすいです。

ではそれぞれの効果を具体的に説明していきます。

ゼーベック効果

ゼーベック効果とはゼーベック効果は、物質の両端に温度差を生じさせたとき、両端の間で電位差が発生する現象です。

物質によって電位差の大きさが異なる点に特徴があり、1821年にトーマス・ゼーベックによって発見されました。

金属の種類と温度差に応じた起電力が発生します。

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なぜ温度差を与えるだけで発電できるのか不思議に思いませんか?

ゼーベック効果の原理を考えてみましょう。

ゼーベック効果の原理

ゼーベック効果の原理簡易版一般的に電子は原子との結びつきが弱く、外部からエネルギーを受けると原子の外に飛び出すという性質を持っています。

つまり、物質の温度をあげると電子が動きだすというわけです。

冷温側では電子が動きづらいので、物質内における電子の密度のバランスが崩れます。

すると電子が冷温されたほうに流れていった結果、電子が抜けた部分はプラスの性質を持つ正孔が残ります。

つまり、プラスの性質を持つ部分とマイナスの性質を持つ部分が2極化するため、最終的に起電力が生じます。

ペルチェ効果

ペルチェ効果とはペルチェ効果とは、異なる金属を接合して電圧をかけて電流を流したとき、接合部分で吸熱や放熱が発生する現象です。

フランスの物理学者のジャン・シャルル・ペルチェが1834年に発見しました。

ペルチェ素子ペルチェ効果を利用した部品として上図の「ペルチェ素子」があり、現在使用されているペルチェ素子は異なる2つの金属だけではなく、「n型半導体、金属、p型半導体」を用いて作られています。

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吸熱や放熱が発生する原理についても考えてみましょう。

ペルチェ効果を理解するにはペルチェ素子の構造を知る必要があります。

ペルチェ素子とは

ペルチェ素子の構造素子の基本構造は、N型半導体とP型半導体のそれぞれを吸熱部分の金属と放熱部分の金属で挟み込んだπ型と呼ばれるモノです。

吸熱部分の金属はN型半導体とP型半導体の両方に接しています。

P型半導体は電子が不足している素子、N型は電子が余っている素子です。

ペルチェ素子の原理

ペルチェ素子の吸熱と放熱(簡単版)原理をおおまかに説明していきます。

まず金属と半導体を接合させると、キャリア(電子・正孔)の流れる道 に「段差」が生じます。

この状態で電圧をかけると段差に向かってキャリアが流れてきます。

すると、段差を乗り越えるために必要なエネルギーを周りから熱エネルギーとして吸収します。

このため、周囲の温度が下がります。(吸熱の状態です。)

反対に、半導体から金属へ移動する場合には、余分なエネルギーを周囲へ放出するため、温度が上がります。放熱の状態です。

ペルチェ素子の構造
その結果、片面は低温に、もう片面は高温になります。

参考までに、一般的にエネルギー準位が高い部分からエネルギー準位が低い部分に電子が移動すると発熱の現象が起き、エネルギー準位が低い部分からエネルギー準位が高い部分に電子が移動すると吸熱の現象が生じることが知られています。

効果を応用した具体的な使用例

ゼーベック効果やペルチェ効果というと専門的な雰囲気を感じるかもしれませんが、実は身近なところでも利用が進んでいます。

ゼーベック効果

温度計と熱電対

実用例

・温度センサーの熱電対
・熱電発電(温度差発電)

熱電対は温度を計測するために多くの機械で温度センサーとして使用されています。

熱電発電は通信機器の電源や外惑星探査船の電源、スマートウォッチなどに使用されています。

また、近年は排熱や海水の温度差による発電など、世界中で開発が進められています。

ペルチェ効果

ペルチェ式冷蔵庫

実用例

・パソコンのCPU冷却装置(クーラー)
・ワインセラー
・医療用冷蔵庫
・自動販売機の加温・冷却

一般的なクーラーでは冷媒によって温度の調整が行われていますが、ペルチェ素子には冷媒が必要とされていません。

したがって、冷媒の漏れのチェックをはじめとする点検の必要がなく、メンテナンスコストをおさえることが可能です。

まとめ:熱電効果の意味を知れば機器の理解が深まる

最後に簡単に整理します。

まとめ

ゼーベック効果:温度変化⇒電気が発生

ペルチェ効果:電気⇒温度変化が発生

このようにペルチェ効果やゼーベック効果は表裏一体の関係ですが、意味を知っておくと、温度変化に関連する機械についての理解が深まります。

電気のお仕事をする際には、点検や修繕などで機械に対する知識は不可欠です。

専門用語だからといって毛嫌いせずに、おおよその意味だけでもおさえておくことをおすすめします。

参考文献

U-CAN 電験三種合格指導講座 テキスト1 理論

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シマタケ

共働きの子育て会社員。工場で15年間働く電気エンジニア。多数の国家資格を取得。施設や工場で働く方々が勉強できる、様々な悩みを解決できるサイトを目指しています。雑記記事も時々書きます。心理学を勉強中でメンタルケア心理士、行動心理士取得。

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