先日、子供から
わたしはそっけなくありきたりな答えを息子に与えました。
しかし、ふとした瞬間に「あれ?わたしはなんのために働いているのだろう・・・」と、改めて考えると働くことの意義がわからなくなってしまったのです。
家族を養うため、家を維持するため、社会的なステータスと常識などのありきたりな答えは見つかるものの、「本当に働くってそんなことだっけ?」と身動きが取れなくなってしまいました。
そんなときに出会ったのが本書「なぜ僕らは働くのか」でした。
報道番組などで視聴者にわかりやすく解説しているあの「池上彰」さんが監修したこともあり、さらにマンガ形式でとてもわかりやすいです。
小学生の子供にはややむずかしい内容ではありますが、一緒に読むにはもってこいの図解付きで、なんとなくでも理解してもらえると思います。
ということで今回は、わたしたち人間の根幹とも言える深い部分をテーマにした「なぜ僕らは働くのか」について、独自解釈と共にお話していきます。
目次
「なぜ僕らは働くのか」を簡単に紹介
まずは、本書についてざっと内容を見ていきましょう。
全六章から成る構成で、それぞれ以下の内容となっています。
第一章・・・仕事ってなんだ?
第二章・・・どうやって働く?どうやって生きる?
第三章・・・好きを仕事に?仕事を好きに?
第四章・・・幸せに働くってどういうこと?
第五章・・・大人も知らない未来の“働く”
第六章・・・いまあなたたちに伝えたいこと
目次を見る限り、やはり子供をターゲットにしていることが読み取れますが、大人が読んでも「確かにな」「なるほど」と思わずうなってしまうものばかりです。
ここからは簡単にそれぞれの章をわたしの考えと共に解説していきます。
第一章:仕事ってなんだ?
あなたは、仕事とはどのようなことだと思いますか?
「仕事=働くこと」
これは事実であって、この問いに対する答えにはなり得ません。
では仕事とはなんなのか・・・
本書では「仕事はだれかの役に立つこと」として解説しています。
この一言を読んだ瞬間、わたしはその通りだと思いました。
どんな職業でも、かならずだれかの役に立っているのです。
トラックの運転手さんが荷物を遠くまで運搬してくれるから地方に物資が届く、その物資を受け取った企業が製品を作ることでわたしたちの生活が成り立つなど、自分も含めたすべての従事者の努力の元に生きることができています。
当たり前のようでいて当たり前でない。
それが「仕事」なのではないでしょうか。
第二章:どうやって働く?どうやって生きる?
日々仕事をする中で、バランスが重要だと感じる場面は非常に多いです。
中でも代表的なものが生活とのバランスです。
いわゆるブラック企業と呼ばれるような会社の場合、朝6時に出勤して、退勤が終電越えは当たり前、睡眠時間4時間、最悪の場合会社で寝泊まり、なんてこともあるそうでが、完全に仕事と生活のバランスが破綻しています。
これではいくら仕事がだれかの役に立つものであるとはいえ、働くことに疑問が生じます。
そうではなく、家庭と仕事は切り離すことができないことを理解して、適度なバランスを保って働くことが何よりも重要となるのです。
これこそがまさに「どうやって働く?どうやって生きる?」に対する明確なアンサーだと、わたしは感じました。
後悔しないように、家族との時間を大切にしたいです。
第三章:好きを仕事に?仕事を好きに?
子供のころ、漠然と「俺はサッカー選手になるんだ!」と輝かしい未来を思い浮かべていた方は多いと思います。
しかし、現実はきびしく、どれだけサッカーが好きでもプロにはなれるのはほんの一握りの才能あふれる人間だけです。
ただ、そこで諦めるのか、それとも継続するのかは個人の自由です。
わたしの中で最も刺さったのがこの部分で、好きなことを仕事にするのが正解なのか、それとも仕事の中に好きを織り交ぜていくのが幸せな働き方なのか、答えは今でも分かりません。
本書では、そんな永遠のテーマともいえる議題に対して「好きが仕事につながる」と解説しています。
「好き」を突き抜けて極めることで、それ自体が仕事になり得る可能性を秘めているとのことですが、まったくもってその通りだと感じました。
たとえば、アイドルを目指して日々ダンスレッスンに取り組めば、アイドルの道がむずかしかったとしてもダンスの方向性も見えてくるはずです。
わたしのようにブログで発信していると、企業から声がかかることもしばしばあります。
このように、趣味や好きの上に成り立つ仕事は、情熱をもって続けられるものばかりですから、結果に繋がるチャンスが転がってくる可能性が高いです。
ぜひ子供だけではなく、大人も「好き」を諦めずに挑戦するべきだと本章を読んで感じました。
もっと、自分の好きな事ややりたいことに挑戦しても良かったんじゃないかな?と感じました。
第四章:幸せに働くってどういうこと?
第四章はちょっと耳が痛い部分です。
わたしは周りからの評価を気にしすぎたり、人間関係にストレスを感じるなど、お世辞にも幸せに働けているとは言えませんでした。
日々ヤキモキしていた中、「成功にとらわれ過ぎない考え方をしよう」と本章の見出しを見た瞬間、自分の考えの浅はかさが恥ずかしくなりました。
同僚や部下、上司に認められたい、こんなにも努力しているのになぜ正当な評価がもらえないのかなど、わたしは自分が大人物であるかの如く勘違いしていた時があります。
しかしそれは間違いであり、成功も失敗も次のステップにつながるヒントであることを理解しない限り、堂々巡りで自分が苦しくなるだけです。
自分の周りにある小さな成功や満足を見つけて積み重ねることで、幸せに働くことに繋がるのです。
第五章:大人も知らない未来の“働く”
「人生100年時代」と言われるようになって久しいですが、生命保険などはすでに何年も前から100歳まで生きることを前提とした商品展開をしています。
ただ、そうなってくると心配なのが雇用の問題ではないでしょうか。
定年退職の年齢が60歳から65歳、70歳と引き上げられる未来が容易に想像できる上に、そうなったとして実際に高齢で働けるのかという現実的な不安もあります。
そこで必要となる考え方が、クリエイティブに生きることです。
わたしたちは会社に従属し、日々与えられた業務をこなしていますが、それでは人生100年時代を生き抜くにはきびしく、年齢の問題から逃れることはできません。
そうなった場合、できることと言えば、自らの手で無理なく続けられる仕事を作り出すことです。
たとえば、今までは興味があったけど語学や知識、資金面などで参入障壁が高すぎて諦めていたようなジャンルに挑戦してみたり、継続難易度の低い副業を始めるなども良いです。
ここで重要なのは、情熱をもって続けられる仕事に挑戦することです。
自分の狭い視野に縛られる傾向にある日本人ですから、チャンスと捉えて行動することが「大人も知らない未来の“働く”」だとわたしは思います。
第六章:いまあなたたちに伝えたいこと
第六章に関しては本書のまとめのような、メッセージ性の強い内容となっています。
子供たちがこれから将来働くことに対する漠然たる不安を抱く中、指針となるような、それでいてわたしたち大人も考えを改めさせられることが書かれています。
ここはわたしの言葉ではなく、ぜひ本書を手に取って読んで欲しい部分です。
きっとあなたも「なぜ僕らは働くのか」に対する自分なりの答えがわかるはずです。
働く前の学生の時にこのような本と出合いたかったと思いえる1冊でした。