電気の知識

近接センサーとは?種類や用途について説明!

こんな方におすすめ

  • 近接センサーの用途について知りたい方
  • 近接センサーの種類について知りたい方

今回の記事では近接センサーについて、紹介していきたいと思います。

シマタケ
では、一緒に勉強していきましょう!

動画版でもありますので、動画で確認されたい方は↓こちらをご覧ください。

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近接センサーとは

近接センサー近接センサーとは、物体の有無を非接触で検出するセンサーで、磁界や電界の変化を検知します。

オムロン、キーエンス、パナソニックから販売されており、近接スイッチとも呼ばれています。

上図の左側がキーエンス製、右側がオムロン製の近接センサーです。

用途は後ほど、検出方式と合わせて紹介させていただきます。

近接センサーの特徴

近接センサーのメリット・デメリットは以下になります。

メリット

・近接センサーのメリットは、非接触で物体を検知できる。

・無接点(半導体)出力のため寿命が長い。

・水や油などの環境や暑い環境下でも使用できる。

シマタケ
私の実体験では近接センサー本体の故障ではなく、パターンとして、近接センサーの下図のような配線部分が引っ張られており、断線しており、信号が入ってこないことがありました。

近接センサー断線箇所

デメリット

・検出範囲が数ミリ程度で検出距離が短い。

・検出距離が長くなるほど、センサーの大きさが大きくなる。

・周囲に設置されている金属などの物体やセンサー同士の影響を受ける。

近接センサー検出距離

例えば、上図のキーエンスの近接センサーEV-118MCは5mm、オムロンの近接センサーE2F-X1R5E1は1.5mmです。

光電センサーなどと比較しますと、とても検出距離が短いことがわかります。

最大検出距離は、長くても40mmほどです。

近接センサーの種類

種類として「検出方式」「アンプ内蔵・分離」「シールド・非シールド」「電線・2線式/3線式」で分類することができます。

シマタケ
順番に説明していきます。

検出方式

近接センサ種類について大きく分けて磁界と電界に分類でき、磁界の変化を検知する種類として2種類あります。

誘導形

近接センサー高周波形、高周波発振形とも呼ばれています。

誘導形は、本体に内蔵されている検出コイルの発振状態の変化を検出し、物体の有り無しを判断しています。

検出対象物は鉄、アルミ、真鍮、銅などです。

画像にある右側のオムロンの近接センサーは誘導型です。

左側のキーエンスの近接センサーも誘導型だと思いますが、サイトだけの情報では確認することができませんでした。

用途は、コンベア上の物体の検出や、装置の位置決め(原点)等に使用されています。

磁気形

近接センサー磁気型磁気形は磁気による磁界を利用したセンサーです。

磁力によって接点を引き寄せるリードタイプとホール素子という半導体部品を使って、磁界の発生を検知するタイプがあります。

検出対象物は磁石になります。

用途としては、扉の開閉状態、シリンダーの動作を確認するために設置されているオートスイッチなどに使用されています。

静電容量形

静電容量形はセンサーと物体の間で発生する静電容量(電界)の変化を検出し、金属や非金属の物体の有り無しを検出します。

検出対象物は金属、樹脂、液体、粉体です。

用途としては、タンク内の液面の量を検出するときに使用されています。

シマタケ
とある設備で樹脂の部品を検知するのに近接センサーが使われていましたが、調整不足もあるかもしれませんが、検出距離が短く、よく誤検知を起こしており、 私含め、保全の方が苦労されていた経験があります。 色々なセンサーがありますので、その場所や検出対象物に適したセンサーを選定することが重要です。

アンプ内蔵・分離

近接センサーアンプ例アンプ内蔵、アンプ分離型があります。

アンプ内蔵型は近接センサーの感度調整できませんが、分離型は感度を調整できます。

アンプとは上図の機器のことをいいます。

シールドタイプ・非シールドタイプ

シールドタイプ

シールドタイプは検出コイルの側面が金属でおおわれているタイプです。

金属の中に埋め込んで使用することができます。

検出距離は非シールドより短いです。

上図の2つ近接センサーは、どちらもシールドタイプです。

非シールドタイプ

検出コイルの側面が金属でおおわれていないタイプです。

シールドタイプに比べて検出距離が長くとれますが、周囲金属の影響を受けやすいため、取り付け場所に注意が必要です。

電源・2線式/3線式

電源

形状や機種によって異なりますが直流と交流があります。

直流の場合、12~24V、10~30V、交流の場合24~100Vなどの仕様があります。

出力はNPN出力やPNP出力ありますので、一般的に国内でPLCなどと接続して使用する場合はNPN出力の近接センサーを選定し、海外機や輸出用の設備でしたら、PNP出力の近接センサーを選定します。

中にはNPN/PNPどちらのタイプでも接続できるセンサーがあります。

配線

近接センサー2線式3線式配線は、2線式と3線式があります。

上図にある2つの近接センサーですが、見てわかるように左側が2線式、右側が3線式です。

2つの違いとして、3線式はセンサーを動かす回路と負荷を動かす回路が分かれていますが、2線式は分かれていません。

2線式の方は配線が1本少ないので、配線工数が減り、良いのではないかと思われますが、2線式はセンサーの出力がOFFの状態でも0.数ミリアンペアの電流が流れます。

ですので、負荷が動作しないか確認する必要があります。

また、出力がONのときに、センサーに電圧が残り、負荷へかかる電圧が若干低下します。

シマタケ
見た目だけでは分かりにくいにので、検出方式を知りたいときは型番を調べるといいです。

まとめ:近接センサーについて

最後に近接センサーについてまとめます。

まとめ

・物体の有無を非接触で検出するセンサーで、磁界や電界の変化を検知します。

・無接点(半導体)出力のため寿命が長く、水や油などの環境や暑い環境下でも使用できる。

・検出範囲が数ミリ程度で検出距離が短く、周囲に設置されている金属などの物体やセンサー同士の影響を受ける。

・NPN出力とPNP出力がある。

・2線式と3線式がある。

近接センサーには様々な種類がありますので、使用する環境や仕様によって適切な近接センサーを選定することが重要です。

シマタケ
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

参考文献、サイト

オムロン 制御機器

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シマタケ

共働きの子育て会社員。工場で15年間働く電気エンジニア。多数の国家資格を取得。施設や工場で働く方々が勉強できる、様々な悩みを解決できるサイトを目指しています。雑記記事も時々書きます。心理学を勉強中でメンタルケア心理士、行動心理士取得。

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