電気の知識

押さえておきたい電源の種類|直流と交流の違い

直流と交流の違い

シマタケ(@shimatake_117)です。

あなたは電源の種類や違いについて説明できますでしょうか?

電源には数種類あり、それぞれの特徴を理解する必要があります。

電気関係の仕事をする人にとって必要な知識となります。

言葉だけの説明ではイメージが付きにくいと思いますので、具体例を交えて「電源の種類」「直流と交流の違い」「電源の使用例」を紹介していきます。

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電源の種類

電源の種類_身近な例電源の種類を大きく分けると、直流と交流に分類することができます。

身近にある電源といえば、ご家庭の場合、交流は「壁のコンセント」、直流は「乾電池」や「自動車のバッテリー」です。

工場などで使う機械(機器/設備)などの電源は下記の種類が使われます。

今回はよく使用する電源について説明していきます。

電源電圧の種類

直流電源

直流回路直流(DC:Direct Current)とは、乾電池などから得られる電気で、大きさと向きがほぼ一定で時間的にあまり変化しない電気のことをいいます。

身近な例として、懐中電灯や時計を動かす乾電池が挙げられます。

電気は、+(正)極から-(負)極に向かって、導線(導体でできた線)の中を流れます。

途中に豆電球などの負荷があると点灯などの仕事をおこないます。

もし、導線が切れた場合は乾電池から出ていった電気が乾電池に戻ってこないため、電気が流れません。

上の絵を回路図と図記号に置き換えると下記のようになります。

直流回路図先程の例にすると、直流電源が"乾電池"、負荷が"電球"になります。

また、直流電源の波形は下記のように大きな変化がない波形となります。

直流回路波形この直流電源ですが、工場などで使用する設備の電気制御では、交流電源から変換して得られる直流電源DC24Vがよく利用されています。

交流電源

交流回路交流(AC:Alternating Current)とは、大きさと向きが時間的に変化する電気のことをいいます。

身近な例として、みなさんが利用される家庭のコンセントです。

交流には単相交流と三相交流があります。

単相交流

交流回路図単相交流とは電線2本を用いて電力を供給するものです。

家庭に届く電気(商用電源)は交流です。

単相交流は下図のように正弦波状に変化します。

単相交流波形

1つの波にかかる時間を1周期(1サイクル)といいます。

また、1秒間に繰り返される周期数を周波数といいます。

周期と周波数の関係は次式のようになります。

周波数式

周波数の種類

日本で使用されている商用電源の周波数は、2種類あります。

周波数の違い東日本で50Hz(ヘルツ)、西日本で60Hz(ヘルツ)です。

メモ

上の画像で間違いがありました。申し訳ございません。

新潟県の佐渡ヶ島は60Hzです。

西日本であれば1秒間に60回の周期を繰り返します。

シマタケ
すごい速さです。蛍光灯であれば120回点滅を繰り返していますが、人間の目ではチラつきを感じません。

この周波数ですが、変わることにより注意することがあります。

西日本と東日本では周波数が異なるため、モーター等の回転数が変わります。

せんぷう機、ヘアドライヤー、そうじ機、電動機などは性能が変わる可能性があります。

また、交流100Vと通常呼ばれていますが、実際には交流電源電圧は時間とともに常に変化しています。

そこで、交流では最大値・実効値を区別して表します。

交流電圧100Vとは、実効値を表しています。

実効値とは、直流電圧と同じ仕事(電力)ができる電圧であり、正弦波の場合は最大値の1/√2となります。

すなわち交流電圧100Vとは、最大値141V(100×√2)の正弦波交流電圧となります。

単相交流の電圧

単相100Vと200V修正単相交流には100Vと200Vがあり、電灯と呼ばれることがあります。

上の写真のような一般家庭の場合、100Vはコンセントや照明に使用され、200VはエアコンやIHに使用されます。

工場の場合、100Vはコンセントに使用され、200Vは照明や機器に利用されます。

三相交流

三相交流回路図単相交流以外に電力を多く使用する工場や電動機などの運転には、電線3本を用いて電力を供給する三相交流が使用されています。

三相交流はコスト等の観点から電力を送電する際の方式として最も普及しており、発電所では三相交流で発電されています。

三相交流回路波形
三相交流は、上図のような単相交流を3本分組み合わせたもので、正弦波形が重ならないように1/3周期(120°)ずつ位相がずれた三つの波からできています。

三相交流の電圧について

三相200Vコンセント三相交流には200Vと400Vがあります。

日本の機械では三相200Vを使用することが多いですが、容量の大きいモーターを使用するプラントでは三相400Vを使用します。

なお、ヨーロッパの機械では三相400Vで使用することが多いです。

機械に使用される部品には耐えられる電圧が決まってますので、電源電圧が異なる場合は注意する必要があります。

まとめ

電源の種類はたくさんありますが、よく使用する電源は決まってきます。

機械や機器を作成するときはもちろんですが、機械や機器を購入するときも電源の種類に気をつける必要があります。

例えば、購入する機器によっては単相100Vと単相200Vの2種類あることがあります。

周囲に単相100Vの電源コンセントしかないのに、単相200V仕様の機器を購入してしまうと使えません。

電気工事が必要になるなど、手間が増えてしまいますので、しっかり電源を確認しましょう。

この記事で電源の種類を覚えていただけると幸いです。

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シマタケ

共働きの子育て会社員。工場で15年間働く電気エンジニア。多数の国家資格を取得。施設や工場で働く方々が勉強できる、様々な悩みを解決できるサイトを目指しています。雑記記事も時々書きます。心理学を勉強中でメンタルケア心理士、行動心理士取得。

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