こんな方におすすめ
- 電磁接触器の配線方法が知りたい方
- 電磁開閉器の配線方法が知りたい方
電磁接触器や電磁開閉器の配線に悩んでいませんか?
今回はそんな悩みを解消していただくために「電磁接触器や電磁開閉器」の配線方法について、回路図と実体配線図で説明したいと思います。
電磁接触器や電磁開閉器はPLCの有無を問わず、モーターを制御する場合は必要な電気部品です。
今回の内容は電気屋として必要な知識となりますので一緒に学びましょう。
まだ電磁開閉器を知らないという方は本記事を読まれる前にコチラの記事をご覧ください。 続きを見る
これで理解!電磁接触器と電磁開閉器~仕組みや用途の違い~
配線例は電磁接触器と電磁開閉器を使用した「モーターの運転・停止」「モーター運転中の表示」「サーマルトリップ時の表示」「PLCでの運転停止」などの5つを図をたくさん使用して紹介していきます。
Youtubeでは電磁開閉器を用いて実際に配線をしていますので、記事より伝わりやすいので、良かったらご覧ください。
目次
電磁接触器の配線例
今回は電磁接触器を使用した下記3つのパターンと電磁開閉器を使用した2つのパターンを紹介していきます。
配線例
①押しボタンによる運転・停止回路
②上記①の回路に運転中の表示を追加
③PLCを用いた運転・停止回路
電磁接触器は三菱電機のS-N10、1aを使用します。
① 押しボタンによる運転・停止回路
回路図は上のようになります。
動作内容
押しボタンBS1を押す⇒モーターが運転する。
押しボタンBS2を押す⇒モーターが停止する。
回路図の見方として主回路と操作回路に分けられます。
ここで電磁接触器を配線する時に注意することがあります。
主回路(主接点端子)を先に配線すると、コイル端子へ配線を接続するときに主回路の配線が上にあるため、邪魔になります。
まずは操作回路(コイル端子など)から配線するのがおすすめです。
回路図を見て操作回路を配線すると次のようになります。
実体配線図
次に主回路を配線します。
主回路は単純に各配線をまっすぐに接続します。
ネジはしっかり締めましょう。
回路図の読み方や図記号が分からない方はコチラの記事をご覧ください。
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実態配線図は初心者に分かりやすい?いくつかの回路で事例紹介
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初心者でも理解!電気屋が教える有接点リレーの基本(自己保持回路)
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回路の解説
少し詳しく回路を解説していきます。
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1押しボタンを押す
押しボタンスイッチBS1を押すと、電磁接触器のコイル端子に電気が流れます。
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2コイルが励磁する
電磁接触器のコイルが励磁すると主接点と補助接点がオンし、モーターが運転します。
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3押しボタンスイッチを離す
このときに押しボタンスイッチBS1を離しても、自己保持回路になっているため、主接点と補助接点はオンしたままです。
停止させたいときは押しボタンスイッチBS2を押して、自己保持回路をオフにします。
自己保持回路について初めての方はこちらの記事をご覧ください。
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②上記①の回路に運転中の表示を追加
モーターが運転しているかどうか表示するためには先ほどの回路にランプを追加します。
ほとんどの設備ではモーターなどの運転表示は標準で付いています。
実体配線図
実体配線図にすると下記のようになります。
配線の取り回し方は人それぞれですが、今回の実体配線図ではランプ(GL)の配線を電磁接触器の14番端子とコイル端子A2に接続しています。
例は運転中の表示ですが、停止中の表示が必要な場合は「bの補助接点」を利用します。
今回の例ではa接点の補助接点(13,14)が1つのため、運転表示にしか使えません。
運転中と停止中の両方をランプで表示をしたいときは1a1bの補助接点付きの電磁接触器を選びます。
③ PLCからの入出力による運転・停止回路
上記はPLCの入出力を使用したモーターの運転・停止回路です。
有接点回路と異なり、運転スイッチと停止スイッチはPLCへ接続します。
PLCへの電源も必要になります。
今回の例はFX3G-14MR/ESというリレー出力タイプのPLCであり、出力の最大負荷は2A、誘導性負荷80VA以下です。
配線例ではリレーを中継して、電磁接触器のコイル端子へ配線しておりますが、コイル電流の小さい電磁接触器であれば直接接続しても問題ありません。
使用される際はPLCと電磁接触器の仕様をご確認下さい。
実体配線図とラダー
実体配線図にすると下記のようになります。
実体配線図で書けるのはこの辺りが限界でしょうか。
ラダープログラムは以下のようなモノを作成します。
電磁開閉器の配線例
次に電磁開閉器を使用した下記2つのパターンと電磁開閉器で紹介していきます。
配線例
①押しボタンによる運転・停止回路
②上記①の回路にサーマルトリップ表示を追加
①押しボタンによる運転・停止回路
電磁接触器と基本的に配線方法は変わりません。
変わる部分としては電磁接触器にサーマルリレーが付いている為、2か所になります。
主回路の2次側の接続部分と、制御回路のコイル端子MCの後ろにサーマルリレーのb接点を追加です。
これにより、サーマルリレーが動作すると、電磁開閉器がOFFになり、主回路が遮断されます。
注意ポイント
サーマルリレー自体には回路を主回路を遮断することはできません。
遮断する時は操作回路(制御回路)にサーマルリレーのb接点をコイルと電源の間などにいれます。
電磁接触器と同様、主回路(主接点端子)を先に配線すると、コイル端子へ配線を接続するときに主回路の配線が上にあるため、邪魔になります。
まずは操作回路(コイル端子など)から配線するのがおすすめです。
実体配線図
次に主回路を接続します。
また、注意点としてモーター容量によってサーマルの設定値を変更する必要があります。
モーターに合ったサーマルリレーを選定することがモーターの保護となります。
②上記①の回路にサーマルトリップ表示を追加
サーマルがトリップしたときに端子97と98を使用することでトリップを知らせることができます。
実体配線図
上記のように配線することでサーマルリレーが動作すると、ランプが点灯します。
まとめ:回路と配線について
電磁接触器と電磁開閉器を使用した配線例を回路図と実体配線図で5つ紹介しました。
今回紹介した例は5つと少ないですが、補助接点や他の電気部品と組みわせることで色々な使い方ができます。
まずは基本的な回路から複雑な回路へと順番に学習していきましょう。
併せて、実体配線図は初めての方は見やすいかもしれませんが、回路が複雑になってくると大変分かりにくくなってきます。
今回の回路ぐらいが限界だと思われますので、回路図を見て配線できるよう慣れていきましょう。