シーケンス制御ではタイマー動作としてオンディレイとオフディレイといった使い方があります。
本記事では85枚の画像を使用して「オンディレイ回路」の配線を分かりやすく紹介していきます。
今回は以下の機器を使用して配線方法を紹介していきたいと思います。
機器名 | メーカー名 | 型式 |
タイマーリレー | オムロン | H3Y-2 DC24V 60S |
リレー | オムロン | MY2N DC24V |
押しボタンスイッチ(緑) | IDEC | HW1B-M110G |
押しボタンスイッチ(赤) | IDEC | HW1B-M101R |
表示灯(赤) | IDEC | HW1P-2Q4R |
パワーサプライ | オムロン | S8VS-09024S |
遮断器 | 三菱電機 | NF30-FA 5A |
もし、オンディレイとオフディレイって何?という方はこちらの記事をご覧ください。
YouTubeでも実演動画を紹介していますのでぜひご覧ください。
目次
外観・端子・配線箇所
まずはH3Y-2 DC24Vの外観や端子を確認していきます。
セットダイヤル・設定時間
上画像の赤い針を回すことで設定時間を変更することができます。
今回のタイマーリレーは時間固定タイプで、60秒まで設定することができます。
タイマーリレーについている赤色の針は、時計のように動きません。
設定時間をセットするための針です。
動作表示について
アナログのタイマーリレーはどれだけ経過しているかわかりません。
そのため、タイマーの上部分に2つの表示灯があります。
動作表示
右側の表示は動作と通電を表す表示灯です。
タイマーリレーに電気が供給されているか、時間を計っている途中なのかを緑色の表示で表します。
出力表示
左側の表示は出力表示灯です。
設定した時間になりますと、オレンジ色の表示灯が点灯します。
接点が動作したことを表します。
タイマリレーの端子番号と接点
接続する端子などについてですが、有接点リレー オムロンのMY2N と同じとなります。
13番と14番はコイル端子(電源部)です。
この13番と14番に電圧を加えると、タイマー回路の計測部が働きます。
そして設定時間になると接点が開閉します。
今回のようにコイル電圧が直流の場合は13番に-側の配線を14番に+側の配線を接続します。
どの端子に何を接続すれば分からなくなった時はタイマリレー側面に書かれている回路を確認しましょう。
接点構成
今回の説明するタイマリレーは2Cです。
a接点として使用する場合は、端子台「5」と「9」
または「8」「12」に配線を接続します。
b接点として使用する場合は、端子台「1」と「9」
または「4」「12」に配線を接続します。
オンディレイ回路の説明
では、ここからはオンディレイ回路から配線していきます。
注意点として、オンディレイ回路は上の画像のように色々な配線パターンがあります。
今回は3つの中から↑こちらの配線図を用いて配線していきます。
この状態では分かりにくいため、リレーやタイマーリレーの端子番号や配線番号を追記します。
回路図と使用する機器について
まず、実際の機器と回路を照らし合わせたいと思います。
BS1がb接点タイプの赤色の押し釦スイッチ、
BS2が緑色の押し釦スイッチです。
Rはリレー、
Tはタイマー、
Rと5、9、と書かれた記号はリレーの接点、
Tの5と9、はタイマーリレーの接点です。
RLと書かれた丸は赤色の表示灯です。
回路の動作説明
電気が流れている部分を黄色にして、オンディレイ回路の動作を説明していきます。
もし、文書を読まれて分からないと感じた方はYouTubeで確認してみてください。
動作としては緑色の押し釦スイッチBS2を押しますと、
リレーRとタイマーリレーTがONし、
リレーRの接点(5-9)が閉じます。
タイマーの接点は設定時間になっていないため、すぐに閉じません。
また、自己保持回路になっているため、押し釦スイッチBS2を離してもリレーRとタイマリレーTはONしたままです。
タイマーリレーで設定した時間になりますと、タイマリレーの接点がONし、
表示灯が点灯します。
赤色の押し釦スイッチBS1を押しますと、タイマーの計測中に停止したり、タイムアップ後OFFにすることができます。
実演:オンディレイ回路配線
今回の配線順序は一例です。
注意ポイント
・配線の順序や渡り線の接続箇所についてですが、どれが正しいとかはありません。
・制御盤メーカーでしたら、効率よく配線を行うかもしれませんし、中には左から順番に配線する人がいるかもしれません。
配線方法
今回は電源ラインを先に配線していきます。
1.パワーサプライの24Vの+側と赤色の押し釦スイッチBS1を接続します。
2.24Vの+側とタイマーリレーの端子5番を接続します。
パワーサプライの端子から接続しても良いですし、
BS1赤色の押し釦スイッチでも良いです。
今回は赤の押し釦スイッチBS1と接続します。
パワーサプライの端子に配線を接続し、
タイマーリレーの端子5に接続します。
0V(-側)を接続していきます。
3.パワーサプライの-側とリレーの端子13番、リレーの端子13番とタイマーリレーの端子13番、タイマーリレーの端子13番と表示灯、3本を配線していきます。
パワーサプライの-側とリレーの端子13番
リレーの端子13番とタイマーリレーの端子13番
タイマーリレーの端子13番と表示灯
これで0V側(-側)の配線が終わりました。
4.赤色の押し釦スイッチBS1と緑色の押し釦スイッチBS2を接続します。
5.緑色の押し釦スイッチBS2とリレーの端子14番を接続します。
6.リレー端子5番と緑色の押し釦スイッチBS2を接続します。
リレー端子5番と赤色の押し釦スイッチBS1でも大丈夫ですが、今回はリレー端子5番と緑色の押し釦スイッチBS2を接続します。
7.リレー端子9番とタイマーリレーの端子14番を接続します。
8.次はここの部分を配線します。
押し釦スイッチBS2とリレーの端子9番でも良いですし、
押し釦スイッチBS2とタイマーリレーの端子14番、
またはリレーの端子14番とタイマーリレーの端子14番でも良いです。
今回はリレーの端子14番とタイマーリレーの端子14番を接続します。
9.タイマーリレーの端子9番と表示灯を接続します。
動作確認
配線が終わりましたので動作確認してみます。
タイマーの設定値は6、7秒にセットしました。
では、緑色の押し釦スイッチBS2を押します。
緑色の押し釦スイッチを押すと、タイマーリレーのタイマーが動作し始めます。
下の画像はタイマー計測中です。
設定した時間は6、7秒です。
設定した時間になりますと、赤色の表示灯が点灯します。
赤色の押し釦スイッチを押して、回路をリセットにした後に照明をOFFして、もう一度動作確認します。
回路をリセットしましたので、照明を落とします。
緑色の押し釦スイッチBS2を押します。
リレーとタイマーリレーが動作していることが、それぞれの表示灯が緑色になっているので分かります。
設定時間になりますと、タイマリレーの接点が動作し、赤色の表示灯が点灯します。
(タイマーリレーの出力表示が赤色になっています。)
まとめ・オンディレイ回路
今回はタイマの基本的な動作である「オンディレイ」と「オフディレイ」のうち、出力を遅らせてONさせるオンディレイの配線方法について説明させていただきました。
基本的にはリレーの端子配列と同じですので、覚えやすかったのではないでしょうか。
タイマーは制御の中で必要な知識となってきますので、ぜひおぼえてみてください。
良く分からなかった方は、リレーの配線方法の記事を見たり、今回の記事をもう一度じっくり見たりしてみてください。また、タイマーには様々な種類があり、それらを紹介している記事もありますし、オフディレイ回路(現在制作中)の記事もあります。
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併せてみて頂けると知識が深まると思います。
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