こんな方におすすめ
- ターミナルリレーについて知りたい方
- ターミナルリレーの用途について知りたい方
- ターミナルリレーの配線方法を知りたい方
今回の記事では、ターミナルリレーについて、どんな機器なのか、一般的なリレーとの違いや用途など、説明したあとに実際に配線をして動作を確かめてみたいと思います。
リレーって何か分からないと言う方は、まずはこれらの記事を先にご覧ください。
動画でもターミナルリレーについて説明しています。
目次
ターミナルリレーとは
ターミナルリレーとは1極タイプのリレーを4個搭載した機器です。
オムロン、パナソニック、富士電機、東洋技研などから販売されています。
下画像のターミナルリレーはオムロン製です。
上画像から分かるように、4つのリレーが独立しているため、それぞれ制御可能です。
接点は1つ(1極)になりますが、一般的なリレーを4つ使用するより、寸法が小さくなりますので、制御盤の小型化、スペースを有効に活用することができます。
接点構成について
ターミナルリレーの中には、C接点タイプのターミナルリレーが販売されていますが、接点の種類はa接点のみのターミナルリレーがほとんどです。
用途・役割
ターミナルリレーの役割について、以下の用途で使用されています。
主な用途
・他の設備との運転、停止などといった信号のやりとり
・1極で十分なとき
・PLCと電磁弁等の負荷を繋ぐ中継用リレー
また、最近はほとんど見かけなくなりましたが、表示灯がLEDではなく、白熱電球で消費電力が高いときはPLCの最大負荷電流を考慮して直接動かさず、ターミナルリレーで点灯・消灯していることもあります。
ターミナルリレーの配線や仕様について
上画像では3つのターミナルリレーを用意していますが、今回は一番左側のオムロンG6D-F4Bを見てみます。
機器の仕様は、定格直流24V ねじ端子タイプ 4極 a接点です。
黒いカバーを外すと、リレーが4つあるのが分かります。
上画像の赤枠部分に「リレー取りはずし工具」が内蔵されているので、リレーを外してみたいと思います。
リレー取り外し工具を差し込むことによって、↑リレーを外して交換することができます。
取付方法について
ターミナルリレーの取付方法は2つあります。
1つはDINレールを使用する方法。
もう1つは穴を利用してボルトで直接取り付ける方法があります。
端子について
今回の記事で使用しているターミナルリレーの配線方法は「ねじ端子タイプ」ですが、スプリングタイプのターミナルリレーも販売されています。
表示について
コイルに電圧が印加されると、リレーの接点が動作しますが、オレンジ色の表示灯も点灯します。
上画像の配線されているターミナルリレー右側部分をご覧ください。
一番右側の表示灯が点灯しています。
ターミナルリレーの配線
配線について、どの端子に接続すればいいか、側面を見て確認してみます。
上画像の赤枠部分をごらんください。
コイルの電圧はDC24Vですので、極性があります。
コイル部分の配線について、端子1は「-」、端子 5は「+」になります
この「1」「5」のコイルに対応している接点が「9」と「13」のa接点です。
動きとして、コイル端子「1」、「5」に電圧24Vが加わると、コイルがONし、接点9-13がONします。
同じように コイルへの電圧は2が「-」、 6が「+」、コイルONで接点「10」、「14」間がONします。
3「-」、 7「+」、コイルONで 接点「11」「15」間がON、4「-」 8「+」コイルONで接点「12」「16」間がONです。
実際にターミナルリレーへ配線
では、実際に配線してみます。
実演内容
配線は3つのパターン試してみたいと思います。
実演1の内容
1つめは、4つあるリレーのうち1つのリレーのコイル端子1、5に直流24Vの電圧を印加させて、接点9-13をオンさせて表示灯(ランプ)を点灯させてみます。
点灯させる表示灯(ランプ)は直流24V仕様です。
なお、コイルに電圧を印加するときはセレクタスイッチを使用します。
回路図は以下になります。
実演2の内容
2つめは、1つめの直流24V仕様の表示灯(ランプ)をやめて、交流100V仕様の表示灯(ランプ)を点灯させてみたいと思います。
回路図は以下になります。
実演3の内容
3つめはPLCの出力でターミナルリレーの各リレー4つをオンオフさせて、それぞれのDC24V仕様の表示灯(ランプ)
こちらに、赤、黄、緑、乳白色がありますが、オンオフさせてみたいと思います。
今回の記事は長くなりましたので、後編として「【実演】PLCの出力ユニットを使用したターミナルリレーの配線方法(後編)」で紹介させていただきます。
実演1
パワーサプライの+側とセレクタスイッチを接続します。
まずはパワーサプライの+側から
セレクタスイッチと接続します。
セレクタスイッチの配線していない方とターミナルリレーの端子5を接続します。
パワーサプライの-側とターミナルリレーの端子1を接続します。
端子1に配線を接続しようと、思いましたが、端子5の配線が邪魔です。
下側の端子から配線すればよかったです。二度手間でした。
端子5の配線(線番号1)を一度外して、配線します。↓
パワーサプライの+側とターミナルリレーの端子9を接続します。
パワーサプライの端子から配線しても良いですし、セレクタスイッチから配線しても大丈夫です。
今回はパワーサプライの+側(24V)から配線することにしました。
ターミナルリレーの端子13と表示灯を配線します。
端子13に接続したいですが、先に配線した端子9の配線(24V)が邪魔ですので端子9の配線を外してから取り付けます。
表示灯の配線していない方とパワーサプライの-側を接続します。
今回はパワーサプライの-側(0V)から配線しましたが、ターミナルリレーの端子1から配線しても大丈夫です。
動作確認
セレクタスイッチを操作して動作確認してみます。
セレクタスイッチをオンにしてみます。
照明が明るくて表示灯が点灯しているか分かりにくいですが、赤色に点灯しています。
セレクタスイッチをオフにします。
にコイルに電圧が印加されますと、表示灯が点灯します。
実演2
ランプを100V仕様のランプに変更します。
リレーのコイル端子はそのままで大丈夫です。接点側の配線を変更します。(赤枠部分)
↓左側が直流24V仕様の表示灯、右側は交流100V仕様の表示灯です。
まずは24V仕様の表示灯を回路から外します。
接点側の配線↓をすべて外しました。
1つめで二度手間になっていたので、今回は先に下側の端子から配線していきます。
ターミナルリレーの端子13と表示灯を接続します。
100V(L)とターミナルリレーの端子9を接続します。
表示灯と100V(N)を接続します。
動作確認
セレクタスイッチを操作して動作確認してみます。
オン。
点灯しているか分かりにくいですが、赤色の点灯しています。
オフ
コイルに電圧が印加されますと、表示灯が点灯します。
実演3
続きはこちら↓の記事です。
-
【実演】PLCの出力ユニットを使用したターミナルリレーの配線方法(後編)
続きを見る
まとめ:ターミナルリレーについて
今回はターミナルリレーについて紹介いたしました。
ターミナルリレーは4つのリレーが独立しているため、それぞれ制御可能です。
1つのリレーで1つの接点しか動かすことはできませんが、複数の接点が必要ない場合は、一般的なリレーを4つ使用するより、寸法が小さくなりますので、制御盤の小型化、スペースを有効に活用することができます。
1つのリレーで1つの接点しか使用しない場合は選定しても良いと思います。
少しでも参考になれば幸いです。