こんな方におすすめ
- スイッチングハブ(HUB)について知りたい方
- どんなHUBを購入すれば良いか迷っている方
- 産業用スイッチングハブとの違い
一般家庭や会社ではスイッチングハブが使われていると思いますが、近年はFA機器に使用されていることが多いです。
設備単体だけなく、ネットワークに接続されていたり、設備内の機器をEthernet通信で接続されていたりと、制御盤の中にハブ(HUB)が設置されている設備も多く見受けられます。
ネット環境の仕組みを理解するために、まずはネットワークの構築機器について理解する必要があります。
今回はスイッチングハブの概要や選び方などを解説していきます。
注意
一般家庭や小規模の企業で利用している細かな通信制御や設定ができないスイッチングハブが対象
目次
スイッチングハブとは?
スイッチングハブとは、パソコンや機器などを有線ケーブルで接続するための中継装置です。
複数の機器をネットに接続するために、接続を分岐する存在だと考えればわかりやすいです。
スイッチングハブの理解を深めるために、似たような機器との違いについても確認していきます。
リピータハブとの違い
リピータハブは、構造・動作が最も単純なハブで「バカハブ」と呼ばれていることがあります。
信号の増幅や波形の調整などの物理的処理しか行いません。
スイッチングハブと異なり、接続されている機器すべてに信号が送られます。
そのため、スイッチングハブよりもデータ転送の効率が悪いです。
現在はスイッチングハブが主流です。
スイッチングハブの選び方
スイッチングハブは、製品ごとに細かく特徴が分かれ、選び方が変わってきます。
環境、用途に適したスイッチングハブを選ぶ必要があります。
基準1.ポート数
一般向けのスイッチングハブは、5ポートタイプと8ポートタイプなどが主流となっています。
有線ケーブルで接続したい機器が多い、あるいは今後接続する機器が増える可能性が高ければ、8ポートタイプを検討するとよいでしょう。
企業で利用する場合は、16ポートタイプや24ポートタイプなど、ポート数が多いのを選定したほうが良いです。
基準2.通信速度
スイッチングハブが対応する通信速度は、主に100Mpss(100BASE-TX)と1,000Mbps(1000BASE-T)の2種類に分かれています。
最近では、データの大きさを問わず、1000Mbps(1000BASE-T)が主流です。
スイッチングハブの仕様に複数の速度が記載されている場合は、通信可能な最速で通信されます。
ネット回線が高速の場合、スイッチングハブも高速通信に対応していないと、通信速度が低下してしまいます。
回線速度を把握して選ぶことが大切です。
基準3.本体素材
本体の素材は「金属」と「プラスチック(樹脂)」の2種類があります。
本体の素材が金属であるタイプは、耐久性が高いうえに放熱性にも優れており、風通しが悪い場所での導入に適しています。
反対にプラスチックタイプは、放熱性には優れていませんが、重量が軽くて金額も安く、購入しやすい傾向です。
費用面を重視する方におすすめのタイプだといえます。
基準4.給電方式
電源は「ハブ本体に内蔵されているタイプ」と「ACアダプターの別電源」の2種類があります。
電源が内部に搭載されているタイプだと、コンセントが必要ないので見た目がスッキリします。
ただし、熱がこもりやすい点には注意しなければなりません。
反対にACアダプターによって給電するタイプであれば、熱をためにくいです。
ACアダプターは機種によりますが、コンセントに差し込む部分が大きくなりますので、電源タップにほかのアダプターがあると干渉したり、邪魔になるかもしれません。
また、コードの長さが決まっているので、コンセント部分が周辺でしか使えない点は、不自由だといえるかもしれません。
PoE
PoEとはPower over Ethernetの略です。
PoEに対応したスイッチングハブを使用すると、LANケーブルから電力(電源)を供給できます。
メリットして、コンセントの追加工事が難しい場所にスイッチングハブなどを設置する時などが挙げられます。
デメリットして、価格が高く、供給できる電力に制限があります。
産業用スイッチングハブ
生産設備、工場のネットワークを構築する場合に「産業用スイッチングハブ」を使用することがあります。
一般的なスイッチングハブと異なり、耐環境性が高く、異常発生の出力を備えているスイッチングハブです。
さらに、制御盤内に設置されることを想定されているのでDINレールに取り付けることができ、電源も直流24Vになっています。
まとめ
スイッチングハブの概要をはじめ、似ている機器との違いや選び方などを解説しました。
スイッチングハブは接続先を増やすための機器であり、ルーターは交通整理をするための機器ということがわかり、違いがよくわかったのではないでしょうか。
設備管理や保全業務の範囲は電気や水などの資源や設備だけでなく、データ通信にまで及んでいます。
設備管理の仕事に就いている方は、ネットワークに関する設備にも着目しておいた方が良いです。