2014年に刊行した「頭に来てもアホとは戦うな!」
恐ろしいくらい刺激的なタイトルで、思わず手に取ってしまった人も多いのではないでしょうか。
タイトル以上に内容も刺激的で、ビジネスマンだけでなく、社会人として働く上で必要な考え方を学ぶことができる非常に優れたビジネス書です。
普段から無駄な戦い(人とのかかわり)を避けることで、失敗のない人生を送ることができ、スムーズに自分を成長させることができる、そんなことが学べる内容になっています。
本を読むのが苦手な私がおススメできるビジネス書のひとつです。
さっそく魅力的な「頭に来てもアホとは戦うな!」の世界を覗いてみましょう。
目次
エリートが語る失敗談だからこそ説得力がある
著者である田村耕太郎氏は、いわゆるエリートです。
証券マンから政治家になり、現在ではシンガポールを拠点に企業アドバイザーや大学教授など、多種多様なジャンルで活躍しています。
しかし、一見すると非の打ち所がない完璧人間に見える著者も、たくさんの失敗を重ねて現在に至ったそうです。
証券マン時代には2年間成績がゼロ、政治家時代には酒席や権力争いで失敗、など、わたしたち一般人でもわかるくらいのミスをしています。
そんな人生を大きく揺るがすような失敗から学んだことが、本書の内容そのものであり、だからこそ説得力があります。
“アホ”とはどんな人なのか
本書のタイトルでひときわ目を引く部分が“アホ”ではないでしょうか。
陰でこそこそ言うならまだしも、社会人になってからこれほど露骨にだれかのことをアホ呼ばわりする機会はそれほど多くはありませんよね。
では、ここでいうアホとはどのような人を差すのでしょうか。
自分にとって不利益をもたらす人間こそが“アホ”
本書が伝えるアホな人とは、決して勉強ができない人であったり、なにかしらの能力が足りない人のことを言っているわけではありません。
どちらかと言えば、関わることで自分にとって不利益をもたらすようなタイプの人間をアホと呼んでいます。
たとえば、ライバルとして戦ったり、その人のためにあたまを悩ませるだけの価値がない人、自分に対して不条理なことをしてくる人、他人を蹴落として自分を高めようとする人などが該当します。
このように、一緒にいることでなにも得ることがなく、むしろ足を引っ張る人が周りにいるのであれば、それは自分にとっての障害であり、“アホ”な人です。
アホとの戦いを好んでしまう人も中にはいる
アホと関わらないことが重要であることは間違いありません。
しかし、中には自らアホとの戦いに出向いてしまい、エネルギーを無駄に消費してしまう人がいます。
以下の特徴を持っている人たちは特に気を付ける必要があります。
特徴
- 正義感、責任感が強い
- 自信家
- プライドが高い
- おせっかい
おせっかい焼きなどは典型的な例で、率先してめんどうごとに首を突っ込む傾向にあることから、アホと関わる機会が非常に多いです。
その結果、数年前に同僚に足を引っ張られてしまい、大きな揉め事までに発展し、心が疲れ切ってしまいました。
疲れ切っている時に読んだ本がこの本です。
当時はもっと早く読めば良かったと思いました。
アホと戦わずに済む4つの方法
アホと関係性を持たずにいられるのが一番ですが、生きていく上でそれは100%不可能な話であり、いつかはだれかしらのアホとかかわりを持つ(戦う)ことになります。
そのときに重要なのは、如何にしてアホと戦わないようにするかです。
大きく分類すると、以下の4つの方法が主に有効だと本書では語っています。
有効な方法
- アホと同じ土俵に立たない
- 怒りをコントロールする
- アホをうまく利用する
- 自分の目標に集中する
それぞれ見ていきましょう。
アホと同じ土俵に立たない
アホと同じ土俵に立つのはできるだけ避けるのが賢明です。
たとえば、取引先の担当がアホだった場合、同じ目線でビジネスをしていても不利を被る可能性が高くなります。
まともに相手をするのではなく、アホの相手をするだけ無駄であることを悟り、より良い方向にもっていけるような大きな目標や成果を提示してあげれば良いのです。
がっつり四つに組む相撲よりも、華麗に猛牛をいなす闘牛士が理想と言えます。
怒りをコントロールする
アホを相手にしていると、かならず沸き上がる感情が“怒り”です。
怒りに身を任せて行動してしまうと、そのままアホと対立関係になってしまい、状況が尚更悪化しかねません。
私はこれで失敗しています。
たとえアホと言えども、敵を作るのはまったくおすすめできません。
イライラしてしまうことがありますがが、一呼吸おき、怒りをうまくコントロールするようにしましょう。
アホをうまく利用する
敵を作らないという意味では、アホを懐柔(かいじゅう)してしまうのもひとつの手です。
無用な争いを避けることができますし、なおかつアホをうまく利用することができて一石二鳥です。
仕事上、どうしても関わらないといけない時があると思います。
話しかけるのが億劫になるかもしれませんが、笑顔で話しかけたり、褒めたりすると良いです。
そうやって関わっていくことで、いいところが見えてくることがあり、気持ちが少し楽になります。
「困っているので助けて頂けませんか?」と依頼したことがあります。
すると、快く引き受けて下さり、そこから少し関係性が良くなったことがあります。
人から頼られたい、人の役に立ちたいと思う人は多いのかもしれません。
自分の目標に集中する
自分の目標に向かって集中することも有効的な方法と言えます。
アホが介入するすきを与えず、ひたすら愚直なまでに一直線に走ります。
そうすることでアホが視界に入らなくなるので、必然的にアホとの関りを持つ機会も減るはずです。
まとめ:本を読み終えて
今回は「頭に来てもアホとは戦うな!」についてお伝えしてきました。
身を持って経験していますが、アホと呼ばれる人に振り回されては自分の時間やエネルギーを無駄に使うことになります。
中々実践するのが難しいところもありますが、無駄な戦いを避け、うまく回避して行きたいものです。
「頭に来てもアホとは戦うな!」はビジネス書としても、読み物としてもとても参考になり、そして面白かったです。
マンガ版やドラマ化もされていますので、自分に合った媒介で触れてみてください。
活字が苦手な方は短時間で読むことができるマンガ版がおススメです。
人間関係に悩んでいる方はきっと考え方が変わり、心がスッキリしますよ。