普段何気なくしようしているコンセント
実は自宅や会社にあるコンセントには極性があることをご存じでしょうか?
ただ、極性を間違えてトラブルが生じたという事態は、耳にすることがないため、知らない方が多いと思います。
私も最初は知らず、電気関係の仕事をしている途中で知りました。
同僚から「知らなかったの?」と言われた時は恥ずかしかった記憶があります。
そこで今回は、「コンセントの極性について」「合わせた方がよい場合」「3つの極性確認方法」をご説明します。
確認方法は動画でも解説しています。
すぐに動画で確認したい場合はこちらをご覧ください。
検電器で確認する場合
検電ドライバーで確認する場合
目次
コンセントには極性がある
乾電池やバッテリーなどの直流電源にはプラスとマイナスの極が決まっており、配線を間違えると動かなかったり、モーターなどが逆回転したりすることがあります。
そのため、極性の間違いに気づきやすいといえます。
一方、自宅や会社などにある交流電源100Vのコンセントに電源プラグを差し込むとき、向きを気にする人はあまりいないといえるでしょう。
実際に家電製品の電源プラグの向きを変えても、問題なく動作します。
その点も関係しているのか、電気工事を担当する人によっては、極性を考えずにいい加減な工事をする方もいるようです。
しかし、コンセントにも極性があります。
極性の見分け方として、差込口をじっくり見ると分かります。
左側のほうが長く、右側のほうが短くなっていることがわかります。
少し長いほうがコールド側、アース側や接地側、短い方がホット側や非接地側と呼ばれています。
もし極性が逆になっていたら、どうなるでしょうか?
最近は安全上のため、可能な限り電源を遮断して工事をすることがですので感電する可能性は低いかもしれませんが、工事される方がアース側だと油断して触ってしまえば、感電してしまう可能性もあります。
場合によっては極性の間違いが事故につながることがあります。
極性の間違いによる影響
家電製品の利用などにおいては、コンセントの極性による影響は感じないでしょうが、オーディオ機器によってはノイズや音質が変わると言われています。
オーディオ機器の中にはコードに印が記載され、極性を合わせやすいように工夫されている製品もあるようです。
オーディオ機器の品質が高いほど極性による音質の変化が高いといわれています。
コンセントと極性の向きを合わせるだけで音質が向上するのであれば、試してみる価値は高いといえます。
音質にこだわる方は、コンセントとオーディオ機器の極性について一度確認してみるとよいでしょう。
家電製品にも極性あり
オーディオ機器以外の製品にも極性はあります。
確認する方法として電源プラグの横に「W」や「記号」など極性を示す文字が書かれていたり、コードに白いラインがあったりします。
製品の中には何も書かれていない電源プラグも多くあります。
延長コードにも表示されている
何気なく使用している延長コードにも極性が表示されています。
「W」と書かれている側がアース側(非接地側)です。
コンセントにおける極性の確認方法
コンセントにおける極性の確認方法は以下の3つがあります。
確認方法
1.テスターを用いる方法
2.検電器を用いる方法
3.検電ドライバーを用いる方法
使用した工具は以下のとおりで、コンセントの極性を安く調べたい場合は「検電ドライバー」になります。
使用した工具 | メーカー | 型式 |
デジタルテスター | 三和電気計器 | PM-10 |
検電器 | 長谷川電機工業 | HTE-610L-R |
検電ドライバー | 兼古製作所(Anex) | No.2036-L |
1.テスターで確認する方法
まず、テスターを交流レンジに設定します。
その後、リード棒の片方をコンセントの片方の穴に差し込み、もう片方のリード棒はそのまま、又はコンセントの周囲の壁や床などにあてます。
電圧が高い方がホット側(非接地側)で、電圧が低ければコールド側(接地側)と判断できます。
上記の場合ですと、電圧差が小さいです。
はっきりと電圧差を確認したい場合は「台所のシンクの金属部分」や「冷蔵庫の電源プラグを差しているアース端子」にリード棒を当てると良いです。
リード棒が届かない場合は延長コードを使用すると良いです。
下図はシンクで試した結果です。
ホット側(非接地側)が75.3V、コールド側(接地側)1.26Vと大きく差がでたので判断しやすいです。
テスターの使い方を詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
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電気屋が伝授!アナログとデジタルテスターの使い方を図で分かりやすく説明
続きを見る
今回使用したテスターの後継機になります。
2.検電器で確認する方法
検電器とは電気機器や回路に電気が通っているかを調べるための道具です。
極性を確かめる際は検電器をコンセントの穴に差し込み、ランプが発光するかを確認します。
発光するのであればホット側(非接地側)、発行しないのであればコールド側(接地側)だとわかります。
検電器を使用する前にボタンを押して動作確認を行いますが、心配な私は検電器が故障していないかを調べるために、ホット側に差し込んで反応を何度も確かめることもありました。
差込だけで分かるって楽ですね。
今回使用した検電器になります。
3.検電ドライバーで確認する方法
検電ドライバーは先端がマイナス(-)になっており、検電器と同様に電気機器や回路に電気が通っているかを調べるための道具です。
極性を確かめる際は検電ドライバーをコンセントの穴に差し込み、ランプが発光するかを確認します。
発光するのであればホット側(非接地側)、発行しないのであればコールド側(接地側)です。
検電ドライバーのヘッド部分は金属になっていますので、ホット側(非接地側)に検電ドライバーを差し込んでいる時は触ると感電する恐れがありますので注意です。
今回使用した検電ドライバーになります。
まとめ:電気関係の仕事をするなら理解しておくべき
音響にこだわる方を除いて、会社や家庭で極性を意識する方はほとんどいないかもしれません。
仮に極性が逆になっていたとしても家電製品は問題なく動作するで、そこまで気にする必要はないと思います。
ただし、電気関係の仕事に就くのであれば話は別です。
意外と知らない方が多いですが、コンセントの極性についても理解しておいた方が良いでしょう。
役に立つことが来るかもしれません。