突然ですが、皆さんに質問です。
この下図の機器↓を仕様書や図面に書くときに何と書いていますか?
「ブレーカ」、「ブレーカー」どちらが正しいでしょうか?
仕様書や図面を確認すると、配線用遮断器のことをカタカナでブレーカ、ブレーカー、どちらでも書かれていることがあります。
他にも電気関係の仕事をしていると、電動機をモータ、モーター、工具であればニッパ、ニッパーなど、語尾を伸ばさないのか、どちらが正しいのか迷ったことはありませんか?
今回の記事では単語の語尾を伸ばすのか、伸ばさないのか、そんな疑問を解決していきます。
動画でも紹介していますので、動画が好きな方はこちらをご覧ください。
" ー " の名称
ご存知の方が多いかもしれませんが、この記号、長音符、長音符号と言います。
他には棒引き(ぼうびき)、伸ばし棒、横棒とも呼ばれます。
今回の記事では横棒と呼んでいきます。
まず、結論から「伸ばすか伸ばさないか、どちらであっても間違えではありません」
語尾に関する根拠について
根拠は2つのルールがあります。
語尾に関する根拠
・文化庁の内閣府告示
・JIS(日本産業規格)JIS Z8301
それぞれ説明していきます。
まずは文化庁の内閣府告示からです。
全文記載すると長くなりますので一部割愛しています。
Ⅲ 撥(はつ)音,促音,長音その他に関するもの
3 長音は,原則として長音符号「ー」を用いて書く。
注3 英語の語末の‐er,‐or,‐arなどに当たるものは,
原則としてア列の長音とし長音符号「ー」を用いて書き表す。
ただし,慣用に応じて「ー」を省くことができる。内閣府告示第二号 外来語の表記 留意事項その2(細則的な事項)
ということで、原則はーを用いますが、習慣として長い間広く使われてきた場合はーを省いてもよいということが書かれています。
つぎは日本産業規格JIS Z8301:2019規格票の様式及び作成方法です。
こちらの付属書H「文章の書き方,用字,用語,記述符号及び数字」には次のように書かれています。
H.6 外来語の表記
外来語の表記は、主として”外来語の表記(平成3.6.28内閣告示第2号)”による日本産業規格JIS Z8301:2019規格票の様式及び作成方法
と書かれています。
このことにより内閣府告示の「原則はーを用いますが、習慣として長い間広く使われてきた場合はーを省いてもよい」ということになります。
参考までに、この記事を作成している時のJIS Z8301は2019年に改訂され、内閣告示に準拠することになっていますが、昔のJISでは以下のように記載されていました。
昔のJIS
・3音以上からなる用語は長音を省略
・2音以下からなる用語は長音を記述
まとめ:語尾はどちらでも良い
今回は長音符についての疑問を解決するための記事でした。
用語の語尾を伸ばす、伸ばさない、どちらでも間違えではないのですが、私は原則に従って、語尾を伸ばしたいなと思いました。
まずは勤めている会社での語尾の統一を考えましたが、結構難しそうですね。