あなたは有接点タイマリレーのオンディレイ動作とオフディレイ動作を説明できますか?
最近はPLCを使用することが多いため、以前と比べてタイマリレーを使用する頻度は減りましたが、PLCを使用しない場合は制御としてタイマリレーを利用することはあります。
また、PLCを使用する場合にもタイマー動作としてオンディレイとオフディレイを使用するため、タイマーに関する知識を深めておく必要があります。
今回はタイマリレーに関する疑問を解決するために、「オンディレイとオフディレイの違い」「タイマーの種類」「タイマーの配線方法」について説明します。
この記事を読んでタイマーリレーに関する理解を深めましょう。
動画でも説明しています。
目次
タイマリレーとは
一般的なタイマーリレーは、限時継電器とも呼ばれ、信号を受けてから設定時間が経過後、接点を開閉します。
イメージとしてリレー(継電器)の動作にタイマー機能が付いたリレーと思えば良いです。
上記写真はソケット(端子台)に差し込みタイプのタイマリレーです。
また、タイマー動作には2種類あり、オンディレイタイマとオフディレイタイマがあります。
JIS C 0617の図記号で表すと下図のようになります。
(2020年3月23日修正)
オンディレイタイマ動作
オンディレイタイマー(限時動作瞬時復帰接点)はコイルが励磁されてから設定時間経過後に接点が動作し、コイルが消磁した時にすぐ復帰する接点動作のことを言います。
ポンプなどを設定時間の間だけ動かしたい場合に利用します。
タイムチャートで動作を表すと上図のようになります。
タイムチャートを始めてみる方はこちらから学ぶことができます。
オフディレイタイマ動作
オフディレイタイマー(瞬時動作限時復帰接点)はコイルが励磁されると、すぐに接点が動作し、コイルが消磁してから設定時間経過後に接点が動作することを言います。
家の玄関の照明(人が近づいてから一定時間は消灯しない)などに使用されています。
瞬時と限時について
オンディレイタイマを限時動作瞬時復帰接点といいますが、この「限時」という言葉は聞いたことがありますか?
初めての方には聞きなれない言葉だと思いますので、「限時動作」と「限時接点」、併せて「瞬時復帰接点」について説明します。
限時動作
設定された時間で遅れて動作することを言います。
限時接点
時間の遅れがある接点を限時接点と言います。
また、接点が復帰する(戻る)場合は、限時復帰接点と言います。
瞬時復帰動作
すぐに接点が動作することを言います。
タイマリレーの種類
タイマーには設定時間単位を変更できるタイプや曜日によってオンオフするタイプ、フリッカー動作するタイプ等、さまざまな種類があります。
また、タイマの種類によっては「アナログ式」と「デジタル式」があります。
タイマーを購入する時は使用したい設定時間をしっかりと確認しましょう。
タイムスイッチ
タイムスイッチは曜日ごとや時刻に合わせて負荷をオンオフするタイマーです。
設定した時刻になると点灯、消灯するので毎回人がオンオフ操作しなくてよいです。
学校のチャイム、駐車場やお店の看板の照明などに使用されています。
中にはソーラータイプや停電時の時刻修正が必要ないタイプなど、幅広い種類があります。
設定した後にもう一度間違えがないか再確認しましょう。
Y-Δタイマリレー
容量の大きい電動機を始動する時は通常の電流より大きい電流が流れます。
この始動時の電流を抑えるためにY-Δ始動法を使用することがあります。
そのときにY-Δタイマリレーは、容量の大きい電動機の始動電流を減少させるために使用されます。
タイマリレーの端子番号と接点
今回は私がよく使用するオンディレイ仕様の一般的なタイマーリレーで説明します。
配線は有接点リレーと同じ配線となります。
13番と14番はコイル端子(電源部)です。
この13番と14番に電圧を加えると、タイマー回路の計測部が働きます。
そして設定時間になると接点が開閉します。
コイル電圧が直流の場合は13番に-側の配線を14番に+側の配線を接続します。
どちらがプラスかマイナスか分からなくなった場合はタイマリレー側面に書かれている回路を確認しましょう。
次は接点です。
今回の説明するタイマリレーは2Cです。
a接点として使用する場合は、端子台「5」と「9」または「8」「12」に配線を接続します。
b接点として使用する場合は、端子台「1」と「9」または「4」「12」に配線を接続します。
まとめ:有接点タイマを使用するにあたり
タイマー動作は制御の中で必要な知識です。
今回はタイマの基本的な動作である「オンディレイ動作」と「オフディレイ動作」について説明しました。
タイマには他にも動作として「フリッカ動作」「インターバル動作」などがあり、様々な種類があります。
設定したい時間、接点数や動作タイミングなど用途に合ったタイマを選定しましょう。
また、設定時間に間違えがないようにしっかりと確認しましょう。