先日、何気なくツイッターを眺めていたところ、おすすめの本と題して「人を動かす力」を推している書き込みを見ました。
だから、何度も言ってるけど。
「コミュニケーション力高めたい」「良い人間関係を築きたい」「ファシリテーション力つけたい」とかもうそういう事を繰り返し言ってないで、D・カーネギーの「人を動かす」を読んで半年間に忠実に実行してくれ。それだけで人生変わるから。
実践してくれ、マジで。
— かず☞中小専門組織コンサル (@kazubw) December 3, 2019
かなり有名な本ですが、恥ずかしながらこのツイートを見て初めて知り、仕事上の人間関係に悩んでいた私は非常に興味を引かれたので即購入することにしました。
さっそく読んでみたところ、真新しい情報こそなかったものの、あたまでは理解していても実際には行動に移せていないことに改めて気づかされる結果となり、今ではわたしのビジネスシーンにおいての1つのバイブルとなっています。
まだ読んだことのない方はぜひ読んでみて下さい。
読むのが苦手な方は「マンガで読み解く人を動かす」がおススメです。
私はマンガ版も購入しましたが、コチラの方が頭に入ってきやすかったです。
目次
D・カーネギーってどんな人?
聖書の次に普及しているとまで言われている本書ですが、そうなると気になるのが、「だれが書いているのか?」です。
デール・カーネギーというアメリカの作家が書いたもので、「人を動かす」は日本でも430万部、世界で1500万部以上という大ベストセラーを誇っています。
わたしたちにとっても馴染み深い村上春樹さんの「ノルウェーの森」でさえ1000万部ですから、どれだけ読まれているのかがよくわかります。
さて、そんなカーネギーですが、もともとは作家ではなく、教師やセールスマンなどの職業を転々としていたそうです。
どれも長続きしない中、学生時代に学んだ弁論術を活かすことで、ようやく才能が開花します。
その結果、セールスやスピーチなどの対人ジャンルで大きな成功を収めることになり、現代でも語り継がれるほどの著書「人を動かす」が生まれたのです。
「人を動かす」を読んだ感想
本書は全4部構成で、1999年改訂版より、おまけとして5部目も追記されています。
PRAT1:人を動かす三原則
PART2:人に好かれる六原則
PART3:人を説得する十二原則
PART4:人を変える九原則
付:幸福な家庭をつくる七原則
全体を通して読んでみたところ、ほとんどがカーネギーの体験談からくる人付き合いの“コツ”書いて、正直なところ真新しい情報はありませんでした。
ただ、それが返って参考になるというか、「知っているけどできていないよな」という気づきになりました。
タイトルにもなっているとおり、第一章の部分にすべてが凝縮されていて、人を動かすためにはどうすれば良いのかがわかりやすく解説されています。
たとえば、目次の中に「重要感をもたせる」とありますが、あれやって、これやってと言ってもよほど信頼のおける相手でない限り、「なんで俺が」となり、行動してくれませんよね。
しかし、そこに重要な要素をもたせることで、人は自主的に動くようになります。
「今すぐ資料を作らないと、15時の会議に間に合わない」
となれば、たとえ命令であったとしても、自分にもリスクがある分、かならずなんとかしようと動いてくれるはずです。
これを読んで、なるほどなと思ったのはわたしだけではないでしょう。
他にも、「盗人にも五分の理を認める」や「人の立場に身を置く」といった目次があり、それぞれやや状況が現代とは異なるものの、充分に通用するノウハウが詰まっていました。
「マンガで読み解く人を動かす」の感想
新装版や文庫版と異なり、「マンガで読み解く人を動かす」は原作を元に10話のマンガ形式で書かれています。
文が全くないわけではありません。
マンガの1話が終わるたびに原則が2,3ページの文でまとめられており、読みやすかったです。
また巻末には30の原則が一覧でのっているので、後から原則を思い返すのに良いです。
「人を動かす」から学んだ3つの“考え方”
わたしが本書を読んで学んだことは3つあります。
学んだこと
① 相手の立場になってみる
② 相手の考えを受け入れる
③ 敬意をもって接する
終始一貫してこのようなことが書かれており、わたしには充分に刺さりました。
①相手の立場になってみる
以前書いた記事「なんでもすぐに否定・批判する人とうまく付き合う方法」でもお話ししていますが、相手の立場になって考えてみることは、対人において非常に重要だと学びました。
相手がどう物事をとらえているか、なぜ怒っているのか、なぜ批判してくるのか、そういったこちらからは見えない部分が見えるため、トラブル回避として大いに役立っています。
さらに、相手の立場が分かれば、今どうしてほしいかがわかるので、動かすのも簡単です。
がんばって仕事をこなしたのであれば褒める、うまくいってないのであればフォローするなど、言葉には出ない要求をさりげなく埋めてあげれば、こちらの思い通りに動いてくれるようになります。
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なんでもすぐに否定・批判する人とうまく付き合う2つの対策!
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②相手の考えを受け入れる
10人いれば10通りの考えがあり、それぞれに独自の見解や意見をもっているもの。
そこを否定したり、批判してしまうと、かならずトラブルにつながります。
そうではなく、どんなに否定的な意見でも、一度は自分の中に納めて受け入れてみてください。
口論している最中なら絶対に気づかないことも、相手の考えを受け入れることで見えてくるものもあります。
頭ごなしに否定しているわけではなく、きちんとしたロジックを伴った否定なのかもしれません。
自分が受け入れられないから拒否しているようでは、トラブルの絶えない対人スキルしか身につきません。
③敬意をもって接する
立場は違えど、どんな相手でも同じ人間です。
ですから、だれにでも敬意をもって接することが重要であり、相手を尊重することにもつながります。
部下や後輩だからといって、パワハラまがいに命令しても動いてはくれませんし、いつかは自分が手痛いしっぺ返しをくらう羽目になりかねません。
もちろん、上司に対しても尊敬の念を忘れず、できること以上の仕事を心掛けていれば、気に入られ、出世の道も近づくというもの。
重要なのは本の内容を実生活でどう活かすか
たくさんの役立つマインドやスキルが記されている本書。
私も良くあるのですが、ただ読むだけでは、「へぇ~、そうなんだ」で終わってしまい、なにも身になりません。
ここで重要なのは、如何に本の内容を実生活に活かすことです。
読み流すことならだれでもできます。
偉そうなことを言っていますが、正直なところ、以前のわたしはあまり人間関係を構築するのが得意ではなく、内向的で自分勝手なところがありました。
しかし、今では前述した3つの学びを基にして、同僚との関係を円滑にすることに努めており、否定的な意見に対しては受け止め、決して最初から対立したりせず、相手の真意を推し量るよう努力しています。
まだまだ自分の理想には遠いですが、前より良くなったと感じていますし、実際に上司や同僚から「なんか雰囲気が変わったね」と言われました。
もちろん、他の部分でも本書の内容はとても参考になり、人に好かれる方法や、説得する方法、変える方法、どれも実用的です。
本記事を読んで、「人を動かす」が気になったのなら、ぜひ一度本書を手に取ってみてください。
対人トラブルに悩んでいたり、人との付き合い方がわからないと感じているなら、かならず役に立ちます。
社会人なりたての頃や20代にこの本に出会いたかったと思いました。