こんな方におすすめ
- 押しボタンの種類を知りたい方
- 押しボタンの構造、接点構成を知りたい方
今回は操作をするために必要な押しボタンスイッチについて
記事の内容
1.種類、モーメンタリ、オルタネイトの違い
2.接点 a接点やb接点、c接点の違い
の内容を紹介していきます。
内容は制御入門編として初めての方向けとなりますが、知っているかたも良かったらご覧ください。
文字数が多くなることから、2部構成に致しました。
本記事は第1弾、第2弾としては「押しボタンスイッチの配線方法」を紹介していきます。 続きを見る
【図解】押しボタンスイッチ② 初心者向けの配線方法を紹介!
YouTubeでは第1弾と第2弾、合わせた内容となっております。
目次
押しボタンスイッチとは?
まず、押しボタンスイッチとは、設備の運転や停止などの制御に用いられ、ボタンを押すことによって電気回路をON/OFFする部品になります。
この電気回路をON/OFFする部分を接点といいます。
押しボタンスイッチの種類
電気回路をオンオフする押しボタンスイッチは種類として、モーメンタリスイッチ、オルタネイトスイッチの2つに加えて、照光(しょうこう)スイッチがあります。
種類についてはカタログで、スイッチの調べていると動作方式に「モーメンタリ」と「オルタネイト」と記載されています。
モーメンタリスイッチ
手動操作自動復帰接点や自己復帰型とも言います。
押した時だけON、手を離すとOFFになるスイッチです。
通常はこのモーメンタリスイッチが用いられます。
生産設備を例に挙げますと、運転ボタン、停止ボタン、リセットボタン、ブザー停止ボタンなどに使用されます。
オルタネイトスイッチ
手動操作残留接点や自己保持型とも言います。
見た目はモーメンタリと同じに見えるますが、1度押して手を離しても、ONの状態のままです。
実際にオルタネイト式スイッチを押した後に手を離しましたが、スイッチ部分は押されたままです。
OFFするためにはもう一度スイッチを押す必要があるスイッチです。
もう一度押してみます。
すると、元の押されていない状態に戻ります。
オルタネイトに関する疑問
Youtubeでオルタネイトを使用に関して質問を頂きました。
押しボタンS/Wをオルタネイトに変えても保持するとは思うのですが、回路上で保持させた方が利点があるか?
単純なオンオフ回路でしたら、問題ないと思いますが、もう1度同じボタンを押すのは作業上、操作間違いが起きやすいのではないかと個人的には思います。
運転、停止、リセット、ブザー停止などはモーメンタリを使用、オルタネイトは(タッチパネル画面や盤内の見えにくいところに設置して)メンテナスモードなど、インターロック回路無効など、一時的に使用するときに使用しています。
あとは、複数のオルタネイト動作の押しボタンスイッチを使用した場合、ON状態を保持しているので複雑な制御になると、誤作動の原因になる恐れがあります。
設備に全く使用されていないわけではありませんが、使用するときはランプで状態を点灯させる等、注意する必要があります。
照光(しょうこう)スイッチ
上の画像は押しボタン部分に光源が内蔵されており、LEDなどが点灯するスイッチです。
動作としてモーメンタリ、オルタネイトのどちらかを選択できます。
ボタン部分を光らすための光源には電源が必要となります。
使用例として、生産設備の中には運転ボタンに使用され、設備が運転中はボタン部分が点灯しているスイッチもあります。
試しに電源を供給してみると、下の画像のように点灯します。
照明が明るいとランプが点灯しているか分かりにくいので照明を消して暗い状態で確認しています。
押しボタンスイッチ 接点の種類
押しボタンを押すことで動作する接点の種類についてです。
押しボタンスイッチの接点の種類としてa接点、b接点、c接点があります。
図記号(JIS C 0617)では下の画像のように書かれます。
参考までに、全部の図面ではありませんが、押しボタンスイッチ文字はPB、PBS、Sなどのアルファベットに加えて、通し番号を付けられて表されることが多いです。
a接点の構造・しくみ
通常は開いており、動作するときに回路が閉じる接点です。
メーク接点またはノーマリーオープン接点、NOとも呼ばれます。
テスターで導通状態を確認してみます。
押す前はO.L つながっていません。押すと0Ωを示しますので、導通していることが分かります。
b接点の構造・しくみ
常時閉じていて、動作したときに回路を開く接点です。
ブレイク接点、ノーマリークローズ接点、NCとも呼ばれます。
a接点とは逆の動きをし、自己保持回路をリセットするためのスイッチや、非常停止スイッチに使用されます。
こちらもテスターで導通状態を確認してみます。
押す前は0Ωでつながっています。押すと接点が離れる為、o.Lになります。
c接点の構造・しくみ
c接点は、a接点とb接点を1つにまとめた、可動接点部を共通(COM,common)にした接点です。この押しボタンスイッチがC接点です。
a接点とb接点の両機能を持っており、トランスファ接点、切り換え接点とも呼ばれています。
通常時はb接点がつながっており、ボタンが動作するとa接点がつながり、b接点がはなれます。
接点構成
押しボタンスイッチの仕様を選択するときに接点数にも気を付けなければいけません。
接点の種類を「a、b」接点数を「1、2など」数字で表します。
例えば、上画像の押しボタンスイッチは1aです。
a接点が1つのスイッチになります。
下画像の押しボタンスイッチは1a1bです。
a接点が1つ、b接点が1つのスイッチになります。
小さい押しボタンスイッチは違いますが、どのメーカーもa接点は青色、b接点は赤色のように違いが分かるように色がわけられていたり、文字が記入されていたります。
まとめ:押しボタンスイッチ
今回は押しボタンスイッチに関する記事の第1弾として、種類と接点構成ついて紹介しました。
見た目はシンプルな部品ですが、接点構成や動作などたくさん組み合わせがあります。
先程も申し上げましたが、私自身、仕事で仕様を間違えて購入した経験があり、スイッチが届いてからあせった経験があります。
慣れていない方は、わたしのように間違えないよう、仕様に適したスイッチを選びましょう。
第2段は押しボタンスイッチを使用した配線方法になります。
これから配線を勉強される方、ぜひ見てください。
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