丸形やY形などの裸端子用圧着工具の使い方は覚えていますでしょうか?
不適切な圧着をした場合、感電や焼損事故につながる恐れがあります。
今回の記事は安全で確実な圧着作業を行うための、正しい使い方やコツを紹介しています。
この記事を読んで正しい圧着工具の使い方を覚えましょう。
動画版もあります。
ワイヤストリッパーの使い方と圧着工具、別々の動画になっています。
こんな方におすすめ
- 裸圧着端子で圧着するまでの詳しい手順を知りたい方
- 裸圧着端子を圧着するときの注意を知りたい方
目次
裸圧着端子を圧着するまでの手順
電線に端子を圧着する手順は3ステップで行います。
今回は圧着工具(ペンチ)で電線サイズ1.25sqにY形の裸圧着端子を圧着する方法を手順を詳細に解説していきます。
必要な部材と工具は以下の通りです。
1.電線の被覆を剥く
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1ワイヤストリッパーの穴に電線を通す
ニッパーやペンチで被覆を剥くこともできますが、芯線を傷つけたり、芯線を切ってしまう可能性があります。
芯線が傷ついたり、芯数が少なくなったりすると、抵抗値が高くなり、発熱の恐れがあります。
そこで、ワイヤーストリッパーという専用の工具を使って電線の被覆を剥いていきます。
ワイヤストリッパーには「手動タイプ」と「自動タイプ」の2種類があります。
手動タイプは被膜を挟んで引き抜きます。
自動タイプはバネの力によって自動的に被膜が剥けます。
私は手動タイプが苦手なので、ここでは私がお勧めする自動タイプで説明していきます。
電線を剥くときの穴について
ワイヤストリッパーには電線を剥くための穴がいくつかあります。
電線のサイズに合わせて、適切な穴を使用する必要があります。
もし、サイズが合っていない穴で電線の被覆を剥くと電線を傷つけたり、うまく被覆が剥けません。
上図の例
電線サイズが1.25sqの場合はワイヤストリッパーの「1.25」の穴を使用します。
どうしても電線のサイズが分からない時は、大きい穴から順番に電線のサイズを確認していきましょう。
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2電線の被覆を6mmから7mm剥ぐ
電線の被覆は6~7mmほど剥ぎます。
ぎゅっと握るとバネの力で持ち手が自動で開きます。
ストリッパーは心線を傷つけず早くて簡単に皮を剥けることができ、効率が良いです。
また、ストリップケージがあるので、ゲージを6mm~7mmの位置にセットしておくと、毎回同じ長さで被覆を剥くことができます。
何度も被覆を剥くときは利用しましょう。
2.裸端子を圧着工具にセット
電線の被覆が剥けたら、次は圧着工具で裸圧着端子を圧着します。
これは裸圧着端子を圧着するための工具で、上図の工具は電線サイズ「1.25」「2.0」「5.5」「8.0」用です。
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1ぎゅっと持ち手を握る
圧着工具の持ち手をぎゅっと握ると、カチカチっと音がして圧着工具が開きます。
外側に開こうとしても開きませんので、一度閉じた場合は最後まで閉じましょう。
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2裸圧着端子を軽く挟む
次は先端のダイスと呼ばれる部分に裸圧着端子を挟みます。
裸圧着端子を圧着する時は、適切な場所でしなければなりません。
上図では上から「1.25」「2.0」「5.5」「8.0」となっています。
また、圧着端子は圧着する向きが決まっているので、上図のように膨らんでいる部分を潰します。
3.圧着工具で圧着する
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1セットした裸圧着端子に電線を通して圧着
電線を圧着端子に通した後、圧着工具をぎゅっと握って圧着します。
きれいな圧着をするために、剥いた電線と圧着端子の位置に注意しましょう。
1つの圧着端子に複数の電線を圧着してはいけません。
圧着時に注意すること(圧着不良例)
圧着作業をするときに注意することがあります。
電線の被覆を噛みこまないように注意しましょう。
また、ダイスの位置も、真ん中で圧着するようにしましょう。
下図に圧着不良の一例をまとめましたので、参考にしてください。
まとめ
今回は裸圧着端子用圧着工具の使い方を紹介しました。
裸圧着端子は配線をするために必須な作業です。
最初は難しいと感じるかもしれませんが、何度か作業するうちに慣れてきます。
正しい圧着工具の使い方を身に着け、安全に丁寧な圧着作業を行いましょう。