今回の記事ではリミットスイッチについて、どんな機器か、実物を用いながら、概要をはじめ、仕組みや種類、用途などを紹介していきます。
動画版は↓こちらになります。
リミットスイッチとは
リミットスイッチは、設備を制御するために物体を検出するスイッチであり、金属や樹脂でつくられたケースにマイクロスイッチが組み込まれています。
図面ではLSと書かれていることからLSと呼ばれることもあります。
マイクロスイッチとは上画像にような物体を検出するためのスイッチです。
マイクロスイッチについては、以下の記事をご覧ください。
動作はマイクロスイッチと同じですが、強固なケースを用いているため、マイクロスイッチよりもハードな環境、例えば、水や油・塵などと接触する場所、高温や低温の場所、機械的強度が必要なところ(大きな衝撃を受けるところ)などで使用できます。
左側が樹脂製のケース、右側が金属製のケースです。
リミットスイッチの中身は↑画像のような感じになっていて、ここの端子台に配線を接続します。
画像のリミットスイッチはオムロンの「D4N-2120」になりますが、a接点とb接点があります。
リミットスイッチの使用用途
リミットスイッチはどんなところで使用されているか。
自分が勤めている業界では荷物を載せるパレットを搬送する設備やパレットを洗浄する設備で、パレット位置を確認するための在荷確認などにリミットスイッチが使われています。
あとはバルブの開閉状態の検知、ベルトコンベアなど設備の可動部の位置を検出するために使用されます。
身近な例になりますと、エレベーターの停止にも使われています。
エレベーターのカゴ(人が載る部分)が所定位置に到着したとき、リミットスイッチが動作してカゴを停止させる仕組みです。
そのほか、リミットスイッチの用途として挙げられるのが除塵機の運転です。
除塵機は塵やごみなどをかき集めて除去する機械設備であり、河川設備や汚水処理施設などで使われます。
除塵機は自動で塵やごみをかき集めますが、常に運転しているわけではありません。かき集めて除去したあとに、停止するようになっています。
かき集める部位を決まった位置に停止させるために、リミットスイッチが用いられます。除塵機のリミットスイッチに被検出物体にあたって、運転サイクルが終了する仕組みです。
リミットスイッチの種類
リミットスイッチは、アクチュエータと呼ばれる機械的検出部で、物体との接触を検出し、接点が動作します。
アクチュエータは検出物の形状や動きに応じて色々な形状があります。
今回の画像で写っているリミットスイッチのアクチュエータは「ローラ・レバー」「可変ローラ・レバー」「ロッドレバー」の3種類です。
また、リミットスイッチは主に縦形と横形のタイプに分けられます。
↑画像のリミットスイッチはいずれも縦形とよばれるリミットスイッチです。
縦形と横形の違いについて
画像はモノタロウさんのWebサイトになります。
縦形タイプが汎用的であり、上面にアクチュエータが付いていて、下面から外部接続用のケーブルが引き出されます。ケースは垂直方向に長いです。
横形タイプも上面にアクチュエータが付いていますが、外部接続用のケーブルは側面から引き出されます。ケースの形は水平方向に長いです。
そのほか、接点が溶着してしまったときに強制的にオフにできるセーフティー仕様のリミットスイッチもあります。
リミットスイッチが動作する仕組み
ローラ・レバー式アクチュエータが動作する仕組みを例として挙げてみます。
まず、検出物体がアクチュエータに向かって接触し、アクチュエータが押されて回転します。
アクチュエータ部分を分解してみます。
すると、回転したカムがブランジャーを押して、プランジャー先端に取り付けられている内蔵スイッチの可動接点が移動します。
確認するためにアクチュエータを元に戻します。
このようにアクチュエータがおされることにより、内蔵スイッチの接点がONOFFします。
まとめ
今回はリミットスイッチの仕組みや種類、用途などを説明いたしました。
最後に簡単にまとめて終わりにします。
ポイント
リミットスイッチは、アクチュエータに検出物体が接触したとき、機械的な連動によって電気回路の接点をオンにする部品です。
パレット搬送設備や洗浄機、バルブ、ベルトコンベア、エレベーターなど、さまざまな設備の運転制御で活用されています。
設備の動作に異常があるとき、リミットスイッチの故障が原因のケースもあります。
万が一のトラブルに素早く対処できるよう、リミットスイッチについて理解を深めておくことが大切です。