先日、後輩から
「電験3種を受けようと思うのですが、初心者にはどの参考書がおすすめですか?」
と質問されました。
私が合格したのは8年前になり、当時使用していた参考書を勧めるのは微妙だなと感じました。
さすがに長い年月が経つと、参考書も改訂されたり新しい参考書が発売されたりと様相が変わってきています。
当時の私はいくつもの参考書を買ってしまい、中には全然使用しなかった参考書もあります。
後輩には同じようなミスをしてほしくないですし、効率よく最短で合格してほしいと思い、2020年4月現在で発売されている参考書を確認することにしました。
ネットの情報をまとめるだけでは信ぴょう性が低いと思われますので、実際に本を購入して自ら読んで比較してみました。
今回はネット上で評価の高い参考書や私や同僚が使用していた昔から出版されている参考書「理論」、5つに絞ってレビューしていきます。
数あるサイトの中から、このページに来ていただいたという事は最新の情報、リアルな情報が欲しいからだと思います。
このサイトにたどり着いたのも縁ですので、ぜひ、参考にしてみて下さい。
目次
参考書を選ぶ基準について
個人の好みがあると思いますが、私が参考書を選ぶ時は以下のポイントに注目しています。
今回は3つのポイントにそってレビューしていきます。
3つのポイント
1.解説が詳しくのっているか。⇒理解を深める為。
2.イラストや図が見やすいか。⇒理解を深める為。
3.問題数が多いか。⇒問題に慣れる為。
1.解説が詳しく乗っているか
電験3種になると、過去問だけで合格するのは厳しいです。
内容も理解しておかなければ新しい問題が出題されたときに応用が利きません。
解説が詳しく乗っていると、理解を深めることができるので解説が丁寧な参考書が良いです。
参考書の中には計算が省略されていることがありますので、初心者の方は丁寧な解説が書かれている参考書を選ぶのが良いです。
2.イラストや図が見やすいか
文章だけの参考書を見ると、嫌になりませんか?
私は読み気がしません。
文章の間にイラストや図、表があると見やすいですし、なにより理解が深まります。
また、文字や印刷色も気にしています。
3.問題数が多いか
あたりまえのことですが、参考書を読んでいるだけでは合格できません。
実力を確認するために問題を解いて、理解しているか確認しています。
購入した参考書の問題数が少ない場合は過去問題集と併せて使用すると良いです。
今回レビューした参考書5つ
前置きが長くなりましたが、レビューした結果を紹介していきます。
TAC みんなが欲しかった電験三種シリーズ
みんなが欲しかった電験三種理論の参考書&問題集
おすすめ度:
価格:3000円(税抜)
ページ数:828ページ
著者:TAC
出版社:TAC出版開発グループ
■特徴
・教科書と問題集が別々になっており、セパレート式
・フルカラーで見やすいレイアウト
・問題数も豊富で、ブラインドシート付
■その他
・はじめの一歩、理論、電力、法規、過去問題集の計5種類が販売されています。
項目 | 評価 |
解説 | 丁寧 |
見やすさ(イラストや図) | 見やすい |
問題数 | 多い 213問 |
また、他の参考書として比較するとフルカラーで見やすく、問題と回答が右と左ページに分かれていて解きやすいです。
ページ数は828ページと分厚いですが、教科書と問題集にセパレートできるので持ち運びには問題ありません。
発行部数は分かりませんが、5刷発行ということで人気のある参考書であることが推測されます。
教科書の説明後に問題集の何問目が対応しているか記載されているなど、各所細かい配慮がされています。
ネットでこのシリーズの評判が良い理由が分かります。
誰でもわかる電験参考書シリーズ
誰でもわかる電験参考書 理論
おすすめ度:
価格:2637円(税抜)
ページ数:708ページ
著者:誰でもわかる電験参考書 研究会
■特徴
・電気初心者でも理解しやすい丁寧な解説
・カラーで図が多い
・電子書籍版のみの販売
■その他
・理論、電力、機械、法規、電験超入門、電験数学、電験三種合格(サポート)マニュアルと幅広く発売されています。
項目 | 評価 |
解説 | 丁寧 |
見やすさ(イラストや図) | 見やすい |
問題数 | 少なめ 118問 |
感じたことは2つ。
まずは電子書籍版しか販売されていません。
これは好き嫌いが分かれるところです。
しかし、メリットは十分にあり、タブレットやスマホにデータを入れれば、場所を選ばず隙間時間を有効に利用できます。
また、電子書籍での改定は容易のため、書籍と比較すると頻繁に改訂されています。
最新の傾向に対応して頂けるのは良いと思います。
もう1つはページ数の多さです。 728ページとボリュームがあります。
実際に読んでみると分かりますが、説明や問題の解説が丁寧で多いからだと言えます。
解説の分かりやすさから、文系の方や他の参考書の勉強でつまずいている方、とくに初心者の方にはオススメの1冊です。
今回購入した5冊の参考書と比較すると問題数が少ない為、過去問題集と組み合わせるとベストです。
こちらもおススメできます。
今回レビューした「誰でもわかる電験三種参考書 理論」やその他の科目である電力、機械、法規はAmazonや楽天では販売していません。
購入されたい方は販売サイトからになります。
誰でもわかる電験参考書 理論
誰でもわかる電験参考書研究会実教出版 電験三種徹底解説テキストシリーズ
令和2年度 電験三種徹底解説テキスト 理論
おすすめ度:
価格:2400円(税抜)
ページ数:367ページ
執筆者:電験三種教育研究会
発行所:実教出版
■特徴
・毎年出版されている
・問題数が豊富
・語呂合わせが多い
■その他
・理論、電力、機械、法規、入門書10冊と幅広く発売されています。
・ホームページにサポートページがあり、予想問題と過去問を解くことができる。
項目 | 評価 |
解説 | やや少なめ |
見やすさ(イラストや図) | やや見やすい |
問題数 | とても多い 366問 |
同僚で使用され、合格した方がいます。
問題数が366問と豊富です。
交流に関する問題はとても多く、なんと例題と章末併せて89問もありました。
しかし、説明や問題の解説は少なめといった印象を受けますので、初心者の方には厳しいかもしれません。
無駄な説明や解説がなくても良いという人もいますので好みが分かれるところです。
フルカラーではありませんが、見やすい印刷色で図やイラストのレイアウトも良かったです。
他の出版社との違いとしてサポートページに予想問題と過去問が掲載されており、解説があるのが良かったところです。
それにしても毎年出版されているのはすごいことです。
電気書院 電験3種Newこれだけシリーズ
電験3種これだけ理論 改訂2版
おすすめ度:
価格:2800円(税抜)
ページ数:426ページ
著者:石橋 千尋
発行所:電気書院
■特徴
・2005年に出版され、根強い人気
・シンプルな図が多い
・解説は少なめ
■その他
・2019年に改訂
・理論、電力、機械、法規、数学が発売されています。
項目 | 評価 |
解説 | 普通 |
見やすさ(イラストや図) | 普通 |
問題数 | 多い 239問 |
当時このシリーズを選んだ理由は当時ネットで人気だったからです。
試験会場に行くと、この本を持っている受験者が多かったです。
勉強していた時は気になりませんでしたが、今回改めて購入した参考書と比較すると重要な項目が分かりにくく、解説は少ない方です。
昔の参考書といった印象を受けました。
しかし、私の周りの受験した人も持っているので現在でも根強い人気があると言えます。
2019年に改訂2版と新しく改訂を行い、問題の一部と印刷色が変わっています。
新旧を比較したところ、値段が200円上がってました。
オーム社 電験三種なるほどシリーズ
電験三種なるほど理論
おすすめ度:
価格:2600円(税別)
ページ数:348ページ
著者:深沢 一幸
発行所:オーム社
■特徴
・シンプルな構成
・2018年に発売
・書籍と電子書籍の2種類がある
■その他
・理論、電力、機械、法規、数学が発売されています。
項目 | 評価 |
解説 | 普通 |
見やすさ(イラストや図) | 普通 |
問題数 | 普通 195問 |
読んだ感想として、最初に重要な項目と公式がまとめられており、シンプルな内容でした。
色合いもオレンジ色ベースで明るく、全体的に見やすかったです。
気になった点として、実践・解き方コーナーの問題は見やすいのですが、例題は見にくかったです。
例題にヒントがあるのは問題の考え方が学べるので良い点ですが、例題(a)と(b)等の間にヒントが記載されており、改行がなく圧迫感を感じました。
実践問題のように改行が欲しいところです。
各参考書の比較
最後に5冊、まとめてグラフにして比較していきます。
金額の比較
価格だけの判断で購入するのは失敗の原因となりますが、けっこう気になる部分だと思います。
電験三種理論の参考書価格は2500円前後~3000円ぐらいです。
今回購入した参考書では最大と最小で600円の差でした。
ページ数の比較
ページ数は最大で828ページ、最小で348ページと2倍以上の大きな差がありました。
今回購入したページが多い参考書は丁寧に解説されている傾向でした。
問題数の比較
問題数は最大で366問、最小で118問と2倍以上の差がありました。
問題を沢山解いて慣れたい方は問題数が多い参考書を選ぶと良いです。
しかし、問題が多い場合は解説が少なくて計算の途中が省略されていることがありますので注意です。
私個人として、今回紹介した参考書とは別に過去問題集の購入もオススメします。
まとめ:最近の電験参考書を読んでみて
購入する前に電験三種の参考書を本屋でいくつか見ましたが、私が受験した時よりも読みやすくなっている参考書が多いといった印象を受けました。
そんなたくさんある参考書から今回は5冊に絞ってレビューさせて頂きました。
特徴をまとめると上のような感じになります。
初心者の方が購入する場合は「TAC 電験三種の理論 教科者&問題集」と「誰でも分かる電験参考書」がおススメできます。
参考書は2500円前後の金額であり、4科目の参考書や過去問問題集などを購入するとなると1万円以上となります。
途中で挫折して無駄な買い物にならないように、自分に合った良い参考書を選びたいものです。
今回の記事が悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。
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