工事現場や設備管理の現場では配線をまとめる結束バンドが活躍します。
誰でも一度は使用したことはあるのではないでしょうか?
ただ、職場では結束バンドのほかにインシュロックやタイラップなどの名称を耳にするケースがあり、違いがよくわかっていない方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、結束バンドの特徴とインシュロック、タイラップとの違いを解説していきます。
目次
そもそも結束バンドとは?
結束バンドは、複数のケーブルを束ねるための配線材料です。
日本では1960年代から結束バンドが利用されるようになりました。
英語ではCable Tiesと表記されるため、日本語でケーブルタイと呼ばれることもあります。
そのほか、結束帯や結束タイ、配線バンドなど、さまざまな呼び方が一般名称として知られています。
結束バンドの素材
使用される材質はナイロンが代表的です。
耐久性と耐候性に優れています。
ナイロンと同じく頻繁に使われる素材がポリプロピレンです。
ナイロンよりもさらに強度と耐熱性に優れています。
そのほか、私自身は使用することがありませんが、ステンレス素材の結束バンドもあります。
耐久性や強度が高く、配管の固定や高温の機械の修理でも用いられます。
結束バンドの色
結束バンドは色によって使い分けられることがあります。
たとえば、外観に馴染む結束バンドを利用したいときはアイボリーを選んだり、屋外で紫外線の影響を避けたいときはブラックを選んだりします。
そのほか、レッドやイエローといったカラフルな結束バンドもあり、配線の識別をするときに便利です。
このように、結束バンドを利用するときに色まで着目すると、合理的な作業を実現できます。
結束バンドの仕組み
結束バンドはひものように結ぶことなく配線をまとめられます。
ヘッドの部分に穴が開いており、ヘッドの反対側の末端を挿入して締め付ける仕組みです。
結束バンドを使ったことがない方であれば、挿入するだけではもとに戻ってしまうと思うかもしれません。
バンドには溝が細かく刻まれており、ヘッド内にあるツメがかみ合うようになっているので、挿入しても元に戻りません。
リピートタイプ(リリースタイプ)
中には、何度も使用できるリピートタイプの結束バンドもあります。
リリースタイプや再生可能タイプとも呼ばれています。
配線の仮止めや、何度も取り外し箇所や袋の口止めに使用されます。
結束バンドはインシュロックとタイラップと何が違う?
タイラップとインシュロックは基本的には同じ配線用品です。
それぞれ結束バンドの種類に含まれます。
違いを理解するには、タイラップとインシュロックが登録商標である点に着目する必要があります。
具体的には、ヘラマンタイトン株式会社の結束バンドが「インシュロック」であり、トーマス・アンド・ベッツ社の結束バンドが「タイラップ」です。
結束バンドとインシュロック、タイラップの違いは名称です。
いずれも結束が目的であることは共通しています。
なぜ、結束バンドが「インシュロック」や「タイラップ」と呼ばれるかについてですが、インシュロックはシェアがNo.1であり、タイラップは世界で初めて結束バンドを作った会社であり、両者ともに知名度が高いからだと推測されます。
ヘラマンタイトン社
・イギリスの配線資材メーカー
・日本法人はヘラマンタイトン株式会社
トーマス・アンド・ベッツ社
・1898年設立
・現在はロボットで有名なABB社の一部門
まとめ:名称に惑わされないように注意!
今回は結束バンドの特徴をおさらいし、インシュロックやタイラップとの違いについての説明した記事でした。
結束バンドは一般名であり、インシュロックとタイラップは登録商標です。
インシュロックやタイラップというと、専門的な用語に聞こえてしまうので、初めて仕事をする方であれば、何を指しているのかわからない場合があります。
昔から働いているベテランの方や業種によってはインシュロックやタイラップと呼んでいるかもしれないので注意が必要です。
ただ、結束バンドであることを知っておけば戸惑うことはありません。
これから設備管理や電気工事のお仕事を始める方は、最低限の知識としておさえておきましょう。