配線を端子台に接続する時にネジを締め方を誤ると、接触不良が発生して、発熱することがあります。
最悪の場合は発火し、火災につながる恐れがあります。
どうして発熱するのか疑問に思いませんか?
今回はネジ端子部等の配線が接触不良になるとどうして発熱するか、原因について説明していきます。
本記事の内容を動画でも発熱する理由を説明しています。
接触不良による発熱
接触不良が発生すると発熱し、写真のように配線まわりが焦げることがあります。
焦げるだけで終わるなら良いですが、最悪の場合は火災につながる恐れがあります。
なぜ発熱するのか
下の図は端子台にネジで配線が止まっている画像です。
① ネジをしっかりと締めている状態の場合、接触面が大きく接触抵抗は低いです。
② しかし、配線時のネジの締め方が弱かったり、振動や衝撃、金属疲労により、ネジが緩んでくることがあります。
③ ネジが緩んでいる場合は接触面が不均一になり、接触抵抗が大きくなります。
④ この接触抵抗が大きい状態で、電流が流れた時、発熱・焼損します。
そして最悪の場合は出火し、火事になります。
これはジュール熱が発生するからです。
ジュール熱とは " 抵抗がある導体に電流を流したときに発生する熱エネルギー " のことを言います。
ジュール熱の発生
Q[J]:発熱量 I[A]:電流 R[Ω]:抵抗 t[S]:時間
上の式は抵抗とジュール熱の関係式であり、ジュールの第一法則と呼ばれるものです。
数式から抵抗R[Ω]が増えると発熱量Q[J]も増えることが分かります。
接触不良を防ぐ対策
対策としては定期的に状態を点検し、増し締めを行うか、上図のようなネジなし端子台と呼ばれ、バネの力でとめるプッシュイン方式、クランプ方式の端子台を使用すると良いです。
海外の装置は昔から「ねじなし端子台」がほとんどですが、最近は国内の装置メーカーも採用しているケースが増えていると感じています。
まとめ:接触不良以外に注意
今回の記事はネジの緩みについて、お話しました。
接触面が腐食していたり、電線同士の接続や圧着端子が正しい方法で取り付けられていない場合も同様に接触不良になることもありますので気を付けましょう。
少しでも参考になれば幸いです。